何でも屋 ラー&ジョー
「ハァ、ハァ」荒い息を吐きながら少年は必死に逃げている。10歳ぐらいの小さな少年だ。その後ろには赤い色をした2mはある巨大な蜥蜴が少年を喰い殺さんと猛スピードで追いかけてきている。ここは国へと続く一本道、本来魔物は入ってこれないように厳重な警備がされてるはずだが偶然にも警備を掻い潜って来てしまったようだ。この蜥蜴は馬と同等かそれ以上のスピードが出せる。この一本道では確実に捕まるだろう。
「うわっ」さらに不幸にも少年は転んでしまった。たった十数m後ろにはあの蜥蜴がいるというのに。自分の死を確信した少年は目を閉じ来るであろう痛みに身構えた。その数秒後、《ドンッ!》という音がした。目を開けてみるとそこには黒髪と緑髪の青年二人と、腹の辺りに風穴が空いている蜥蜴の姿があった。
黒髪の青年「久々に仕事の依頼が来て何だと思ったら大蜥蜴(ビッグリザード)の討伐かよ。もっと闘い甲斐のある奴が良いんだがなぁ…なぁジョー。」
緑髪の青年「仕事があるだけましだぜ。やっとこれでまともな飯にありつける。それに大蜥蜴は普通の人間より何倍も強いじゃねえか。」
黒髪の青年「お前は飯にしか興味がねぇだけだろ。」
そう言ってる黒髪の青年の拳には血の様なものが付いていた。
「あの…」
ラー「うん?あぁ生き残りか。普通の人間がよく大蜥蜴相手にここまで逃げてこられたな。おっと、自己紹介が遅れたな。俺の名はラー・ビスタ、ラーって呼んでくれ。」
ジョー「俺はジョー・ドラクル、ジョーでいいぞ。」
少年「は、はい…あの、助けてくれてありがとうございます。」
少年ペコリとお辞儀をした
ラー「気にすんな、俺らも仕事で来ただけだから。それで、生き残ってんのはお前だけか?」
ラーは周囲を見渡す、が生きている人間は見当たらない。
ジョー「どう見てもこいつが最後だろ。にしてもいくら侵入させない警備を厳重にしても侵入してしまった場合の為の対策をしてないとは呆れるな。本末転倒じゃねぇか。」
ラー「そうそう、この王国こういうとこ変にガバガバなんだよなぁ…」
少年「え?そうなんですか?この国は大陸で一番安全だと聞いたのですが…」
ラー「ん?あぁ確かに国内『は』安全だな。ここは国へと続く一本道だが、国内ではないからな。」
ジョー「あっちに荷台があるが、あれお前の荷物か?」
少年「あ、はいっそうです。」
ジョー「成る程引っ越しに来たのか。つまりお前はある程度裕福な家で生まれたボンボンであり、理由は知らんがこの国に引っ越ししようとしたところ大蜥蜴に襲われ、お前以外の家族や使用人は皆殺しにされたということか。残念だったな。」
ラー「とりあえずこの事は政府言っとかないとな。君、歩けるか?」
少年「あ、はい」
ラー「この荷物とかは俺が運ぶから、君はそこの緑髪、ジョーと一緒に城に行って事の詳細を話してくれ。」
少年「わ、分かりました。」
ラー「よし、じゃあジョー、頼むぞ。」
ジョー「しょうがねぇな…行くぞ。」
少年「は、はい」
その後、政府が国内にいた少年の親戚と連絡をとり少年は親戚の所へ引き渡された。今回の悲劇の原因は100%政府の責任なので賠償金をもらい、そのお金で少年は両親と使用人の墓を建てたらしい。
ラー「久々に金が入ったな。いや~もうダメかと思ったぜ。」
ジョー「よし、じゃあ早速これで飯喰いに行こうぜ!」
ラー「お前は自分の食う量を少しは自重しろよ!お前のせいで金に困ってんだよ!」
怒りのあまりラーの髪の毛が金色に染まる
。
ジョー「分かったから落ち着け。あ、でもこの間すげぇ安くていい店見つけたんだぜ。」
ラー「…その店の飯の値段にもよるが、まあ良いだろう。行くだけ行ってみよう。」
ラーの髪の毛は黒髪に戻っていった。
ジョー「よしっ決まり!じゃあ早く行こうぜ!」
ジョーがすごいスピードで走り出す
ラー「ちょっいきなり走んなよ!」
ラーはそれを見失わないように追いかけていった
今は外出中の彼らの店にはこう書かれている
[何でも屋] と