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Reloading...
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やあ、ようこそ。はじめまして。
こんなところまで、よく来てくれたね。
見るものなんて海と女の子くらいしかないけど、まあ、ゆっくりしていきなよ。
そういう冗談はやめろ?
ところがこれが本当なんだよね。うちの特産品なんだ。
……嫌そうな顔だね。
だってさ、仕方ないじゃない。
ちょっとでも海に出たら、魚よりたくさん持ち帰るんだから。
意思を持って。
自分の言葉で喋って。
それなのに、同じ顔で同じ声で、同じ歴史を語る女の子だ。
十人くらいお土産にどうだい。近頃は、少子化が進んでるって話じゃないか。ははは。
僕かい?
僕は、提督とか呼ばれてる。
ううん、そんなに大層なものじゃないよ。
せいぜいが、行けか戻れか言っていたくらい。
それで生きていけるんだから、ありがたい話だけどね。
ははは。羨ましいかい。
じゃあ、代わってあげるよ。
帽子をきみにあげよう。
よし。
似合ってるよ。うん。
からかっているわけじゃないよ。本当さ。
これで、どこからどう見ても、きみは提督だ。
……さあ、提督さん。
きみの最初の仕事は、僕を殺すことだ。
いいかい。
ちゃんと狙うんだよ。
きみが持っているそいつでさ。
なんでって、きみは提督なんだから。
説明不足。まあ、そうだよね。
じゃあ、話してあげるからさ。
納得したら、撃ってほしいな。
何から話すのがいいんだろう。
そうだね、朝ごはんの話からにしようか。
最近は自分でも作るようになったんだよ。
トースト一切れと一杯の珈琲。
僕は少食なんだけど、まあ仕方ないことだよね。
提督なんてそれくらいでいいんだ。
どうせ昼からは、食欲なんてなくなるんだから。
もそもそとパンを飲み込んだら、総員起こしをかける。
秘書艦の子がやってくれるよ。まあ、みんな起きてこないんだけどさ。
僕は起きなかった子を適当に選んで、艦隊を組む。
紙にさらさらと名前を書いて、秘書艦の子に渡すんだ。
彼女がひとりひとり名前を呼ぶと、やっとしぶしぶ起きてくれる。
……ね、提督なんてそんなもんさ。
それから、みんなは海に出る。
僕は秘書艦の子とお茶でも淹れながら待つ。
進みますか。戻りますか。
それとなくどっちかを選んで、また待つ。
そのうち日が暮れる。
行きますか。帰りますか。
だいたい、僕は帰ろうって言うんだ。
それで夜になる。
誰かが帰ってくるまで、日がな一日、僕はお茶を飲む。
静かなものさ。
……どうだい、撃つ気になったかな。
わけがわからない。そうか。
じゃあ、もう少し話すね。
なんにせよ、きみは僕を撃つことになるだろうけど。
秘書艦の子の話でもしようか。
ここにはもういないよ。
僕が殺したからね。
やがて陽が落ちる。
そのうち夜になる。
お茶はもう冷めている。
秘書艦の子は、おやすみなさいと言って寝てしまう。
朝になる。
総員起こしをかける。
秘書艦の子は起きてこない。
だから僕は彼女の名前を紙に書く。
自分で読み上げる。
彼女はしぶしぶ起きて海へと出て行く。
僕はひとりでお茶を淹れる。
進みますか。戻りますか。
僕は答えない。
行きますか。帰りますか。
それにも答えない。
そのまま僕は寝てしまったから、本当のところを言うなら、彼女がどうやって死んだのか知らない。
進みも戻れもしないまま、包囲されたんだと思う。
多分死んだ。そんなところ。
――なんで?
きみは、どうしてだと思う?
それがわかってたら、とっくに僕を撃ってるね。
じゃあ、教えてあげよう。
提督は肩書きじゃない。
提督の仕事は、選ぶことだ。
僕は、あの子を海に出すときまでは提督だった。
あの子の名前を紙に書いたんだからね。
今は何かって?
言ったじゃないか。そんな大層なものじゃないって。
さ――提督。
きみの役割は、秘書艦である僕を殺すことだ。
それで、そのままこの部屋を出ていってほしいんだ。
こんな馬鹿げた話、もうおしまいにしたくてね。
そうじゃないと、あの子も僕も報われない。
……そうか。
それがきみの答えなんだね。
今回も、ダメだったんだね。
わかったよ。
僕の名前を、紙に書いて。
そうしてまた繰り返そうか。
行ってくるよ。
ねえ、提督。
最後にひとつだけ教えてあげる。
僕は秘書艦の子が好きだったんだよ。
だからさ、僕はきみの命令ならなんだって聞いてあげる。
本当だよ。
ぜんぶ本当だよ。
なぜって、きみは彼女と同じ顔なんだからね。