やはり俺の相棒が劣等生なのはまちがっている。   作:読多裏闇

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珍しくコンスタントに投稿できてるけど熱でもあるのか?

昨日友人に聞かれた質問でございます。読多裏闇です。

コンスタントに投稿できていることに私もびっくりしているのですがなんとか元気にやっております。(おい

ここのところは筆がのってきてる(滑ってる?)のでそこそこ投稿できています。
楽しんで頂ければ幸いです。


九校戦編11

~深雪side~

 

 

 

 言霊・・・ではありませんが、お兄様と話した予想は現実のものになったみたいですね。

 

「ねぇ、雫?

 なんで九校戦のパンフレット逆さに見ているの?」

 

「え・・・?あ。」

 

 凄くベタな事してるわね・・・。

 バスを降りて部屋に入った後、普段冷静な雫には珍しく落ち着きがない。事前に調べてきた九校戦の情報を見ているかと思ったらページをめくる速度が読んでいる速度じゃないし、唐突にベッドに倒れ込んで枕に表現しきれない何かをぶつけているような蛮行(奇行?)を行ったりとなかなかに大変そう。

 ここ数ヶ月の付き合いで雫たちの人となりを見てきて、色々な事が分かってきました。

 ほのかは素直でまっすぐで優しくて、比較的見た目通りの女の子。少し信頼が重いところがあるみたいだけど、裏を返したら一途とも取れるし、そういった所もほのかの魅力ね。

 逆に雫は見た目とはかなり違って強い情熱も持っているし、負けず嫌いな面もある。クールで言葉数が少ないから少しかっこいい印象もあったけれど、ほのかが言うには恋愛観は凄く少女らしいみたい。

 まぁ、コレについては今の光景で確信が持てたけれど。

 

「ねぇ、ほのか。

 何があったのかはなんとなく予想は出来てるのだけど、状況が予想を超えていて・・・説明お願いしてもらっても良い?」

 

「えっとね・・・ざっくり言うと。

 八幡さんの事好きになっちゃったけど、さっき八幡さんに迷惑かけたり勘違いしたりで合わす顔が見つからなくて・・・ってわたわたしてるのに、この後パーティーあるから顔を合わすのは確定で・・・。要するに、感情を持て余してる恋する乙女(可愛い)って感じかな?」

 

 細かいことは分からないけど状況が簡潔に理解できる説明ね。

 苦笑いを含むほのかの説明に物申したいのか雫が色々言っているけれど自分でも支離滅裂なのを理解しているのか、尻すぼみになってしまう。

 うーん、単純に往生際が悪いだけの様な気もするけど・・・。

 

「雫的にはどうなの?

 状況の推移次第によっては親戚になるから、出来れば詳しく聞きたいのだけど。」

 

 雫がフリーズしたわ。

 結婚をほのめかす話は少し刺激が強かったみたい・・・。

 ・・・けれど、何事も結構はっきりとしている雫にしては珍しい狼狽え方ね。

 

「ねぇ雫?自分の気持ちに整理をつけて貰えないとフォローのしようがないのだけど・・・?」

 

「・・・・・・フォローしてくれるの?深雪。」

 

 あら、びっくりした顔してるわね・・・。何故かしら?

 別に雫の恋を邪魔しようとかは今の所考えてないけし、そんな素振りも見せた覚えはないと思うのだけど?

 

「私、雫の気持ちを否定する様なこと言ったかしら?」

 

「言ってないけど・・・・・・。

 邪魔されるかもしれないとは思ってた。」

 

 思われるような事したかしら・・・?

 

「・・・理由に心当たりがないのだけど、何故そう思ったの?」

 

 

「え、深雪って八幡の事好きなんじゃないの?」

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっと。

 

「ごめんなさい。その発想がなかったから返答に詰まったわ。」

 

「深雪は八幡か達也さんが好きで、どっちが本命かなって思ってたんだけど。

 まぁ、達也さんは兄妹だから常識的観点から見たら八幡かなって・・・違うの?」

 

 ・・・私ってそんなふうに見られてたのね。

 

「誤解よ。

 私が八幡さんと付き合おうなんて恐れ多い。

 もちろん、八幡さんの為にならない様な人は私の全身全霊をもって排除するつもりだけど。

 それも八幡さんが望まない事はしないことが前提条件よ。」

 

 まさか、こんな事で雫が悩む原因になるなんて思わなかったわ・・・ってさっきからの奇行の説明になって無いじゃない。

 

「私の件はこれで誤解は解けたわよね?

