忍術世界に芸術的爆炎を   作:飛翔するシカバネ

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芸術珍道中【三】

 

「俺が誘ってるんやけど……選ぶのはこの子だと思うんだ。だから幻術かけたり、洗脳したり、脅迫したら直ぐに殺し合いな」

 

目の前にいる蛇系オネエ男子の大蛇丸に話しかける。

 

「そうね。無理矢理は良くないものね」

 

納得はしたが、諦めていない顔をしている。

 

もしも自分が選ばれなければ何時でも戦闘に移行する顔をしている。

 

こんな事になったのは俺たちがある隠れ里を見つけたときだ。

 

 

 

 

そこは廃墟だった。

 

隠れ里と言っても家があるだけ。

 

 

しかし、手入れはされている。

 

片手で数えられる程度、その人間がここにいるのだ。

 

 

里の中を歩くと家の窓から白い何かが飛んでくる。

 

俺はそれを掴み取る。

 

それは指の骨。

 

 

死体を武器にしているのではなく、それ自体がそれを使う忍者の忍法なのだ。

 

「俺は迷い込んだだけだ。嫌なら出ていくさ。だが、折角の出会いだ。少し話さないか?」

 

「信用出来ない」

 

骨が飛んできた窓とは違う場所から声がする。

居場所を把握させない為に移動を、繰り返しているのだろう。

 

 

「戦闘を仕掛けてきた相手に対談を申し込んでるんだ。本来なら戦闘が開始され、君が死んでいる可能性だってある」

 

「ボクの方がやられるなんて楽観的だな。次はこれだ」

 

地面から骨が生えてくる。

 

地面に含まれる水が異常な動きを見せた為に分かっていたが、敢えて躱さない。

 

 

「足元からは攻撃されないとでも思ったか。さっさと立ち去れ」

 

骨に触れると骨が伸び、更に身体を突き刺す。

 

地面に血の雫が落ちる。

 

瞬間、血液は爆発する。

 

「!? どこだ!!」

 

そして俺の姿は消える。

 

「後ろ」

 

声の主は驚くが、瞬時に家から飛び出す。

そして置き土産として骨を投げ込む。

着弾時に骨が膨張し、家をトゲだらけにする。

 

しかし、それは水分身だ。

 

本体は骨から抜け出たところだ。

爆発させた血液により温度変化を起こし、擬似的な陽炎を生み出した。

 

そして目標を確認出来ればあとは糸を手繰るだけだ。

 

「うわっ!」

声の主は空中で足を引っ張られる。

 

いつの間にか雁字搦めに糸を巻き付けられている。

外すことなど出来ずに俺の前に落ちてくる。

 

「大丈夫か?」

 

「つ、強い…」

 

「強いさ、強くならなきゃいけないからな。じゃあ、少し話そうか…」

 

 

それが君麻呂との出会いだった。

 

 

 

 

「俺は森を歩いていたら道に迷った。気づいたらここにいた」

 

「ボクは母と共に逃げてここで暮らしていました。ですが…母が死んでからはボク1人で生きてきました……」

 

「なるほどな……よかったらなんだけど、俺たちと来ないか?」

 

「え?」

 

「俺そういう奴を誘って旅してるんだよ。別に強くなくてもいい。一緒に行かないか?きっと楽しいぞ、うん」

 

「あ、ありがとうございます。これが運命の分岐点なんですね。やはり、今日決めないと」

 

「分岐点?」

 

「あら、私が先にアプローチしたのに……余り彼を誘惑しないでくれる」

 

ネットりとした声がする。

君麻呂と会えるなんて大蛇丸はまだかな?って思ったがそういうことか…

 

「木の葉の三忍がこんなところで何してるんすかねー、うん」

 

「あら、よくご存知ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話は戻る。

 

 

先に声をかけて、「荷造りとか心の準備していなさい」って大蛇丸が声をかけているところに俺が迷い込んだみたいだ。

 

「因みに大蛇丸の噂を君麻呂くんは知ってるの?」

 

「あら、そういうのはアリかしら。だったら私は貴方の事を話すけど」

 

「別にいいけど、普通に気になった。アンタの研究が気になるのも確かだしな」

 

「そう言われるのは初めてね」

 

「出来れば敵に回らず、裏で同盟を組みたいところだよ。表向きは敵対でな」

 

「それはいいわね。もちろんこの話が決まってからだけどね」

 

 

 

めんどくせぇ。

 

こういう時に限ってアイツらいないんだよな。

大蛇丸は絶対護衛いるし。

 

 

 

「ボクは……大蛇丸様についていく」

 

「振られちゃったわね」

 

「いいさ、俺は幼なじみの恋仲が上手くいく方が物語的に好きだからな」

 

「なんの話しかしら?」

 

「純情なんだよ」

 

 

「デイダラ達とも行ってみたいけど、ボクはボクを必要としてくれる人の所へ行く」

 

「お前が選んだんだったらそれでいいさ。何か合ったら頼ってくれよ。あと一つだけ」

 

俺は君麻呂の手に術を施す。

 

「これは…?」

 

「死んだ時に発動する逆口寄せの術だ。死んで数分なら俺なら蘇生できる。念の為のお守り程度に覚えてくれたらいい」

 

これくらいはいいよな、と大蛇丸に目をやる。

 

何も反応が無いところを見ると看過されたようだ。

 

「で、同盟かしら?」

 

「それはまた今度な。そうだな……8年後とかはどうだ?」

 

「その微妙な数字は何かしら?」

 

「掌握する時間」

 

「あら、旅はその準備という訳ね。案外野心家なんじゃない。好みよ」

 

「お断りします。………じゃ、さようなら。君麻呂も元気でやれよ」

 

「デイダラも元気で」

 

「さようなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

「大蛇丸様!この小僧があの一族の…」

 

「ええ、君麻呂よ。戦闘センスは中々。これなら重吾を生きたまま止められるかも知れないわね」

 

「重吾を…!!」

 

「それよりも今回はコネクションが増えたのも中々いいわね」

 

「コネクション?…彼の事ですか」

 

「あら、不満?」

 

「い、いえ……しかし、彼らは抜け忍集団。切り捨てれる暗殺集団程度では?」

 

「彼は野心家よ。その程度なわけないでしょう。あと1年で行動を起こすわよ」

 

「は、はあ…」

 

「楽しみね……彼の言う8年後が。うふふふふ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デイダラ!探したわよ!!」

 

「すまんすまん。道に迷ってた」

 

「いつも集団で動いて真ん中にいるのにいなくなるの!?それに誰も気づけないなんてもう、意図的よね!?」

 

「無自覚なんだよなぁ」

 

「全く……この周辺に用事があるんでしょ。さっさと行くわよ」

 

「それは迷った先に合ったから済んだ」

 

「はあ!?……そういえばチャクラ減ってる…!」

 

「いやぁ、変態に目をつけられるはで大変だったわ」

 

「何してるのよ!?」

 

「ミヤビの時みたいに幻術でもかかってたのかね?俺だけ辿り着くとわ…」

 

「はぁ……もういいわよ。みんな待ってるんだから」

 

「はいはい」

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ帰るかな」

 

「帰る?どこに?」

 

「故郷」

 

「何しに?」

 

「影になりに」

 

 

 

 

 

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