ラー「さて、生意気な小僧にお灸を据えてやるとするか。」
依頼人の息子「やれるもんなら、やってみろ!」
依頼人の息子(少年)がラーに手のひらを向け冷気を集め始める。
依頼人の息子「氷の弓矢!」
氷で作られた矢がラーに向けて発射された。
ラー「ふん。」
ラーはその氷の矢を掴み、粉々に砕いた。少年は驚いた様な表情を浮かべるが、すぐに余裕のある顔に戻る。
依頼人の息子「一本砕いた位でいい気になるな!次はこうだ!」
少年は今度は数十本という数の氷の矢を作り出し、ラーに向けて発射した。
ラー「ふっ」
ラーは馬鹿にするかのような笑みを浮かべ一番最初に自分へ向かってきた氷の矢に自分の拳をぶつけた。その瞬間、拳に当たった氷の矢は粉々に砕け散った。少年は驚きの余り目を見開いた。当然だ、その氷の矢は岩に深々と突き刺さるほど鋭利なのだから。次々にラーに飛来する矢の雨、ラーはその全てに拳をぶつけ、砕いてゆく。矢の雨が止んだ時、そこには無傷のラーと、矢の破片が散らばっているだけだった。少年の顔から余裕が消え、走ってラーとの距離をとった。
ラー「何をしても無駄だ。さっきのでもう分かっただろう。」
ラーはそう言いながら逃げる少年を歩いて追いかける。しかし、少年はラーとの距離が充分に離れたとわかったとたんラーに向き直る。
依頼人の息子「俺は別に逃げてた訳じゃない。今から使う魔術は強すぎて俺も巻き込まれるかもしれないから、距離をとってたんだ。」
そういい少年はラーに両手を向けなにやらブツブツいい始めた。
ラー「上位魔術か?何故こんな魔術が使えるようになって数日程度の奴が使えるんだ…才能か?」
ラーはそう呟きながら来るであろう強力な攻撃に身構える。
依頼人の息子「これでも喰らえ!猛吹雪(ブリザード)!」
尋常じゃない程の冷気が竜巻状になってラーに襲いかかる。ラーは両手をクロスしてそれを真正面から受けていた。暫くその状況が続き数十秒後ようやく吹雪が止んだ。
依頼人の息子「は…ハハハハハ!まともに喰らったぞ!馬鹿が、普通にかわせばこうならなかったのにな!氷の矢を砕かれた時は少しヒヤッとしたがやはり俺の敵じゃなかった!」
ジョー「おいおい、まだ倒したか確認してねぇのにもう勝ちだと思ってんのか?」
少年がジョーの方を向く。
依頼人の息子「そうだ、お前もいたんだったな。勝ったに決まってるだろう。猛吹雪は寒冷地の生物も完全に凍りつくほどの超低温の風だぞ!生きてたらもはや人間じゃねぇよ!」
テンションが上がっているのかやたら興奮ぎみに質問に答える少年。そして少年の発言の直後に猛吹雪のせいで発生していた煙が消える。そこには…
ラー「じゃあお前の言い分だと俺は化け物だな。」
ラーが何事もなかったかのように立っていた。
依頼人の息子「そ、そんな…」
呆然としている少年にラーは近づく。少年はラーに背を向けて逃げるがその次の瞬間にはラーは少年を捕まえていた。少年はなんとかラーの手を振りほどこうとするが、全く振りほどけない。そんな少年にラーは軽く、かるーく平手打ちをした。
依頼人の息子「がっ」
その衝撃で少年は地面に倒れる。ラーは少年の胸ぐらを掴み、無理矢理立たせる。
ラー「お前が五年位歳をとっていたならこの程度ではすまなかったぞ。小さい子供はちょっと手荒くしたら死んでしまうほど弱いからこの程度で終わらすんだ。それに俺らの本来の目的はお前を連れ帰る事だしな。しかし、ある程度お灸を据えなければお前みたいな奴は反省しねぇからな。お前の両親にはこの事を説明してお前は罰を受ける。行くぞ。」
ジョー「今回も俺出番無かったぞ。」
ラー「だってお前手加減出来ねぇじゃん。」
ジョー「確かに。」
ラー「あんなに迷惑かけまくったのに罰が一年間お小遣い無しだけとか…甘すぎねぇか?」
ジョー「確かにな。でも他人の家に口出しする訳にもいかんだろう。」
ラー「まぁそれはそうだが…」
ジョー「給料も入ったしこれで飯を」
ラー「駄目だ。今回はこの金でたまってた家賃払わねぇと。」
ジョー「あ、そうだったな。」
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