とりあえず進めてはいますのでもうじきブランシュ編は終わる予定です。(終わるとは言ってない・・・え。
なんかにたような話を前に言って様な気がしなくもなくなく無いですが気にしてはいけない。(気にしてはいけない。戒め。
~達也side~
八幡の要望の通り壬生先輩を保健室に送り届け、情報把握を含めた尋問を行った結果は八幡の予想通りの流れを辿った。一科生に対する大き過ぎる不信感や敵対感情が見られた壬生先輩の言い分を一通り聞いたところ、実は勘違いであることが発覚した。それに加えて勘違いへの思い込みの強さや思考の偏り、その過剰さを鑑みても常人の思考と言うには少々過剰な点を踏まえ、何らかの精神汚染の可能性を生徒会長の真由美へ伝えた。本人への影響も鑑みて内密に告げたが、七草家なら何とかするだろう。
その後の話し合いでブランシュのアジトへ襲撃することも確定した。面子も決まり移動手段も十文字会頭が車を用意してくれ、深雪と共に乗り込もうと車へと向かっているところだ。
連中を叩きのめす準備は完了した。
後は実行に移すだけで、障害は何一つとしてないはずだ。
深雪の機嫌を除いては。
元々、ここまでの流れはあくまで八幡の計画に沿って行われている。ざっくりではあるが内容を聞いて最善案であることは確認済みだ。だが、八幡の計画は臨機応変な対応を求められる部分が多すぎる。結果として付き合いの長い俺でも八幡の思惑を読み取りきれない部分が出てくる。
その結果として産み出されたのがこの不機嫌なオーラを隠しきれてない我が妹だ。
理由は先程の壬生先輩の尋問にある。確かに勘違いであり誤解も解けた。だが、その話はそこでは終わらなかった。
「勘違いでやってしまった私の罪は揺るぎません。けれど、あの時の比企谷君の私への侮辱は簡単に許して良いものじゃない。
私は良い。責められるだけの事をしたんだから。でも、これ以降私みたいな生徒を出さないためにもああいった生徒の取り締まりは徹底してください。」
反省し、後悔し、それでも前を向こうとしたが故に見過ごす事が出来なかったのだろう。そして、それと同時に彼女の間違いだらけの1年間に一つだけ”正しかった”と言える事実が残った。
おそらくこの事実は彼女の心を救った事だろう。
この発言が出たことで図書館で八幡が行った少々やり過ぎとも取れる煽りの真意に気が付いた結果が今のこの惨状だ。深雪が不機嫌と怒りを押し殺さんと努力しているが、あまり成功してるとは言い難い。
とは言え、八幡の行動には大きな価値があることも分かる。
”たかが高校二年生の少女が弱みに付け込まれたとは言え精神を汚されたあげく1年以上誰かの傀儡にあった”という事実を受け止めきれるか?っと問われればイエスとは答えにくい。
だから、八幡はわざわざ敵になったのだ。
もしこの罪を受け止めきれる事が出来なかった時、身近に自分を正当化できる何かがあるだけで精神が折れてしまう事を防げる。おそらくはそんなところだろう。仮初めでも冷静に物を考える事が出来るところまで保てばいい。その為の仮想敵を買って出たというわけだ。
とはいえこのまま深雪を放置するのもマズい。深雪の精神衛生面も含めてそろそろ合流したい。一色と話してるとはいえいい加減長い・・・。
「お兄様、携帯が鳴っております。」
その心の声が通じたのか着信先は八幡。
「八幡、今どこにいる?」
『おう達也、現在地は・・・あーそうだな、んーと空?』
一瞬何を言っているのか訝しみかけたがまさか。
「お前、飛行魔法で飛んでるのか?」
『飛んでるってーかいつも通り”上空に向かって落ちてる”だk
「きゃーーーーーーー死にます、ホントに死にますって!・・・え、ちょっと待ってくだsきゃーーーー!!!?!?」
・・・まぁ、そんな感じだ。』
どんな感じだ。省略するにも程があるだろう。
達也は先ほどの叫びを聞いて驚いた深雪への説明を含めてやっかい事が増えたのを自覚した。
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~深雪side~
深雪は非常に怒っていた。
それほどまでに壬生先輩の発言は許し難いものだった。
何よりもその愚かな発言を誘導したのが愚弄された八幡さん本人なのが質が悪い。それでは壬生先輩に撤回すら求められないのだからこの怒りの向け先を失った感じと言いますか、振り上げた拳の落とし所を見失ったと言いますか。
我慢こそ出来ましたが、感情のままに怒りを表に出せば保健室は冷凍室になっていたと自信を持って言えます。この様な自信があっても仕方がありませんが。
確かに、今回の八幡さんの行動で再起不能になってしまうかもしれない少女が一人救われた。その事実は大変誇らしい事態ですが、相変わらず容赦なく自己犠牲を行う部分が全く直っていません。
だからこそ怒りをこらえるのに必死になっている。八幡さんにもだが、何よりも"目の前に居ながらそれを止めることが出来なかった自分自身の体たらくさ"に腸が煮えくり返っていた。
”魔法科高校ではどうしようもないからお兄ちゃんをお願い”っと小町ちゃんとも約束してるというのにこの様です。以前の事件では学校が違ったため歯痒い思いをしつつも手が出しようがなかったですが、今回の場合は止められただけに精神的ダメージは相当なものです。
今夜のお話合いは長くなりますので覚悟しておいてくださいね八幡さん。
ともあれ、その問題の八幡さんは何処にいるのかしら・・・。
普段から面倒くさい、働きたくない、などと言う割には仕事はしっかりとこなす人です。今もサボってるとは思えませんが・・・。
そもそも、一色家が出て来るのも異様に速いですね。お兄様もその点は気になっているのでしょうけれど八幡さんはその説明をしていきませんでした。普通ならば分かり次第メールなり電話なりを入れそうなものですが、何かあったのでしょうか?
