ライブパートを初めて書きました。
上手く出来てるか分かりませんがよろしくお願いします。
それではどうぞ!
ライブ当日、外を見れば空全体を曇が覆っていていかにも雨が降りそうな天候だ。でも体育館だから出来ないという事はないが、問題はこの天候のなか、お客さんが来てくれるかどうかだ。そんな問題を心配していたら、バスは浦の星前の停留所に着いた。
バスを降りると一緒に降りてきた人から、
「何で私が外に出た時はいつもこういう天気なのよ」
という独り言が聞こえてきた。
顔を少しそっちに向けると、マスクとサングラスをして変装しているかのように見えたが、頭の団子が隠れてなかったので誰だかすぐに分かった。
「善子ちゃん?」
「ギクッ!?て何だ祐じゃない」
「僕を何と勘違いしてたのかは知らないけど、それより何で自分が通ってる学校へ行くのにそんなに変装してるの?」
「それはもちろん。このヨハネの姿を人間達の前で晒さない為・・・・・・同じクラスの子に顔を見られないようにするためよ」
「まだ普通の日に学校には来ないの?」
「行けないわよ!だってまだ皆覚えてるかも知れないじゃない!」
「それは考えすぎだと思うけど。まぁその話は置いといて、今日はライブを見に来たんでしょ?」
「まぁね。たまたま通りかかっただけだけど」
「その割にはちゃんとチラシを持って来てるじゃん」
「これもたまたまよ//!たまたまポケットに入ってただけだから//!とにかく行くわよ!」
と言って僕と善子ちゃんは坂道を登って浦女の体育館に着いた。中はまだ開演前なのでお客さんも生徒数人程度しかいない。その中にはルビィちゃんと花丸ちゃんが、更に後ろの方には鞠莉さんもいた。
「これだけの人だと見つかってしまうかも知れないからヨハネは少しこの場を離脱するわ」
と言って善子ちゃんは体育館の真ん中から少し離れて端っこの方に行った。
すると、体育館の電気が消え、スポットライトがステージに集中した。まだ始まるまで30分以上あるはずだが、ステージの幕が上がり、奥から千歌ちゃん達が出てきた。
「あ・・・あっ!私達は、スクールアイドルーー、せーの!」
「Aqoursです!」
「私達はその輝きと」
「諦めない気持ちと」
「信じる力に憧れ、スクールアイドルを始めました!」
「目標は・・・スクールアイドルーーμ'sです!聞いてください!」
そう言うと、音楽が流れ始めてライブがスタートした。
千歌ちゃん達は、歌って踊り、体育館全体を大きく盛り上げていった。
「Aqoursか・・・・・・」
僕はそう呟いた。同じ名前とあって、2年前の事を思い出していた。あの時は体育館をお客さんで満員にする事は出来たが、今の人数のままだとライブが終わるまでにお客さんは来るのだろうかと心配になる。そう思ってると、外の雷雨のせいか、スポットライトが消え、体育館全体が停電になり音楽も途中で止まった。
「まずい・・・このままだとライブが再会出来ない!一体どうすれば・・・・・・」
そう考えていると、後ろから僕の肩を叩いてくる人がいた。振り向くとダイヤさんだった。
「祐さん。急いでついてきてください」
と小声で僕に言って、体育館の外へ出ていった。僕は後ろからついて行くと、倉庫にたどり着いた。
するとダイヤさんが中に入り、発電機を取り出してきた。
「これは・・・・・・」
「早く発電機で電気を復旧させないと、ライブが続行出来なくなりますわよ!」
「・・・!分かりました」
僕とダイヤさんは急いで発電機を稼働させると、体育館の入り口から、
「バカ千歌!アンタ開始時間まちがえたでしょ!?」
と千歌ちゃんの姉、美渡さんの大声が聞こえた。
すると、体育館に大勢のお客さんが入り込んできた。さっきまで全く人がいなかった体育館が一気に満員になった。そして、停電していた電気が復旧し、ライブを再開する事が出来た。そして曲が終わり、千歌ちゃん達は無事に踊り切る事が出来た。
曲の終了後、千歌ちゃんの挨拶が始まった。
「彼女たちは言いました!」
「スクールアイドルは、これからも広がっていく!どこまでだって行ける!どんなユメも叶えられる!」
という力強い挨拶だった。
すると、お客さん同士の間を突っ切るようにダイヤさんが千歌ちゃん達の前に出て、
「これは今までの、スクールアイドルの努力と、街の人達の善意があっての成功ですわ!勘違いしないように!」
と言って千歌ちゃん達を睨みつけた。でも千歌ちゃんはそれに屈せず、
「分かってます!」
「でも・・・ただ見てるだけじゃ、始まらないって!上手く言えないけど、今しかない、瞬間だから!」
「だから!」
「輝きたい!」
と答え、お客さんから拍手が起こり、体育館ライブは大成功に終わった。
ライブ終了後、体育館前で姉さんを見つけた。
「姉さんは中には入らなかったの?」
と僕が尋ねると、
「 うん。人も沢山いて混んでたし、それに・・・・・・鞠莉もいたしね」
と姉さんは静かに答えた。
2人で話していると、ダイヤさんがやって来た。
「お久しぶりですわ。果南さん」
「ダイヤも久しぶりだね」
「今回のライブは成功しましたが、いつ私達のような事が起きるか分かりませんわね」
「うん。もしその時になったら、私は鞠莉と千歌達を止める」
「果南さん・・・・・・」
「じゃあ私達はそろそろ帰るよ。行こう、祐」
「じゃあダイヤさん。また明日」
「えぇ。また明日」
と言って僕と姉さんはダイヤさんと別れた。
後日、スクールアイドル部が承認され、体育館に部室が出来た。
ありがとうございました。
評価、コメント、誤字などがありましたらお願いします!