 それで、さっきからうなってたのは何が理由なの?」

 

「うっ・・・・・・、自分の感情の整理に時間がかかったのと・・・。

 ・・・・・・・・・今までなかなかに大胆な事してた気がすると思って今更ながら悶絶してた。」

 

 成る程。往生際が悪いんじゃなくて自分の気持ちを認めた結果恥ずかしくなってしまったのね。

 

「さっき"邪魔されると思ってた”って言ってたけど、その言い分だと自分の気持ちには自覚はしていたのね?」

 

「いや、あの、その・・・。

 自覚というか、判断しかねてたって感じというか・・・。

 初めてのことで戸惑ってたというか・・・。」

 

 可愛らしいわね。ちょっと応援したくなってきてしまいそう。

 

「でも、悶絶する様なあれこれも八幡さんが相手なら有効だと思うわよ?

 実際、八幡さんは真っ直ぐストレートに好意を伝えても罰ゲームで告白された、とかの可能性を考えてしまう様な人だから、八幡さんが逃げる余地を残さないほどの勢いじゃないとスタートラインにすら立てないわよ?」

 

「・・・・・・うん。名前を呼ぶだけであれだけ逃げ回るくらいだからそれは分かる。」

 

 ちょっと冷静になってきたわね。

 何気にスタートラインには立ちたいと言ってしまってるのは気がついてないみたいだけど。

 

「今、明確に好意を持って八幡さんへと接してる学校関係者は居ないと思うからこのアドバンテージは生かした方が良いと思うわよ?

 最近は会長が結構攻めてきてるし、もし会長が自分の気持ちに素直になったら・・・。」

 

「・・・それ、洒落になってないよ。八幡会長にデレデレしてたし。

 深雪、協力してくれるの?八幡さんの事。」

 

「雫の味方になれるかは分からないけど、友達の恋の応援くらいはするわよ。

 私はあくまでも八幡さんの味方だけれど。」

 

 それに、八幡さんのフォローで手一杯だから、どこまでアシスト出来るか疑問なのよね。

 

 

 

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~雫side~

 

 

 

 私は比較的、パーティーというものになれている。

 私の家がそういった催しを開催することも多々あるし、参加したことも少なくない。

 もちろん作法は一通り叩き込まれたし、参加するのにわざわざ構えるようなこともない。

 ・・・はずなんだけど。

 今回ばかりはそうもいかなかった。確かに、場慣れはしてるけど、憧れの九校戦の前夜祭ともいえるパーティーで凄く楽しみにしていたのが一つ。

 そして、今から八幡に会うのだろうと考えるといつも通りの顔が出来るか心配なのが一つ。

 そんなこんなで、かなりの決意を持って会場入りをしたのに当の八幡はというと・・・。

 

 壁際の目立たない位置どりを確保して飲み物片手に大あくびしていた。

 

 一気に力が抜けた。そうだよ、どれだけ構えても八幡は八幡。むしろ、こういったパーティーに参加しに来てるだけマシって考えるべきだった。

 それに、隣に達也さんも居る。隣の給仕さんと話してるけど・・・ってあれはエリカ?なんで給仕してるんだろう。・・・考えてても無駄だし話しかけよう。

 ほのかを誘って達也の方へ向かう途中、八幡が女の子2人と離れていくのが見えた。

 しかも、うちの制服じゃない。あの赤を基調とした制服は三校の・・・。

 ・・・・・・・・・あれ、誰?

