スクスタの情報が次々と公開されてリリース日が待ち遠しいです!
それではどうぞ!
「遂に今日か・・・」
僕は部屋で静かに呟いた。今日の夕方には電車に乗って内浦に戻る予定だ。だから帰る前に海未姉に伝えなくてはならない。自分の選んだ答えを。
居間に行くと海未姉は正座をして目を閉じていた。どうやら精神統一をしているようだ。
「青夜、いるのですね」
海未姉は目を閉じていたにも関わらず僕の存在に気づいていた。いつもなら僕が口を挟んでいたけど、今回は場を和ませようとする雰囲気の会話ではないため、僕は無言のまま腰を下ろした。僕と海未姉の間には居間の机が挟まれている状態であった。
「海未姉、聞いて欲しい事があるんだ。僕のこれからについて」
すると海未姉は閉じていた目を開けて真っ直ぐな視線を僕に向けた。
「・・・という事は決めたのですね」
「うん」
「それでは聞かせて下さい。貴方がこれから進んでいく道を」
僕は少し目を閉じて集中した。思えばここに戻って来るまで色々な事があった。海を漂流していたのを姉さんに助けられ、淡島で過ごした日々。幼馴染が結成したスクールアイドルにすれ違っていた3人が加入して学校を救おうとしている事。海未姉との再会で思い出した記憶。父さんの死。これらが全て夏の間に起きていた。
過去の振り返りを終えて僕は目を開けて海未姉と目を合わせ、答えを告げる。
「僕は記憶が戻って本当に良かったと思ってる。自分の中にある空白の時間も全てが元通りになっていた。海未姉が僕の事を忘れずにいてくれたから、生きていると信じてくれたからこうして僕は家族の元に戻って来ることが出来た。だからこれからも家族の時間をあの頃のように作っていきたいな」
「それでは・・・」
「でもね、それは今じゃないんだ。僕にはまだやるべき事がある」
「やるべき事?」
「うん、それはもう1人の姉の願い。Aqoursの皆の手助けをしていくこと。今まで助けてくれたその恩返し。それが終わるまで、僕はまだここで暮らしていくことは出来ない。これが僕の選んだ答えだよ」
それを聞いた海未姉は、
「・・・それが貴方の選んだ道なのですね。ならば私はその道を止める事は出来ません。貴方達もその答えで納得ということで良いですね?」
「・・・え?貴方達?」
僕には海未姉が何を言っているのかが分からなかった。すると海未姉が後ろの襖を開けた。奥には先ほど僕が手助けしていくことを決意した9人のスクールアイドルの姿があった。
「嘘・・・どうして此処に?」
皆の登場に僕は困惑していた。
「ごめんね。私たちが来たことを祐には黙ってて欲しいって私が海未さんに頼んだの」
姉さんがことの事情を話し始めた。
~昨日~
私達は千歌が事前に待ち合わせをしていたSaintSnowの2人との会合が終わった後に皆で音ノ木坂学院に来ていた。そこに行けばμ'sの何が凄かったのかが分かるかも知れない。でも私には分からなかった。千歌は分かったらしいから聞いてみたけど、上手くはぐらかされて教えてくれなかった。その後、梨子ちゃんが教えてくれて海未さんの家に着いた。
「・・・行くよ」
私を先頭にして皆が後ろから着いてきていた。そして私はインターホンを鳴らした。すると入り口の戸が開き、
「貴方達は確か・・・」
海未さんが中から出てきた。
「松浦果南です。祐は、青夜君は家にいますか?」
「祐で構いませんよ。青夜ですか?今は家にいませんが、どうして此処が分かったのですか?」
海未さんは私達を見て、1人に目を向けた。
「なるほど・・・貴方は知っていましたね。青夜の葬式には同級生が花を添えに来ていましたから。桜内さん」
「・・・はい。勝手に押し寄せてしまってすいません」
「いえ、怒っているわけではありません。あの子に向こうでも友達が出来ていて良かったと感じているのです」
海未さんは再び私に目を向ける。私は此処に来た目的を伝える。
「祐はもう答えを出したのですか?」
「いいえ、明日に出すとは言っていました」
明日と聞いて私達は頭を抱えた。急遽だが、海未さんの家の前で私達は緊急会議を始めた。
「どうするんですの!?私達は何も用意してきていませんわ!」
「とりあえず今日はもう沼津に戻る?」
「え~!私、もうお金無いよ!」
「じゃあどうする?」
会議が難航していると、
「あの~、もしよろしければ家に泊まっていきませんか?」
海未さんが案を出してくれた。
「え・・・いいんですか?」
「はい、隣の道場でよければ」
海未さんの提案に私達は断ることも無く、
「ありがとうございます!」
頭を下げた。だけど私には少し疑問が残った。
「どうしてそこまでしてくれるんですか?海未さんから見れば、私達は海未さんと弟さんをまた離れさせようとしているのに」
私は海未さんに疑問を述べた。
「貴方達はあの子の選ぶ答えを聞きに来たのでしょう?なら私には追い返す理由がありません。ですが、あの子の選んだ答えには何も反論をしないではくれませんか?あの子は他者が言うともう一度考え直してしまいますから。それではあの子が出した答えにはなりません。そこの所、お願いします」
海未さんはそう言って私達に頭を下げた。
「海未さんって本当に祐君の事が好きなんですね!」
横から千歌が割って入った。
「当然です。あの子は私にとってたった1人の大切な弟なのですから」
「な、何よ!ヨハネだって誰よりも祐の事を思ってるんだから!」
更に善子ちゃんが入ってきて話がこんがらがっていった。
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「という事があって、私達は隣の道場に夜を過ごしていて、今日は祐よりも早くに此処に来ていたの」
姉さんは昨日の出来事を教えてくれた。
「そうだったんだ・・・ありがとう、来てくれて」
僕は皆に礼をした。すると姉さんが僕の元にやってきて僕の手を握った。
「感謝するのは私達だよ。祐がそこまで私の願いを大切にしてくれてるなんて思わなかった。だからとても嬉しくて・・・」
姉さんの涙につられて他の8人も涙ぐんでいた。
「良い友達を持ちましたね、青夜」
「うん、大切な友達だよ。僕はAqoursの支えになっていきたいんだ」
僕の答えに海未姉は納得をしてくれた。こうして僕は自分に答えを出す事が出来た。
ありがとうございました。
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