やはり俺の相棒が劣等生なのはまちがっている。   作:読多裏闇

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もうじきブランシュ編が終われそうでほっとしているタコ作者が通りますよーーー。

終わってから言えって?・・・ウ、ウィッス。




入学編26

 

~いろはside~

 

 

 

「きゃーーーーーーー死にます、ホントに死にますって!・・・え、ちょっと待ってくだsきゃーーーー!!!?!?」

 

 頭から真っ逆様に落ちてると体は訴えてるのに地面から体が遠のいてるのは何なのですか!?

 それに、時たま落ちる方向が変わるんですけど!?

 はっきり言って先輩にしがみついてなかったら意識を保ってられたか自信がない。そもそも、最初からこうなることは覚悟していなかったのだから、なおの事だ。

 

 元々、アジトが分かったっていう連絡が来た段階で車を呼ぼうとした筈なのに「別に自力で移動するからいらん」って言うので、移動に適した魔法が得意なのかな?って単純に考え、それに従った数分前の私にもう少し危機感を覚えて欲しかった。

 先輩はわりと無茶するってことを。

 まぁ、今回の場合は無茶するていうよりは先輩そのものが無茶くtyって・・・!?

 

「せんp、いぃいーー!!す、少しまっtえええぇぇええーーー!!」

 

 隣で悲鳴上げてるのに放置ですかこの先輩は・・・!!なんかしれっと電話してるし!!

 ・・・なんか気持ち悪くなってきました。むしろここまでよく保った方だと思います。

 

 で す が !

 

 先輩の前でいたすとか絶対、ぜ っ た い あり得ませんから。

 要するにこの気持ち悪さはこのむちゃな移動で酔ったのが原因です、なら三半規管などの感度を下げればいいのではないでしょうか?思いついたなら即実行です。と言うか四の五の言ってる場合じゃないです。

 私はCADを操作し自分の神経系に干渉。一時的にですが重力等を感じる感覚などを鈍らせていく。まぁ、こんな芸当が出来るのは一色家故の裏技ですけど。

 と言うのも、第一研の研究テーマは対人戦を想定した「生体への直接干渉」。中でも一色家では「神経への干渉」を得意としています。自分への干渉も出来ずに他人への干渉など夢のまた夢なので、一色家では自分の体における神経系の掌握は徹底的に訓練させます。うちの姉なんかは知覚情報を神経ネットワークや脳に干渉して加速させる訓練のやり過ぎで神経系の影響をほぼ0に出来る技術が身に付いてますね。「もう直接精神で知覚する域まで来たわ。」とか少し前に言っていたけど、もうそれ第一研の研究範囲超えてる気がするよ・・・。

 まぁ、お陰というか自分の神経系への干渉と微調整は息をするように出来る様になってるはず・・・そう、なっているはず・・・なのに。

 何故今までやらなかったのでしょうか・・・。

 最初に飛ばされた(落とされた?)段階で使ってれば、最初はまだしもそれ以降あんなはしたない声を上げることも無かったんじゃ・・・。

 いえ、コレも全部事前説明なしで空に向かって自由落下させる(それ自由落下って言うのかな?・・・いえ、そんな事は今はどうでも良いです)先輩が悪いんです。

 この埋め合わせは今度きっちりしていただけますからね?せーんぱい?

 

「あー、一色?生きてるか?

 いきなり静かになったがまさか気絶とかしてねえよな?」

 

「はい。意識ありますよ。気絶するかと思いましたけど。

 今は神経系を制御してこの船酔いみたいな感覚を無理やり抑え込んでます。」

 

 じとーーーと睨みます。先輩がビクついてますがこっちはもっと大変だったんですから反省してください。

 

「お、おう。悪い。

 跳躍術式と大差ないと思うんだがな・・・。」

 

「跳躍術式は体が軽くなる感覚はあっても上に向かって落ちたりはしません!!

 それより先輩。これってもしかして飛行術式だったりします?」

 

 もう、大概ヤバい魔法力見てますから。レアスキルの一つや二つあっても驚きませんよ。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 飛行術式。

 この単語を魔法に関わりが薄い人間が聞くと「空を飛ぶ魔法なんだなー」って感想が出てくる程度の物だが、魔法師が聞けば殆どの人間が「加重系魔法における技術的三大難問の一つ」を思い浮かべるだろう。大仰に"三大難問"と掲げる事からも分かるように魔法師にとっての飛行術式とは基本的に実現不可能な魔法というのが一般的だ。

 だが、何事にも例外という物がある。

 そもそも三大難問に定義されているのは「汎用的飛行魔法の実現」となってる事からも分かるように”汎用的でない”飛行魔法は存在する。もちろん汎用的ではないという点からも分かる通りこういった飛行魔法は個人スキルに近い物で言わば特殊能力や専用必殺技に近い物になる。・・・やべえ、かっけーなおい。

 まぁ最近よく考える内容だっただけに長々と飛行魔法について考えたわけだが、結論から言うと。

 

「飛行術式じゃなくて、上に向かって落ちることを利用した空飛んでる風な魔法だよ。」

 

「いえ、それで飛べてるなら飛行術式じゃないんですか?

