次話位で梨子ちゃんと鞠莉さんが出てAqoursメンバーが全員出た事になると思います。
それではどうぞ!
入学式の後片付けが終わり、僕は生徒会室に戻って一息ついていたら、外でやってる部活動勧誘の見回りをしていたダイヤさんが戻って来た。
「おかえりなさい。お茶でも飲んで一息つきます?」
「そうしたいですが、今から生徒会室に来る生徒を注意しなければなりません」
「注意?何かあったんですか?」
「えぇ。実は先ほど部活動勧誘の見回りをしていたら、申請をしていない部活動が勧誘のチラシを配っている生徒がいたのでその生徒を生徒会室に呼び出しました。これがそのチラシです」
と言ってダイヤさんはそのチラシを僕に渡した。それを見ると(スクールアイドル部)と書かれてあった。
スクールアイドル、それは数年前から有名になっている言葉だ。学校でアイドルを結成し歌ったり踊ったりして(ラブライブ)というスクールアイドルの頂点を決める大会を目標にしているグループだ。
二年前、ここ浦女にもスクールアイドルは存在していた。しかしある事をきっかけに解散した。今でもその事を思い出すと胸が痛くなる。そう感じていると、生徒会室のドアをノックする音が聞こえた。
「入りなさい」
そうダイヤさんが言うと生徒会室のドアが開き、
「失礼しま~す」
と言って1人の生徒が入って来た。その生徒の顔を見ると明らかに知っている幼馴染だった。
「え〜っと・・・・・・千歌ちゃん?」
「あっ祐君!ここに居たんだ!何処にもいなかったんだから探してたんだよ?」
「僕に何か用でもあったの?」
「うん!私ね、スクールアイドル始めるの!だからね、部員募集の為に一緒にチラシを配って欲しかったの」
「このチラシは千歌ちゃんのだったんだね。でも部の申請の許可は降りたの?」
「まだ降りてないけど?」
「え・・・・・・」
千歌ちゃんの思わぬ返答に戸惑ってると、
「つまり、申請の許可無しに勧誘をしていたという事ですの?」
とダイヤさんが話を本題に移した。
「・・・・・・はい。みんなやってるから良いかな~と思って」
「部員は何人ですの?」
「今のところ~1人です」
「部の申請には最低でも5人以上は必要と書いてありますよね?」
「だから~こうして集めてたんじゃないですか~」
状況が分かってない千歌ちゃんにダイヤさんの怒りも頂点に達し、机を強く叩いて立ち上がった。これはちょっとまずいと思って仲介に入ろうとしたが、机を思ったより強く叩いてしまったのか、「痛った~」と言いながら手を抑えていた。
「大丈夫ですか?」と僕が声をかけると、
「いえ、大丈夫です。ご心配なく」とダイヤさんは答えた。
それを見ていた千歌ちゃんはクスクスと笑っていた。
「笑える立場ですの!?」
「は、はい!」
「とにかく!こんな不備だらけの申請書。受け取れませんわ」
「え~!」と驚く千歌ちゃんに、
「千歌ちゃん。今日は引き返そう」
と生徒会室の外で待っていた曜ちゃんから撤退の指示が出た。
「う~、なら5人集めてまた持ってきます」
「別に構いませんが、それでも申請は致しかねますがね」
「どうしてです?」
「私が生徒会長でいる限り、スクールアイドル部は認めないからです!」
「そんな~!」
と言われた千歌ちゃんは少し落ち込んで生徒会室から出て行った。
「何となく千歌ちゃんの事だからまた来ると思いますけど、その時もダイヤさんは断りますか?」
「えぇ、あの様な事があった以上、かつての私達と同じような思いをさせる訳にはいきませんわ。っともう少しで朝礼の時間です。それぞれ教室に向かいましょう。ではまた」
そして学校が終わり、校門を出て船着き場で帰りの船を待ってると、
「祐君!」と言って後ろから千歌ちゃんと曜ちゃんが追いかけて来た。
「二人ともどうしたの?帰りはバスじゃなかった?」
「実はお母さんから回覧板を預かってるから、祐君の家に届けに行くの」
「私はその付き添い。休学してる果南ちゃんに会いに行くの。今から会いに行って大丈夫?」
「この時間だと閉店の時間だから、多分姉さんは片付けしてる最中だから大丈夫だよ」
と話してる間に帰りの船が来たのでそれに乗って家へ向かった。家に帰ると、姉さんはまだ片付けの最中だった。
「おかえり祐」
「ただいま姉さん。千歌ちゃんと曜ちゃんが遊びに来てるよ」
「お~い!果南ちゃん遊びに来たよ」
「二人とも遅かったね。今日は入学式だけでしょ?」
「それが色々あって・・・・・・」
「はい。お母さんから回覧板とおすそ分け」
「どうせまたみかんでしょ?」
「文句はお母さんに言ってよ~」
「ふふふ。ありがとう。じゃあ祐。これ家の台所に置いといてくれない?後、おすそ分けもそこにあるから取ってきて」
「は~い」
僕は台所でおすそ分けの干物を持ってテラスに戻ると、千歌ちゃんと曜ちゃんはテーブルで座っていて、姉さんは片付けをしながら2人の話を聞いていた。
「それで、果南ちゃんは学校に来れそう?」
「う~ん、まだ仕事も結構残っててね。父さんの骨折もまだ治らないし、まだかかりそうだよ」
「やっぱり僕も何か手伝おうか?」
「いや、いいよ。祐は生徒会の仕事があるでしょ?だからここは私に任せてよ」
「うん、分かったよ」
「そっか~。果南ちゃんも誘いたかったな~」
「うん?誘う?」
「うん!私、スクールアイドル始めるんだ」
それを聞いた時、片付けをしていた姉さんの手が一瞬止まった。
「ふ~ん。でも私は千歌達と違って3年生だからね~」
と言っておすそ分けの干物を持ってスクールアイドルについて語ろうとする千歌ちゃんの顔に押し付けた。
「また干物~」
「文句は母さんに言ってよ。そういう訳で、私はまだ休学続くから、千歌達も学校で何かあったら教えてよ」
「う、うん」
話が終わった時、家の上空をヘリが飛んで行くのが見えた。
「あれ何?」と疑問を浮かべる千歌ちゃん達に対して、
「・・・小原家でしょ」
と姉さんはヘリを見ながら険しい顔で答えた。
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