4thLiveも後1ヶ月になりました。
自分はLVで参加して盛り上がりたいです!
それではどうぞ!
部屋に戻った僕は身支度をしていた。夕暮れには沼津に着くようにする為の準備だ。
「青夜、準備は出来ましたか?」
部屋の襖の外から海未姉の声が聞こえた。
「うん、もう出来てるよ。今から玄関に向かうから」
僕はそう返答して部屋を出た。
玄関では既に海未姉が見送りをする為に待っていた。
「もう、行ってしまうのですね・・・」
「そうだね・・・僕が決めた事だから」
「分かっています。それでも辛いものなのです」
海未姉は目元からつたう涙を隠すように顔を下に向けた。
「貴方が戻って来てくれたから、また会えたから私の中の時間が動いたのです。ですが、会えたのにまた離れると考えてしまうと・・・」
言葉が途切れながらも海未姉は話し続けた。その時、僕はふとある考えを思いついて即座に実行に移した。
「顔を上げて海未姉」
僕の言葉を聞いて海未姉が泣いてる顔を上げた。そこに僕が自撮りを撮るようにして海未姉とのツーショット写真を撮った。
「ちょっと//!いきなり何をするんですか//!」
海未姉は先ほどまでの泣き顔から急に顔を赤くして困惑気味で僕に聞いてきた。
「これで僕達がもう一度出会った事が残るよね。僕がいなくても時間は止まりはしない。だから大丈夫だよ海未姉。あの時は言えなかったけど、今なら言える。必ず戻って来るから」
「信じても・・・良いのですか?」
「嘘なら言わないよ」
僕はそう言って海未姉の横を通り過ぎて行こうとすると、
「貴方の言葉を信じます。その代わりですが、私のお願いを聞いてくれませんか?」
「いいよ、何?」
僕が聞こうとすると、急に海未姉が後ろから抱きしめていた。
「海未姉?」
「少し・・・このままでいさせて下さい」
後ろから海未姉の静かな声が聞こえた。
「大きくなりましたね・・・青夜。貴方の成長を近くで見ることは出来ないのは残念ですが、頑張って下さい。遠くから見守っていますから」
「ありがとう海未姉。・・・そろそろ行くね」
「えぇ、いってらっしゃい」
「うん、いってきます」
僕はそう言って入り口の戸を開けた。外に出たらAqoursの皆が待っていた。
「もういいの?」
「うん、行こうか」
こうして家をあとにした。
電車内で僕は皆から色々と話を聞いた。
「それで、何か答えは掴めたの?」
「結局分かりませんでしたわ」
「そうだね、μ'sの何が凄いのか、私たちとどこが違うのか、はっきりと分からなかったかな?」
「海未姉には聞かなかったの?」
「それも考えたけど、μ's本人に聞くのは何か違うかなと思って。私たちで見つけなきゃ答えにならないから。でも千歌は分かったみたいだけどどうなんだろ?」
すると突然千歌ちゃんが立ち上がり、
「ねぇ!海見て行かない?皆で!」
そう言って電車を降りて走っていった。僕達もその後に続いて追いかけた。
走り着いた先には沈みゆく夕日が映った海が広がっていた。それは淡島の海にも引けを取らず綺麗だった。
「私ね、分かった気がする。μ'sの何が凄かったのか」
千歌ちゃんが突然話し出した。
「多分、比べたら駄目なんだよ・・・追いかけちゃ駄目なんだよ・・・μ'sも、ラブライブも、輝きも・・・」
「どういうこと?」
「さっぱり分かりませんわ」
「そう?私は・・・何となく分かる」
「なるほど、そういう事か」
皆はまだピンと来てないが、僕と姉さんには千歌ちゃんの言いたい事が分かった。
「一番になりたいとか、誰かに勝ちたいとか、μ'sって、そうじゃなかったんじゃないかな?」
梨子ちゃんが意図を理解して代弁してくれた。
「うん、μ'sの凄い所って、きっと何もない所を、何もない場所を、思いっきり走った事だと思う。皆の夢を叶えるために。自由に、真っ直ぐに!だから飛べたんだ!μ'sみたいに輝くってことは、μ'sの背中を追いかける事じゃない、自由に走るって事なんじゃないかな?全身全霊!何にも囚われずに!自分達の気持ちに従って!」
「自由に」
「run and run」
「自分達で決めて、自分達の足で」
「何かわくわくするずら!」
「ルビィも!」
「全速前進、だね!」
「自由に走ったら、ばらばらになっちゃわない?」
「大丈夫だよ。ばらばらの道に走っても向かう場所は同じだから」
「何処に向かって走るの?」
「私は・・・0を1にしたい!あの時のままで終わりたくない!それが、私の向かいたい所!」
千歌ちゃんの決意を聞いて、僕はAqoursのリーダーが千歌ちゃんであって良かったと思った。千歌ちゃんの言葉には皆を動かす力があった。
「姉さん、ここからがAqoursのスタートラインみたいだよ」
「ふふっ、何かこれで本当にひとつにまとまれそうな気がするね!」
「遅すぎですわ」
「皆shyですから」
「ふふふ、じゃあ行くよ!」
「待って!」
曜ちゃんが急に止めた。
「指、こうしない?人差し指と親指で皆で1つの輪にして、0から、1へ!」
曜ちゃんは新しい円陣を皆に教えた。まるでAqoursの始まりを示すような形だ。
「じゃあもう一度!」
千歌ちゃんの声で皆は指で1つの円を作る。
「0から1へ、今、全力で輝こう!Aqoursー!」
「サーンシャイーン!!」
その言葉と同時に皆は空高く飛び上がった。空からは夕日が9人の少女を照らしていた。照らされた顔には曇りひとつなく皆、満面の笑みだった。
これが僕とAqoursの皆が向かう場所へ走り出した瞬間だった。
ありがとうございました
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