最後の投稿から約二年以上経過しましたが、少しずつ再開していきます。
それではどうぞ。
僕達は今、黒澤家へ走って向かっている途中だった。事の発端は、ラブライブにエントリーする曲と、学校説明会で披露する曲を作るために2年生チームと、3年生と1年生の合同チームの二手に分かれて行動していたが、2年生チームが千歌ちゃんの家で曲を作っていると、ルビィちゃんから「今すぐこっちに来て」とメールが届き、そして現在に至る状況だ。
「それではラブライブは突破できません!」
「その曲だったら突破できるっていうの!?」
「花丸の作詞よりはマシデース!」
「でも、あの曲はAqoursには合わないような…」
「新たなchallengeこそ新たなfutureを切り開くのデース!」
「さらにそこにお琴を!」
「そして無の境地ずら!」
「入るところないでしょ!」
ルビィちゃんに呼ばれて部屋に着いた2年生たちの目に映ったのは1年生と3年生が言い争っている場面であった。僕たちが来たことに気づいたダイヤさんとルビィちゃんはひとまず千歌ちゃんたちに事情を話すべく一度外へ出ていった。僕は部屋に残って、4人から話を聞くことにした。
「さてと、どうしてそんなに言い合ってたのかな?」
「…曲のお題が決まらなかったから」
「僕たちが着いた時は、どうやら1年生と3年生で意見が分かれてるみたいだったけど。一体どんなお題の案が出てきたの?」
「それは話すよりも聴いた方が早いデース!」
そう言って鞠莉さんは持ってた携帯をスピーカーに繋げた。
「鞠莉ちゃん待つずら!」
花丸ちゃんが何故か止めようとしたがすでに遅く、スピーカーの再生ボタンを押した後は、鞠莉さんの作曲したロックな音楽が大音量で部屋中に鳴り響いていた。あまりのアップテンポな曲調のせいなのか、花丸ちゃんと善子ちゃんはその場で倒れこんでいた。そんな2人のことを気にせず、姉さんと鞠莉さんはノリノリな状態だった。
「…つまり、これが3年生の選んだ曲のお題?」
「YES!音楽に合わせて、身体を動かせば、HAPPYになれますネ!」
「そうだね。ラブライブだもん!勢い付けていかなきゃ!」
「…盛り上がってるところ申し訳ないけど、1年生の2人はそうはいかないみたいだよ」
すると部屋中に流れていた音楽が止まった。どうやら花丸ちゃん達が停止ボタンを押したみたい。
「やっぱり騒音ずら…」
「また耳がキーンしてる…」
「2人共大丈夫?」
「まぁ、なんとかね」
「やっぱりマルの案の方がいいずら」
「すごい自信だね。花丸ちゃんは一体どんな案を出したの?」
そう言うと花丸ちゃんは持っていた紙を広げた。それには大きく「無」と書かれていた。
「マルが出した案はズバリ 無 ずら!」
「……無?」
「そうずら。すなわち無というのは、すべてが無いのではなく、無という状態があるということずら。それこそまさに無!」
「…ごめん。ちょっとよくわからない」
「え~!祐さんがわからないのはちょっとショックずら…」
「何でそんなに落ち込むの…」
「ほら。祐がわからないなら私にもわからないもん」
「姉さん。それは威張って言うことじゃないよ…。それで、ここからどうする?さすがにこのまま意見が割れてるままだと進展が厳しいんじゃないかな?」
僕の問いに4人が悩んでいると、
「そうですわね。ですから私たちは初歩的な事から解決しなければなりません」
下で千歌ちゃん達と話していたダイヤさんとルビィちゃんが戻ってきた。
「初歩的な事?」
「それは、私たち3年生と1年生がお互い仲良くなることです!」
「仲良くなる!?」
「そうですわ。まずはそこからです」
「曲作りは信頼関係が大事だし」
ダイヤさんたちの考えた案は、今まで余り接点が無かった3年生と1年生がお互いを知ることで信頼関係を築くというものだった。確かにこれなら曲のお題についても話がまとめられそうで問題が解決しそうだ。
「じゃあ、僕はそろそろ千歌ちゃん達のところに戻るね」
階段を降りようとすると、後ろから姉さんと鞠莉さんに腕を掴まれた。
「祐はもちろん、今から私達の方で行動するよね?」
「いやいや、戻るよ。下で千歌ちゃん達が待ってると思うし」
「No Problem!千歌っち達の許可はすでに承認済みよ!」
そう言って鞠莉さんは携帯の画面を見せてきた。
画面のメッセージ欄には、「ユウはマリー達が貰っていきマース!」と送信されていた。それに対して千歌ちゃんは「え~!?」と、驚いたリアクションで返信していた。
「どう見ても承認しているようには見えない返信なんですけど」
「大丈夫大丈夫。千歌なら納得してくれるよ。それにもう私、仲良くなる方法を思いついてるから」
「なにかあるの?」
「うん。それじゃあまずは皆で学校に行こうか」
こうして姉さん達に腕を引っ張られるがまま、僕は姉さん達の曲作りチームに変更(強制)することとなった。
バスに揺られて数十分、学校に着いた皆は姉さんに言われて体操服に着替えてグラウンドに集まっていた。そして、
「小さい頃から知らない子と仲良くなるには…一緒に遊ぶこと!」
その言葉と同時に姉さんは持っていたボールを投げてドッジボールを始めた。余りにもボールが速かったのか、善子ちゃんと花丸ちゃんは身動き取らず、ボールはすでに外野の鞠莉さんにわたっていた。
「Nice Boal!」
「なにコレ…?」
「ずら…?」
「まぁ昔からこうやって遊んでいたからね。あっ、2人共。姉さんと鞠莉さんはドッジボール得意な方だから、飛んでくるボールには気を付けた方がいいよ」
「えっ!?」
僕の忠告に2人は驚いているが、それを気にせず鞠莉さんは既にボールを投げる構えになっていた。
「さぁ!いくよー!マリーシャイニングトルネード!」
技の名前?と共に鞠莉さんから投げられた剛速球は1年生に向かって一直線だ。
「任せて!」
ボールの直線上に善子ちゃんが立ちふさがる。そして、
「力を吸収するのが闇。光を消し、無力化して、深淵の後方に引きずり込む、それこそ!告示!空淵…!」
何か呪文を唱えていたようだが間に合わず、ボールは善子ちゃんの顔面に直撃してしまった。善子ちゃんに直撃したボールは上に飛んだ後、次は花丸ちゃんの頭上に落ち、最後には外野にいたルビィちゃんの頭上に落ちたことでドッジボールは終わりを迎えた。
「2人共張り切りすぎだよ…」
「てへっ☆」
「ルビィ!大丈夫ですか!?しっかりしなさい!」
ダイヤさんは即座にルビィちゃんの元へ向かい、僕はとりあえず一番被害が大きそうな善子ちゃんの元へ向かった。
「善子ちゃん大丈夫?思いっきり顔に当たっていたけど…」
善子ちゃんの顔を見るとボールの跡がきれいくっきりと顔についていた。
「フフッ、この程度の攻撃…体は器なんだからヨハネは無傷に決まってるでしょ」
「無傷?なのかは分からないけどとりあえず大丈夫そうで良かったよ」
「…?」
僕の答え方に善子ちゃんは首をかしげるが、ほかの5人は顔を隠して笑っていた。何故5人が笑っているのか、善子ちゃんが気付くのはもう少し時間が経った後だった。
読んでいただきありがとうございました。
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