今週末はAqoursの3rdLive大阪公演の抽選発表ですね。
結果が気になって仕方ないです。
それではどうぞ!
学校に着いた僕はすぐさま生徒会室へ入室した。
「ダイヤさん。伝えなければいけない事って?」
「はい。実は、この学校が沼津の学校と統合して廃校になる話が進められているのです」
「・・・廃校、まさか本当に現実になるとは・・・」
僕は驚きを隠せずにいた。
「えぇ。今は鞠莉さんが待って欲しいと強く言ってるみたいなのですが、それもいつまで持つか」
「共学化テスト生を募集してた時には、既に廃校の話はあったということになりますね」
「はい。確かに以前から受験者数が年々減っていましたから・・・」
ダイヤさんはそう言って悩んでいると、生徒会室のドアをノックする音が聞こえ、ルビィちゃんが入ってきた。
「お姉ちゃん・・・実は、今日もちょっと遅くなるかもって」
「今日も?」
「うん、千歌ちゃんが入学希望者を増やすために、PVを作るんだって言ってて」
「・・・分かりましたわ。お父様とお母様に言っておきますわ」
「いいの?本当に?」
「ただし、日が暮れる前には戻って来なさい」
「うん!じゃあ行ってくる!」
ルビィちゃんが行こうとした時、
「どう?スクールアイドルは?」
と言ってダイヤさんが呼び止めた。
「大変だけど、楽しいよ」
「そう・・・」
「お姉ちゃ」
「早く行きなさい!遅くなりますわよ」
ルビィちゃんが何かを言いたそうだったが、すぐに部室へ走っていった。ルビィちゃんの足音が聞こえなくなった時、僕はダイヤさんに尋ねた。
「・・・ルビィちゃんが心配なんですね」
「えぇ。今は大丈夫なようですが、いずれ分かるはずです。スクールアイドルの厳しさが」
ダイヤさんはそう言って生徒会室を出た。
後日、Aqoursが投稿したPVがかなりの評判をよんで、ランキングも100位圏内に入っていた。周りの皆はとても喜んでいるが、僕は少し複雑な気分だった。このままの勢いだと、あの時の二の舞になるような気がしていたから。すると、そんな悪い予感が的中する事となった。
「やったよ~祐君!」
教室に入った千歌ちゃんが大喜びながら僕の所へやって来た。
「どうしたの?今日はやけにテンションが高いね」
「そうなの!なんと、私達Aqoursが東京のスクールアイドルのイベントに呼ばれたんだよ!」
「え・・・」
千歌ちゃん達にとっては嬉しい事かもしれないが、僕にとっては最悪な情報だった。
「でね、今から理事長に許可を貰いに行くんだ!」
と言って千歌ちゃんはさっき来たばっかしなのにまたすぐ教室を出ていった。
帰る間際、僕は鞠莉さんがどんな返事をしたのか気になって理事長室へ向かった。
「What?どうしたのかしら、ユウ」
「千歌ちゃん達から聞いたんですよね。東京のスクールアイドルのイベントの事」
「えぇ。もちろん許可は出したわ」
「・・・何で許可を出したんですか。これだとあの時と変わらないじゃないですか」
僕の問に鞠莉さんは冷静に答える。
「あの子達なら私達が乗り越えられなかった壁を乗り越えるかも知れないし。それに私が止める理由もないしね」
「確かにそれはそうだけど・・・」
「きっと大丈夫よ。だからそれを信じましょ?ね?」
「・・・・・・」
鞠莉さんの言葉に僕は何も答えず、理事長室を出た。
「・・・頼むから、二の舞にはならないで下さい」
僕は帰りながらそう祈るしかなかった。
「どうしたの?祐、何か考え事?」
家に帰っても表情が変わらなかったのか、姉さんにすぐ気づかれた。
「うん、考え事というよりは心配事かな」
「よかったらお姉ちゃんが相談に乗ってあげるよ。こんな時は、周りを頼ればいいんだよ」
「ありがとう。後で姉さんに言うつもりだったんだけど今から言うね」
「私に言うこと?」
「実はね・・・」
こうして、僕はAqoursが東京のイベントへ行く事を伝えた。
「いったい鞠莉はどういうつもりなの・・・」
「僕にも分からないよ。でも今の状況はまるで姉さん達と同じように見えてくるんだ」
「祐の言いたいことは分かるよ。とにかく落ち着こう」
姉さんに言われてひとまず深呼吸をして落ち着く事にした。
「千歌達が行くと決めて、鞠莉が許可を出してる以上、もう止めることは出来ない。だから見守るしかないよ」
「・・・そうだね」
次の日、僕は家の手伝いで接客をしていたが、東京に行ったAqoursの事が心配になる時があり、あまり仕事に力が入らず、時間の合間があればずっとテラスから見える海の景色を見ていた。
「やっぱり心配なの?海をずっと見てるから」
お客さんが来ていない時に姉さんからそう聞かれた。
「そういう姉さんは心配じゃないの?」
「私だって心配しているよ。千歌にスクールアイドルやってた事を言わなかったなのは興味を持たれないようにってのもあったしね、あっ、お客さんが来たよ。さぁ仕事に戻ろう」
姉さんに言われて僕も仕事に戻った。
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