最近疲れが溜まるのが早いのか、布団に入ったらすぐに寝落ちしてしまって充電が出来ていないという事がよくあって朝から後悔してます。
それではどうぞ!
ラブライブ予選の本番当日、私は会場に向かう前にある場所へ立ち寄った。それは祐が眠っている病室だ。私は祐に今日の意気込みを伝えてから行こうと考えていた。
病室に入ると、祐は未だに目を開けてはいなかった。
「ねぇ、祐。遂に今日はラブライブの予選の日なんだよ。本当は9人で踊りたかったけど、梨子ちゃんがピアノコンクールに参加するため、東京に行っちゃったから、今回は8人で踊る事になったんだ」
私は眠っている祐へ話しかけ続けた。
「でも必ず予選突破するよ。梨子ちゃんの想いを乗せて。地区予選の決勝は必ず9人で歌うんだから。」
そう言って私は昨日、梨子ちゃんが私達に送ってくれたシュシュを身に着けた。皆それぞれ色が違っていて、私の色は緑色だった。
「これで私達は離れていても繋がっている。気持ちはひとつだから。もちろん、祐も一緒だよ」
私はポケットからもう1つ、祐の色で藍色のシュシュを取り出して、緑色のシュシュと同じ手に身に着けた。そして私は、祐の手を両手で握り、額を近づけた。
「必ず予選突破して戻って来るから応援してね。そして戻って来たら聞かせてね。祐が選んだ道を。どんな道でも私は否定したりしないから」
私はそう言い残して、目元の涙を拭って病室を出た。
その時私は気づいていなかった。握った後の祐の手が微かに動いていた事に。
私が会場に着く頃には既に皆が集まっていた。
「あっ!やっと来た!遅いよ果南ちゃん!」
私に気づいた千歌が私の名前を大声で呼ぶ。
「ごめんごめん、祐の所に行ってたから」
「その・・・祐君はまだ目を覚ましてないの?」
千歌が聞くと、皆は心配そうな目を下に向けた。
「大丈夫だよ。きっと祐は私達の事を見ててくれるから。それに、梨子ちゃんや祐の分まで頑張るって決めたでしょ」
そう言って私は2つのシュシュを着けた手を皆に見せた。
「果南ちゃん・・・うん!そうだね!私達は地区予選を突破して、決勝は9人で歌うって決めたんだ!行くよ!」
千歌の声で私達は予選会場に足を踏み入れていった。
そして、他のグループが歌を披露していくなか、遂に私達Aqoursの出番がやって来た。
「さぁ!行こう!ラブライブに向けて!私達の第一歩に向けて!」
千歌が右手を出して、それに続いて私達も右手を出して8人で輪を作った。
「今、全力で輝こう!Aqoursーー」
「サーンシャイーン!!」
~~~~~
名前を思い出した途端、気がついたら僕は病室のベッドで横になっていた。辺りを見回しても、身体や病室は特に変わった事は無かったが、1つだけ確実に変化している事があった。それは、思い出せなかった幼少期の記憶が思い出せるようになっていた事だ。正しく、夢が正夢になったような感覚だ。そして僕は机に置いてある携帯に手を伸ばし、ある番号へ電話をかけた。
「番号を変えていなければ、多分これのはずだけど・・・」
そう思っていると、電話が相手と繋がった。
「もしもし・・・園田ですが」
それは今まで思い出せなかった実の姉の声だった。
「7年振りだね。海未姉」
記憶を思い出す前に僕の声を聞いていたはずなのに、海未姉は驚いているのか無音が続いた。
「本当に・・・青夜なのですか?でもどうして私の携帯番号を」
「海未姉が中学の頃から番号を変えていなければこの番号だと思ったんだよ」
「・・・て事は貴方、記憶が戻ったのですか!?」
「うん、そうだよ」
「良かった・・・本当に良かった・・・」
電話越しでも海未姉が泣いてる事に気づいた。
「ごめんね。今まで心配かけて」
「いえ、謝るのは私のほうです。あの時、私が助けていれば貴方は記憶を失わずに済んだかも知れなかったのに・・・。そんな貴方を私は見捨ててしまったのです」
「その事はもう気にしてないよ。むしろ海未姉が無事でいてくれた事が僕は嬉しかったんだから」
「貴方が気にしていなくても、私は気にしているのです。貴方は昔と変わらずお人好し過ぎます」
「それには返す言葉が無いよ」
「1つ聞いてもよろしいですか?」
海未姉が急に態度を改めたような声で話して来た。
「・・・何?」
「貴方はこれからどう過ごしていくのですか?」
「それはつまり?」
「松浦祐として生きていくのか、それとも園田青夜として生きていくのかと聞いているのです」
「・・・海未姉はどうしてほしいの?」
「私は園田家に戻って来て欲しいと思っています。ですが、貴方は松浦祐として7年間生きて来たのですから、その名の方が良いと思っているのかも知れません。だから、貴方の意思を聞かせて欲しいのです」
海未姉の問いに僕は答えられずにいた。
「すぐに決めなくても構いません。ですが、必ず答えは聞かせていただきます。それでは」
海未姉との電話はここで終了した。
電話が切れた後の僕は、ずっと窓から海を眺めていた。いったいどっちを選ぶのが正しいのか。僕にはそれが全く分からない。いつも僕はそうだ。2つの選択肢があれば、いつも周りに流されていた。でも、これは僕の問題だから、流れるものもない。
「僕には、自分の意思が無いのか・・・」
そう思った時、ある言葉を思い出した。
「Aqoursにとって祐は必要不可欠な存在なの」
「今度は私が祐を前へ後押しする番。だから、この先の未来を楽しもうよ。私達と一緒に」
それは、僕がAqoursのサポーターに入る時に姉さんから言われた言葉。その言葉があるから、僕はこうしてまたAqoursのサポートが出来てるんだ。
「・・・決めたよ海未姉」
僕は窓の方をそう呟いた。
ありがとうございました。
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