ちょいちょいやらかす事に定評がある為非常に助かっています。(ありがたやありがたや
あとがきの方でアンケートを取っている旨のお知らせを致します。よろしければご参加いただけると幸いです。
「さぁ、八幡さん。行きますよ?」
教室から気配を殺し、出て行こうとする八幡に深雪が声をかける。
ちっ、逃げるのに失敗した。
「八幡、往生際が悪い。」
「生徒会長さんと昼食でしたよね?流石にすっぽかしたら大変な事になるんじゃ・・・。」
「わーったよ。・・・・・・はぁ。」
光井と北山に窘められ、ため息をつきつつ深雪と共に教室を出る。
「やっぱり逃げようとしましたね。逃げ切れないのは分かってたと思うのですが・・・。」
「俺は深雪のオマケだろ。居なくても良いと思うんだがな・・・。」
俺の一言が気を触ったのか少し不機嫌そうにする深雪。
「八幡さんはオマケなのではありません!!ですが、それ抜きにしても七草会長は八幡さんに興味を持っていたように感じましたが?」
「・・・・・・俺はそれが深雪の勘違いだと願ってる。」
「また、心にもないことを・・・」と呆れながらのツッコミを無視したころに目的地である生徒会室を目視。同時にその少し手前で達也がこちらに目を向けているのに気が付いた。
「その感じだとまた逃げようとしたのか?八幡。」
「うっせ。」
先に着いて深雪達を待っていた達也が八幡と深雪の雰囲気から状況を察し呆れ顔で八幡を見るも、どこか疲れた顔をしている辺り達也の心情もお察しである。
その二人とは対照的にどことなく嬉しそうな深雪は達也に促されつつ入室を求めるべくインターホンを操作する。
入室の求めに明るい返答と共にロックの外れる音がし、達也を先頭に入室した。
「いらっしゃい。遠慮しないで入って。」
中に居たのは4名の女子生徒が居た。会長に促され八幡、達也、深雪は席に着き会長から現生徒会メンバーの簡単な紹介を受けた。
生徒会長 七草 真由美
会計 市原 鈴音(通称リンちゃん)
書記 中条 あずさ(通称あーちゃん)
風紀委員長 渡辺 摩利
そしてこの場には居ないが副会長のはんぞーくんなる人がメンバーらしい。通称とやらはどうやら会長のあだ名のようなので無視でいいだろう
と言うかはんぞーってなに?忍者なの?俺知り合いに居るんだけど忍者。・・・あれは忍びだっけか?
その後料理が配られ食事を勧めつつの雑談が始まる。空気を読んで空気に徹する男。それが真のボッチストたる俺の役目だ。一切会話には参加しない。
何度か俺に話を振る素振りを見せた人間が居たが我関せずの態度で食事をしている俺に話しかける切っ掛けを見つける前に話は本題に切り替わった。
「当校は生徒の自治を重視しており、生徒会は学内で大きな権限を与えられています。
これは当校だけでなく、公立高校では一般的な傾向です。」
達也は相槌を打って話の続きを促す。これ自体は一般から大きく外れていない純然たる事実なのだから疑問を挟む余地もない。
「当校の生徒会は伝統的に、生徒会長に権限が集められています。大統領型、一極集中型と言っても良いかもしれません。」
実力主義の魔法科高校らしい伝統だな、と八幡は思ったがいちいち口を挟む愚など侵さない。
「生徒会長は選挙で選ばれますが、他の役員は生徒会長が選任します。解任も生徒会長の一存に委ねられています。各委員会の委員長も一部を除き任命権があります。」
「風紀委員はその例外の一つだ」と摩利が補足を入れつつも前置きから本題に移行する。
「毎年恒例なのですが新入生総代を務めた一年生に生徒会役員なって貰っています。そのままのちのち生徒会長に・・・と言うパターンもここ5年は続いていますね。」
ここで一呼吸置き本題を切り出した。
「深雪さん。私は貴女が生徒会に入って下さることを希望します。
引き受けてくださいますか?」
ここで深雪は目線を達也に向け問いかける。達也がうなずくのを見て決意を固めたのであろう。
爆弾を投下した。
「会長は兄の入試の成績をご存知でしょうか?」
この発言での周囲の反応はきっぱり2種類に分かれた。
なぜこの話が出てくるのかと言う疑問と驚き。
そして“あぁ、やっぱりこうなったか”と言う苦笑いである。
珍しいことに達也がこの妹の行動に非常に驚いており悲鳴を堪える様子が八幡には察せられた。
「ええ、知っていますよ。すごいですよねぇ・・・・・・。
正直に言いますと先生にこっそり答案を見せてもらった時は、自信を無くしました。」
「・・・・・・成績優秀者、有能な人材を生徒会に迎え入れるのなら、私よりも兄の方がふさわしいと思います。」
そこで再起動が済んだのか予想通りと言う顔の俺に助力を願う顔を向けてきた達也。
・・・・・・しゃーない助けるか。
「デスクワークならばむしろ知識に勝る兄の方が・・・」
「深雪、生徒会は一科生しかなれない校則があるぞ。」
今まで存在を認知されていなかったのであろう。俺がしゃべったことで空気が止まった。
さっさと畳み掛けるか。
「まぁ、デスクワークは達也の得意分野だし、言いたい気持ちもわかるが一応は規則だしな。」
ここまで言えば納得するだろうと思ったがその読みがいかに甘かったかを俺は思い知る。
「そうだったのですか・・・。申し訳ありません。分を弁えぬ差し出口でした。お許しください。
ところで七草会長。その他に生徒会役員になる条件はあるのでしょうか?」
・・・・・・おい、いやな予感がするぞ?
