ラージョー異世界物語   作:雀蜂@マスアタック

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嵐に舞う黒い影

何でも屋ラー&ジョー

 

普段騒がしいこの店は今静けさに包まれていた。

 

ラーは窓の外をじっと見つめ、ジョーは暇そうにソファーに寝転がり、スーラは床でゴロゴロしていた。

 

ジョー「酷い雨だな…ここまでのは初めてじゃねぇか?」

 

だるそうにジョーがそう呟く。

 

ラー「そうかもな。それに風も強い…今日は外に出ない方が良いな。店も今日は休みにしよう。」

 

スーラ「休みってことは今暇って事だよね?トランプでもする?」

 

ジョー「暇潰しくらいにはなりそうだな。やろうぜ。」

 

割と乗り気なジョーがソファーから起き上がる。

 

ラー「そうだな…。」

 

窓の外を見続けていたラーも窓から目を離しトランプに参加した。

 

 

 

荒れた空を黒い影が飛んでいた。激しい雨は何故か黒い影に一滴も当たらない。何かに弾かれたかのように黒い影から離れていく。

 

黒い影「見つからないな、金髪と緑髪の獣宿しの二人組。この大陸にはいないのか…?」

 

黒い影、クシャルは辺りを見渡す。そこでクシャルの視界に王国モビスが目に入る。

 

クシャル「国か…さてここにいるのかいないのか。」

 

そういいながらクシャルは高度を低下させ、モビスに向かっていった。

 

 

一方三人は

 

スーラ「やったー!上がり!」

 

ジョー「ちっくしょおおおおおおおお!!!!」

 

ラー「はは、又ジョーが最下位だ。」

 

トランプが白熱していた。

 

ジョー「何故だ!?何故勝てない!?」

 

ラー「そりゃあお前、何も戦略を考えずにただ強い札を序盤に出しまくったらそうなるだろ。」

 

スーラ「ジョーって先の事を考えるの下手だね。」

 

ジョー「畜生が…」

 

と、そんな他愛ない話をしていたラー達だったが、

 

ラー「!」

 

ジョー「む…」

 

スーラ「ん」

 

三人同時に会話を中断する。

 

ラー「獣宿し特有の気配…しかも屋内から感じとれる程強力な…古龍種型か?」

 

ジョー「古龍種…大雨…それだけでかなり候補が絞られたな。」

 

スーラ「私でも相手がとにかく強いってことが分かるわ…どうするの?」

 

ラー「いや、どうするの?って言われてもなぁ…相手の目的が分からん内はどうしようもねぇよ。相手も獣宿しだから俺らが隠れて大人しくしてても見つかるだろうしな。」

 

と、そんな話をしていると、店の呼鈴が鳴った。

 

ラー「最悪だな。」

 

目を鋭くし、細心の注意を払いながらドアに手を掛け、開いた。

 

そこには鋼色の髪をしたスーツ姿の男が立っていた。

 

ラー「(外があんなにもどしゃ降りで、しかも見たところ傘や雨合羽の様なものはない。なのに濡れてるどころか水滴すらついていない…こりゃ確定だな。)すみません、今日は店はお休みなので依頼は明日にしていただけませんか?」

 

クシャル「白々しい芝居は結構。見ただけで分かりますよ。あなたかなり強力な獣宿しの様ですね。他にもこの家には強力な獣宿しの気配が一つ、並の上程度が一つ。」

 

ラー「…それで?」

 

クシャル「簡潔に聞こう。バルファルクを倒したのは貴方か?」

 

ラー「…いや?知らないけどそんな名前の奴。」

 

クシャル「今、一瞬言葉が詰まったな?お前は嘘をついている。」

 

ラー「…チッ」

 

苦し紛れの嘘があっさり看破され、舌打ちをするラー。

 

ラー「それで?報復に来たというわけか。」

 

クシャル「いや、勧誘だ。」

 

予想外の答えに頭に?マークを浮かべるラー。

 

ラー「勧誘?」

 

クシャル「そう。我々の組織に入らないか?バルファルクを退ける程の実力者を死ぬのは惜しいし、私としては無駄な血は流すべきではないと思っている。」

 

ラー「ほう…」

 

ラーは目を細め、観察するようにクシャルを見つめる。

 

ラー「詳しい話を聞こう。中に入れ。」

 

そういいながらラーはクシャルを中に入れた。

 

店の客間でいつも道りの姿勢でソファーに座ったいるラーとジョー。スーラは怯えるようにソファーの後ろに隠れている。そんなラー達の前には同じくもう一つのソファーに座っているクシャルがいた。

 

ジョー「お前達の組織の名前と目的は?」

 

クシャル「組織の名は古龍軍。文字通り主に古龍種で構成されている。が、入りたいと言うものがいれば別に古龍種ではなくとも快く受け入れている。そして、我々の目的だが…人類種の数の調整だ。」

 

ラー「何だと?」

 

クシャル「今、人類は急激な増加を続けている。このままだと他生物の居場所をすべて奪い、この星は人間が完全に牛耳る事になるだろう。しかし、だからといって人類も自然の一部、絶滅させるのはいくらなんでもやりすぎだ。ということで絶滅もさせず、かといって人類に星を牛耳らせないように数を調整することにした。」

 

ジョー「ふーん…今の人類の数ってどのくらいだっけか?」

 

ラー「約十億」

 

ジョー「結構いるな。それで?どのくらい減らすつもりなんだ?」

 

クシャル「大体1000万前後になるまで減らそうと思う。」

 

ラー「百分の一かよ。」

 

クシャル「お前達は獣宿し、姿は人間でも中身は人間じゃないだろう。どうする?加盟するか?」

 

ジョー「確かに俺たちの中身は人間じゃねぇ。でもな…」

 

ラー「俺たちは今この人間社会で生きている。そんな人間が大量に死んだら俺たちも困るしな。お断りだ。」

 

クシャル「…そうか、なら仕方ない。お前を危険因子と判断し、ここで始末する。」

 

その瞬間クシャルの周りから風が吹き始める。鋼龍クシャルダオラとの戦闘が始まる…!

 

 

 

                   続く

 

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