久しぶりの投稿となります。
今後も投稿期間が空くかも知れませんが、よろしくお願いします。
それではどうぞ!
「ワン、ツー、スリー、フォー。ワン、ツー、スリー、フォー」
夏休み真っ只中、浦の星女学院の屋上では9人の少女達の掛け声が学校中に聞こえていた。
「ルビィちゃんは足を上げて」
「はい!」
「善子ちゃんは・・・」
「ヨハネ!」
「ふふっ、もっと気持ちを前に」
「承知。空間移動使います」
どうやら声からして皆頑張っているようだ。そんな彼女達にサポーターとしての役目を真っ当しよう。僕は皆が練習をしている間に飲料水を用意していた。
「それじゃ少し休憩にしよう」
姉さんがそう指示すると皆は力を抜いてその場に座り込んだ。
「はあ~、クタクタずら~」
「ルビィも」
僕はまず初めに目が止まったルビィちゃんと花丸ちゃんに渡していくことにした。
「2人共お疲れ様。はい。これで水分補給してね」
「ありがとう、祐さん」
「ありがとずら~」
「これから日が強くなるから、適度にしてね」
僕はそう言って次にまわった。次は2年生。千歌ちゃんと曜ちゃんは休憩時間でも2人で自主練をしていて、それを梨子ちゃんが近くで見ていた。練習してる2人の邪魔をするのは悪いから梨子ちゃんに2人の分も渡してもらう事にした。
「お疲れ様。悪いけど後で2人にも渡してくれない?」
「うん、ありがとう・・・」
梨子ちゃんは少し考える仕草を見せた。
「どうかしたの?」
「あっ!ごめんね。貴方の事をこれからどう呼んだらいいんだろうって考えてて。祐君なのか青夜君なのか」
それを聞いて梨子ちゃんが考え込む理由が何となく分かった。確かに梨子ちゃんだけが青夜としての僕を前から知っている。だから呼び方に困るのは当然のことだろう。
「祐の方がいいかな。Aqoursの皆といる時はこの名前だから。僕もそう呼ばれる方がいいしね」
「分かった。じゃあこれからもよろしくね。祐君」
「うん、よろしく。後、遅くなったけどコンクール入賞おめでとう」
「ありがとう。やっと私、弾けたんだ。祐君は覚えてる?私達が小学生だった時のこと」
「うん、覚えてるよ。あの頃から梨子ちゃんはピアノを弾いていて皆から褒められてたよね」
「でも、それがいつしか私のプレッシャーになっていた。そして音ノ木坂に入って私は挫折してしまった。いつの間にか私の弾いてる曲すら分からなくなってしまったの」
「そうだったんだ・・・」
僕は知らなかった。あの頃の周りの皆の歓声が梨子ちゃんにとってはプレッシャーになっていたことに。
「それで私は周りの環境を変えるために浦の星へ転校する事にしたの。そして出会った。千歌ちゃんや皆に。もちろん祐君にもね。あの時はまさかスクールアイドルになるなんて思ってもみなかったなぁ」
「確かにそうだね。昔の梨子ちゃんが今の梨子ちゃんを見るときっと驚くと思うよ」
「ふふっ、そうかも知れないね」
僕と梨子ちゃんが談笑していると、
「梨子ちゃ〜ん!飲み物ちょーだい!」
「私もー!」
自主練を終えた2人が梨子ちゃんに駆け寄って来た。
「じゃあ僕は次の分を持っていくから、頑張ってね」
僕はそう言って次に向かおうとすると、向かう先から大声が聞こえてくる。
「あれほどその格好は止めた方がいいと言っているではないですか!」
「嫌よ!これを着てないとヨハネでいられなくなっちゃうじゃない!」
そこには、口論しているダイヤさんと善子ちゃんの姿とそれを見ている姉さんと鞠莉さんの姿があった。
「姉さん、これは一体どういう状況なの?」
「う~ん、ダイヤが今まで善子に黒い格好を止めるように言ってきたんだけど善子が止めなくてこうなったみたい」
「確かに、この暑さだと熱中症になってしまうかも知れないからね」
するとダイヤさんが僕に気づき、説得するよう頼んできた。
「祐さんも何とか言ってください!このままだと善子さんが熱中症になってしまうかもしれません!」
「なっても止めないわよ!堕天使のアイデンティティなんだから!」
両者一歩も譲らない。どうすればいいかと考えていると、
「ユウ、良い方法が見つかったわ。でもそれにはユウの力が必要よ」
鞠莉さんが解決案を出したようだ。でも何故か僕にだけにしか聞こえないような声量で話しかけてきた。
「それは一体どんな方法?」
「それはね・・・」
そう言って僕に耳打ちをした。鞠莉さんが出した案は驚くような内容だった。
「・・・本当にそれをするんですか?」
「Yes♪それを言えば解決だから。これはダイヤには絶対に出来ない事だから」
「嫌な予感がするけど、このままだとキリがないからするしかないか」
する事を決めた僕は仰向けで寝てる善子ちゃんに近づいた。
「善子ちゃん。やっぱり黒い格好は止めた方がいいよ。これから暑い日が続くからさ」
「言ったでしょ。黒は堕天使のアイデンティティ。これが無ければヨハネはヨハネでいられなくなる。だからお断りよ」
やはり普通に説得するだけでは善子ちゃんは動かないか。じゃあ鞠莉さんが言ってたことを言うか。
「でも、今被ってるのを脱いだ方が僕は可愛いと思うんだけどなー」
「え・・・//」
先程まで倒れていた善子ちゃんが急に起き上がった。そして僕に問いただしてきた。
「ねぇ祐、それホント・・・?」
どう返せば良いのか悩んでいると、僕の視界に鞠莉さんが移った。鞠莉さんは僕に向けて何かしらのサインを出していた。そのサインを読んで僕は対応する。
「・・・うん」
「天界堕天条例に誓って?」
「・・・誓うよ。ヨハネ様」
それを聞いた善子ちゃんは立ち上がり、
「リ、リトルデーモン0号がそこまで言うのなら仕方がない!見せてあげるわ!ヨハネの真の姿を!」
と言って、例の黒いマントを脱ぎ捨て練習着になった。その時の善子ちゃん、少し顔が赤くなっていた。
「これで一件落着かな・・・?」
そう思ったら姉さんが手を叩き、休憩時間が終わって練習が再開した。
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「ねぇ鞠莉。このまま祐と善子は上手くいくと思う?」
「どうかしら。でも、あのユウの鈍感さからしたらきっと善子の気持ちに気づくまで時間がかかるかもね」
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