 とりあえず、達也さんと気がついたら隣にいる深雪に詳しく聞かなくちゃ。

 

 一先ず話しかけて先程までエリカが居た件について聞いたところ、どうやらバイトとしていつものみんなが来てるみたい。あと、私の知らないクラスメイトも居るみたいだけど、それは追々紹介してもらおう。

 それよりも・・・。

 

「あそこで八幡と話してるの、誰?」

 

 思いの外低い声が出た。私ってこんなに嫉妬深かったっけ?

 

「あの二人は一色家の愛梨さんと三浦家の優美子さんよ。」

 

 一色家に三浦家・・・。

 

「あれ、愛梨さんだったんだ。久しぶりだったから分からなかった・・・。

 それと、三浦家ってあの?」

 

「ええ、その三浦家よ。」

 

 一色家は次女のいろはさんと知り合いみたいだからそこの繋がりかな・・・?三浦さんは分からないけど。

 

「えっと、一色家に三浦家、一応雪ノ下家と葉山家もかな?八幡さんって大物の知り合い多いね。

 それに、何かと関わりが多いみたいだし・・・。とてもぼっちとは思えないよ。」

 

 本当に。自称ぼっち詐欺だよ。

 

「まぁ、ここまで大物の知り合いが多いのは出身校が魔法先取りの実験校だったというのが大きな理由を閉めているだろうな。

 名前くらいは聞いたことないか?千葉市立総武中学校だ。」

 

「あの進学校のですか?

 魔法の先取り教育の話で、少し受験しようかな?って話が出ました!

 ・・・偏差値が高過ぎで諦めたんですが。」

 

「ほのかなら多分いけてた。私はギリギリだったから怪しいけど。

 そっか、頑張って入ってたら八幡と会えたんだ。」

 

 ちょっと勿体ない事をしたかも。

 

「三浦優美子さんはその当時のクラスメイトよ。

 愛梨さんは直接の面識は無かったみたいだけど、何かご用事があるみたいね?」

 

 別の学校で、九校戦で、わざわざ呼び出して会話をする・・・。

 ・・・・・・・・・むぅ。

 

「やっぱり気になる?」

 

「え、いやその・・・。

 ・・・・・・気にはなる。八幡の周りはいっつも女性が居るから正直気が気じゃない。」

 

 しかも出てくる人が魔法師社会の重要人物だらけ。そろそろプレイボーイを名乗れるんじゃないかな?

 ・・・・・・多分本人は名乗る気皆無だけど。

 むしろ、彼女は凄く大事にしそう。妹さんとか凄く手厚く保護してる印象だし、身内贔屓の典型みたいな性格してるよね。

 

「驚いたな。

 ここまではっきり八幡への好意を言うようになってるとは。

 何かあったのか?」

 

「そうなんですよ、達也さん!!

 八幡さん、バスの時の件で落ち込んでた雫を慰めて、その後頭撫でたり誉めたり・・・。

 完全に手玉にとられた雫もタジタジで・・・。」

 

 ちょっ!?ほのかそれはこんなところで話して良い話題じゃない!!

 

「ほのか、概ね概要は分かったし、祝福したい気持ちは伝わったがそこまでにしてやってくれ。

 ・・・雫がそろそろ限界だ。」

 

「お兄様。先程も言いましたが、もう少し女心をもう少し察してあげてください。

 それはフォローではなく、追い討ちです。」

 

 ・・・深雪のそれも追い討ちなんだけどね。

 というか、こっちがこんなに大変な目に遭ってるのに八幡はあんなに楽しそうに・・・。

 やっぱり、行こう。敵情視察は重要だよ。

 女は度胸ってお母さんも言ってたし。

 

 

 

 

 




次は少し俺ガイル成分が強くなります。原作を知っていると少し楽しめるのでは無いでしょうか?

最近コメントを頂いたものを読み返してると一部消えているのを見つけました。端には「運対」の文字が。
私としましては批判も重要なご意見だと思ってますので気にしていなかったのですが、まさか運営様がご覧になっているとは・・・。
つきましては、この小説に関して、ご意見は基本的に制限しておりませんので容赦なく書いていただければと思っております。(自動削除機能なのだとしたら概ね消される前に一回は読んでるのでおそらく大丈夫です。
以上、私見でした。

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