 しかも、落ちるってことは加重系魔法ですよね?レアスキルじゃないですか。」

 

 んー。まぁ、確かに広義的に見れば飛行術式か?だが限定的すぎるんだよな。

 

「・・・今、どうやって浮いてるか分かるか?」

 

「上空に擬似的な重力を発生させてるんじゃ無いんですか?」

 

「それだとどこかでキャンセルして自由落下でも混ぜないと干渉力の累積加算が発生する。

 飛行術式が出来ない原因と同じで方向や高度を変える度により大きな干渉力をもって上書きしなきゃいけないから直ぐに打ち止めになる。」

 

 この魔法式が終了する前にもう一回魔法を重ねる工程を使ってる限り永久に空を自由に飛ぶことは不可能だ。

 

「ですから、レアスキルの類だと思ったんです。八幡家は加重系に秀でた家系ですからそういったレアスキルを持ってる可能性もあるかと思いますし。」

 

「その手のレアスキルは古式系の専売特許だろ?

 俺のは原理的に違うし、仕組みも結構単純だ。」

 

 理由が思いつかなかったのだろう。答えを待つようにこちらを見る一色。

 

「あそこに月が見えるよな?俺たちはあそこに向かって落ちてる。」

 

「・・・・・・えっと月の引力を増幅して、月に向かって落ちるから上に向かって落ちてる・・・って事ですか!?」

 

 蓋を開けたらとても簡単。下に引っ張る方(地球)がいらっしゃるなら上に引っ張る方(月)に手伝って貰いましょう。

 

「正確には、俺達にかかってる月の重力を増幅して地球の重力の影響を下げてるんだが、俺は俺を中心に一色が含まれる程度の範囲の引力を操作しっぱなしにする事で短距離でかつ移動先の方向に月がある場合に限って空が飛べる。

 こんな限定的な飛行魔法があってたまるか。」

 

「それでも魔法を使いっぱなしって事ですよね?

 後、途中で向きが変わってたのは・・・?」

 

「そこは魔法の親和性の問題だな。

 八幡家の魔法師は今ある物を増やしたり減らしたりって考え方をする魔法は扱いやすいからな。

 途中で向きが変わってたのは、月に向かって落ち続けると高度が上がりすぎるんで、適度に自由落下をな・・・。」

 

「それって空中に放り出してるって事ですか!?何考えてるんですか!?馬鹿なんですか!?死ぬんですか!?」

 

 やっべ口滑ったわ。

 

「そ、そんな事よりそろそろ目的地近くだと思うんだが、偵察の人間はどの辺りにいるんだ?」

 

「・・・そうですね。アジト手前の森に潜んでるって連絡が来てます。バカですけど仕事はちゃんとするので見つかったりはしてないと思います。

 今位置情報出しますね。」

 

 露骨な話そらしだがおふざけはここまでということで切り替えてくれたようだ。

 ・・・・・・しれっとバカとか言わなかったこの子?部下不憫すぎるでしょ。

 

「だいたい把握。そこそこ距離開いてるし、そこにまっすぐ降りるからその不憫な部下さんに伝えておいてくれ。」

 

「不憫・・・?あ、はい。伝えます。

 あ、降りるときは言ってください。絶対。いいですか、絶対ですよ?」

 

 え、何それフリなの?

 ・・・・・・心読んでこっち睨まないでくれません?

 

「あー、降りるぞ?」

 

 指定された座標はアジトから少し距離がある。まっすぐ降りても問題ないだろう。

 はい、着地っと。流石に少し疲れたな。近くに人が居る感覚があるが、恐らく一色家の奴だろう。

 

「うわ、空から飛んでくるってきいてたけど一気に来過ぎっしょー。

 超驚きまくりんぐなんですけど?」

 

 ・・・・・・んんー?あれ、俺どっかでこの声聞いた事あるぞー?

 気のせい・・・じゃないわ。このウザそうな雰囲気他の追随許してないわ。

 

「・・・おい、なんで戸部がいんの?」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

~達也side~

 

 

 

「パンツァー!!」

 

 レオの魔法発動により硬化魔法によって強化された車体がフェンスを突き破る。

 現在地はブランシュのアジトとされている廃工場入り口。十文字会頭が用意してくださった車にてブランシュを制圧しに敷地内へ突入したところだ。

 メンバーとしては当初の予定通りの俺や深雪に十文字会頭。それについてきたレオとエリカの他に桐原先輩が参加していた。

 十文字会頭の指名により作戦指示を任された俺はエリカと先の魔法で無理をさせてしまったレオに殿を任せて十文字会頭と桐原先輩に裏口、俺と深雪で正面から突入する運びとなった。

 

 俺の目(精霊の眼)がある限りは待ち伏せという言葉はほぼ意味がない。今も、多数の拳銃武装を持った人間を従えた司一と思われる人物が待ちかまえているのが見えている。まぁ、"ここから制圧も可能”だが一応、自供も取りたいところだ、と待ち伏せに乗って正面から踏み込むと想像以上の小物で拍子抜けだった。

 ペラペラと自供はする中にはキャストジャミングもどきを狙ったことをほのめかし、挙げ句の果てには擬似的な催眠術をかける光波振動系洗脳用魔法「邪眼」(イビルアイ)を撃ってきたため小町たちの件と壬生先輩の件、両方ともの容疑者としての証拠を自ら持ってきてくれたようなものだ。

 本当に手間が省ける。

 邪眼も無力化したし、こいつにもう用はない。生き証人としての価値以外無い以上、早急に捕縛してここを制圧するとしよう。

 

 

 




 もうね、ブランシュって障害が完全についでになりつつある事に気がついて、司一に少々同情いたしました。もう完全に的です。

 さて、最近時間を見つけては書くのに必死で気がついてなかったのですが、UA21万超えてるじゃあありませんか。(←20万代の数字発見し損ねる程度の雑魚がコレです。

 作者の趣味で設定がコテコテ積み上がる妄想にお付き合い頂き誠に恐縮ですが、楽しんでいただけると幸いです。
 感想とか、感想とか、例えば感想とかお待ちしてます。(何卒何卒。
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