などと、ぐだぐだ考えでも埒があきませんね。
早急に八幡さんと連絡を取りましょう。
そう思っていると、どうやら電話ですね。お兄様の携帯です。
「お兄様、携帯が鳴っております。」
お兄様が電話の着信先を見て直ぐに出た。おそらくは八幡さんでしょう。
そのまま訝しげな顔をしつつも会話をしているお兄様。どうにも雲行きが怪しいと思っていた矢先。
『きゃーーーーーーー死にます、ホントに死にますってえ、ちょっと待ってくだsきゃーーーー!!!?』
・・・・・・あの声はいろはさんですね。
八幡さんが一色家と接触しているなら、使者としていろはさんが選ばれるのは想像が付きますし、八幡さんのそばに居ること事態は納得できますが、それがどうすれば悲鳴を上げるような事態に・・・。
「お兄様、先程の悲鳴は・・・?」
「あぁどうやら今、八幡は疑似飛行魔法で上空に居るらしい。しかも一色もそれで一緒に運ばれているようだ。」
「・・・いろはさん初めてでしたよね。
大丈夫、『せんp、いぃいーー!!す、少しまっtえええぇぇええーーー!!』
・・・では無さそうですね。」
・・・・・・・・・・・・いろはさん頑張って耐えて。先程の悲鳴はせめてもの情けで聴かなかったことにします。
八幡さんが時たま使う飛行術式は飛んでいるというよりはまさしく”上に向かって落ちる”という表現がしっくりきます。いわゆる跳躍術式も極限まで絞ればそういった浮遊感などがあったりしますが、八幡さんの場合は本当に地球の重力が逆さまになったのでは?っと錯覚するほどの浮遊感・・・いえ、”頭から落ちていく自由落下”が体を襲います。ちょっとした無重力感などは所謂遊園地的な物でも体験出来ますし、それこそ跳躍術式でジャンプすれば体感出来ますが、空に向かって落ちる・・・といった感覚は流石になかなか体感できる物ではありません。
それ故に初見の人は大抵グロッキーな事になります。
かくいう私も初めての時は・・・いえ、必死で堪えましたとも。
・・・・・・いえ、そんな話は今は良いのです。重要なのはそれよりも八幡さんの今の状況の確認です。
「お兄様、八幡さんが移動なさってるという事はもしかして?」
私が過去のトラウマを思い出している間に電話を続けていたお兄様に問いかける。
「概ね想像通りだ。一色家がアジトを見つけたらしく既にそっちに向かって移動中らしい。」
『そっちは車で追いかけるなら到着自体は大きくズレることは無いだろうから俺は気にせずそっちの流れで突入してくれ。
後、どうやら向こうは達也のキャストジャミングもどきにご執心みたいだ。気を付けてくれ。』
お兄様が電話をオープンスピーカーに切り替えた為こちらにも音声が届きます。学内でお兄様を狙っていたエガリテの目的がこれですか。なんと愚かな。
「校内のエガリテがやたらと攻撃してきたのはそういうことか。
それで八幡。その情報どこから得た?」
『どうやら俺達のカードにする為に小町達を拉致しようと計画したみたいなんだが、計画が杜撰すぎて一色家にさっくり潰されたらしい。
一色家がこんなに速く動いてるのはあまりにも計画のレベルの低さから罠を疑ってる部分が大きいみたいだ。』
小町さん達を拉致!?どうやら未遂で終わったようですが、それにしても許せませんね・・・。
お兄様もお怒りに・・・。
「小町達は無事なんだな?」
『あぁ、お前がここで派手に暴れても小町はなんの得にもならないどころか小町的に嬉しくない結果になる。
だから安全確実にブランシュを料理するぞ。』
「八幡、俺を瞬間湯沸かし器か何かと勘違いしてないか?」
・・・平然とはしていますが、お兄様にとって私達が害されることは逆鱗です。八幡さんも気にするのは分かりますが、お兄様もそこまで短気では・・・無いはずです。
『いやもしかしたら、ブランシュの人間を一部の危険な奴を除いて”逮捕”から、現在の作戦に参加しているブランシュ所属の人間全員の”殲滅”に切り替わらないかどうかを危惧していたんだが、高校生にもなってそんな子供の癇癪起こしたりはしないか。
悪い、俺が気を回しすぎてたわ。』
「・・・あぁ、俺もそこまで子供じゃあないさ。」
お兄様やる気だったんですか・・・。それよりも話を前に進めましょう。
「突入は各々別で、というのは分かりました。八幡さんは一色家の方々と突入する手筈で?」
『深雪か?
いや、俺側は俺一人だ。流石に一色連れて、突入の選択はない。
まぁ、問題ないだろ?』
まぁ、確かに八幡さんの実力なら大丈夫でしょうけれど・・・。
今はそれよりも目の前の敵を葬るのが先です。
「分かりました、八幡さんもお気をつけて。
それより、いろはさんは大丈夫ですか?先程から悲m・・・声が聞こえませんが。」
「なんか大丈夫になったみたいだぞ。
じゃあ後でな。」
電話が切れました。
あれ(八幡式飛行魔法)を初見でどうにかするなんて・・・。いろはさん凄いわね。
もう差し込むネタ無いからブランシュさっさか片付けよう・・・。
・・・九校戦長くなんの目に見えてるんだしさ。
定型文となりつつありますが感想くれても、ええんやで。
くれても、ええんやで。(すみませんください。
と言うのも、苦言やツッコミとかでも激しく参考になるので何でも良いからリアクションが欲しいのですよ。
よろしければこのタコ作者に色々言ってやってください。