「無くはありませんが、一科生の一年生ならば特に現段階で気にする部分はありませんね。」
「私、お兄様にも引けを取らない素晴らしい知識とデスクワークスキルを持つ方を知っているのです。
私を生徒会に加えていただけるお話についてはとても光栄に思います。喜んで末席に加えさせて頂きますがこちらの八幡さんも一緒に、と言うわけにはまいりませんでしょうか?」
混乱した俺は達也に目で助けを求めた。借りを返しやがれ!!
「すまないが司波。そいつは生徒会に入れるつもりはない。」
だが、そんな俺を窮地から救ったのは俺の予想外のところからの一声だった。
「比企谷は教職員推薦枠で風紀委員会に入ることになっている。もちろん本人の強い希望で生徒会に入りたいのならば変わってくるが?」
「いや、生徒会に入るのは希望してないですけど・・・。
と言うか風紀委員ってどういうことですか?」
寝耳に水とはこのことである。窮地から救われた先が地獄ってブラック過ぎんだろ・・・人生。
「そのままの意味だ。本当は森崎がその枠で風紀委員になる予定だったが入学早々馬鹿やらかすような奴には任せられんからな。
真由美に聞いたら術式解体(グラムデモリッション)とやらは現存する対抗魔法では最強クラスのものらしいじゃないか?
実際あの時の判断も見事なものであったからそれとなく推薦しておいた。」
何してくれてますのん!?
「なるほど、そういうことでしたか。
無理を言って申し訳ありません。分を弁えぬ差し出口でした。お許しください。」
俺がどうにか反論しようと口を開きかけた瞬間それをさえぎるように深雪が話を進めようとする。
待って?俺に拒否権ないのん?
「それでは深雪さんには書記として今期生徒会に加わって頂くと言うことでよろしいですね?」
「はい。精一杯務めさせていただきます。」
やばい。このまま流すと確定になりかねない。どうにかしないと・・・。
「そうだ、真由美。教職員推薦枠も埋まったことだし生徒会推薦枠の補充も決めてしまって欲しいんだが?」
「それはまだ人選中よ。急かさないで。」
すると摩利の顔が何かを企むような目で続ける。
「さっきの司波の言い回しを借りるようで悪いが、実はいい人材に心当たりがあるんだ。
なんでも発動した魔法の起動式を読み取れるという類い稀なる才能の持ち主なんだがどうだろう?」
「・・・・・・あぁそっか。ナイスよ摩利!!」
突然立ち上がった真由美は達也を指さし声高らかに叫んだ。
「風紀委員なら問題ないじゃない!!生徒会は司波達也君を風紀委員に指名します。」
「ちょっと待って下さい!俺の意思はどうなるんですか?
大体風紀委員がどういう委員なのかも説明を受けていませんよ?」
先ほどとは違いなまじ不可能でない事が危機感となり達也が声を上げた。乗るしかない、このビッグウェーブに!
「俺も詳しい説明がほしいっすね。と言うかなんで推薦してるんですか・・・。」
「妹さんにも生徒会の説明について具体的な説明はしていませんが?
後、比企谷さんの件は至極真っ当な手続きを通った結果ですので諦めてください。」
その後達也の抗議が続いたが(俺の抗議は概ねスルーされた)昼休みと言うこともあり時間切れ。
続きは放課後となった。
まだまだリハビリ気味とは言え物語進行おっそ・・・。
後、台詞メインだと拙さが目立ちますね・・・。(書き方等のアドバイスあったりしたら泣いて喜びます。
もう少し書けばそこからはずばば~と進むと思いますのでお付き合いいただければと思います。
私の活動報告にてアンケートをとっております。
内容的な観点ではあまり重要ではないのですが、よろしければご参加願えると助かります。