無限賭博祿デンドロ   作:カージ

4 / 5
(〇―〇)<冬休み終わったので更新速度が落ちます。

(ФωФ)<これ以上遅くなってどうすんだ。

(〇―〇)<テスト前なのでさらに更新速度落ちてます。

(=ΦωΦ=)<単にギャンブルの展開が思い付いてないだけなんじゃ・・・

(〇―〇)<そ、そんなことはない・・・よ?

(=ΦωΦ=)<・・・





(=ΦωΦ=)<『嘘つき丁半』の元ネタとの相違点だよ

・所持チップがゼロになっても死なない
・アタック成功時のボーナスがない
・勝利条件が所持チップ上位二名
・勝っても金は貰えない
・全員が望んで参加
・ラウンド数が半分


一賭け戦 

◻【賭博師】ロック・カモンキトン

 

 

ゲーム開始の合図と共に、俺は自身のエンブリオのスキルのひとつである『異能感知(スキル・サーチャー)』を発動させる。スキルによるイカサマは、俺が最も警戒するイカサマだ。他のモノは経験上ある程度は見抜くことができるし、立証もしやすい。しかし、スキルならば発動している瞬間を捕らえなければ、ほぼ証明は不可能。他人のアクティブスキルの発動を視覚情報としてとらえることができるこのスキルを、俺はとても重宝していた。ちなみに、今この時点では誰もスキルを使っていない。

 

「さて、始めはどう賭けるか・・・」

 

この『嘘つき丁半』は、ゲームの流れとして5つの要素がある。まず、『奇数に賭けるか、偶数に賭けるか』。これは運のみが絡む要素であって、少なくとも現時点では戦略を挟む余地がない。次に『いくら賭けるか』。これは、ゲームの最終段階、『持ちチップ上位二名の勝ち抜け』が関わってくる。『チップが無くなれば敗北』な以上、嘘をつくためのリスクも考えなければならない。『出た目が奇数か偶数か』、そして『嘘をつくか、つかないか』。この二つはセットになっていて、基本的には賭けた方と同じ結果かどうかで嘘をつくかつかないかを決めることになる。最後に『アタックするかどうか』。これは、行うときにゲームが終わるかどうか、今が何ラウンド目か考えなければならない。チップを増やすということは、今後のゲームもまた、チップが重要になる可能性が高いからだ。なら、俺は・・・

 

 

「では皆様、お賭けになるチップのベットと、奇数か偶数かのチョイスをしてください」

 

このブロックの審判役が、ゲームを進行させる。これを入れれば後戻りはできない。

 

「では、皆様のベットされたチップの枚数を表示致します」

 

手元にあるモニターに、全員の賭けたチップが表示された。

 

第一ラウンド

・ブーン・ペッパー 60/100

・赤城七美 100/100

・ロナルド・ルナロ 70/100

・ロック・カモンキトン 100/100

 

驚いた。俺と同じ考えに至ったやつがいたらしい。首から“三日月と閉じた目”のペンダントを垂らしたそのマスターは、俺の方を見て少し驚いたような顔をしていた。ポーカーフェイスが崩れてないか、心配だ。

 

「では、ブーンさん、まずはサイコロを降ってください」

 

審判役に促され、ブーンという男が筒を手に取りダイスを入れる。そして筒を軽く降り、逆さに向けて台に叩きつけた。

 

「筒の耐久力大丈夫なんかいな・・・」

 

と、赤城が呟く。それを気にした様子もなく、ブーンは筒を持ち上げる。ダイスの出目は2と6。偶数だ。

 

「では皆様、どちらにお賭けになったかお教え下さい」

 

「「「「偶数だ」」」」

 

全員が偶数を選ぶ。当然だ。一ラウンド目から、わざと外れを選ぶほど常識に外れた行動を取るやつなどそうそういない。

 

「アタックされる方はいらっしゃいますか? 」

 

それも、こんな序盤からいるとは思えなかった。今誰かがアタックすれば、結果がどうであれゲームは終わってしまう。やるとしたら、よっぽど自分に自信のないバカか、このイベントのルールを予想できていないバカしかいないだろう。そして、こちらも当然のように、誰もアタックをしなかった。

 

「アタックはなしですね? では、第二ラウンドに入ります。ベットとチョイスをお願い致します」

 

全員が、無言で手元のコインとチップを操作する。そして、ベットしたチップが表示される。

 

第二ラウンド

・ブーン・ペッパー 50/160

・赤城七美 100/200

・ロナルド・ルナロ 90/170

・ロック・カモンキトン 150/200

 

何故かブーンの賭けチップが、異常に少ない。だが、違和感があろうとゲームは進む。次の“親”である赤城が筒を軽く降り、台に置く。そして、ダイスが公開された。出目は1と3。また偶数だ。

 

「では皆様、お賭けになった方をお教え下さい」

 

その瞬間、ブーンがスキルを使った。そして俺以外の全員が

 

「「「偶数だ」」」

 

と答える。俺は、一拍だけ遅れて、

 

「偶数だ」

 

と、答えた。おそらく、ブーンの狙いはアタック。そして、所持金的に考えて、誰にアタックしてもこのラウンドではゲームが終わることはない。仮に、このラウンドで終わらせるとするならば、残りの3人がブーン以外にアタックする必要があった。俺の賭け目は偶数だ。つまり、俺は嘘をついていない。そして、わざと宣言を遅らせたのは俺の宣言に不信感を持たせるため。唯一の懸念事項はブーンが何らかのスキルを使っていること。ブーンはティアンなのでエンブリオのような固有スキルはそうそうないだろうが、賭けチップ的に考えて、最悪の場合『真偽判定』のスキルを使用している可能性がある。もしそうならば、俺を無視して他の二人に仕掛ける可能性が高い。もし、赤城かロナルドを狙ったら・・・

 

「アタック、赤城七美」

 

そこで思考を遮るように、ブーンがアタックを宣言した。

 

「ちっ、正解や」

 

悔しそうに顔を歪めながら、嘘をついていたことを告白する赤城。

 

「ブーン・ペッパー様、アタック成功でございます。赤城七美様は、ブーン・ペッパー様へペナルティとして150チップの支払いが生じます。また、このラウンドでの獲得チップはなくなります」

 

一気に、ブーンが点差を開く。

 

「おやおや、嘘はいけませんなぁ」

 

と、ニヤケ顔を隠そうともせずブーンは笑う。こいつ、絶対性格悪い。そして、第三ラウンドが始まった。

 

 

第三ラウンド

・ブーン・ペッパー 100/310

・赤城七美 40/50

・ロナルド・ルナロ 140/260

・ロック・カモンキトン 100/350

 

そして、ロナルドがダイスを降り、公開される。出目は1と6。奇数である。俺は、奇数に賭けていた。だが、あえてここは邪道を行く。

 

「「「奇数だ」」」

 

と他の全員が言うなか、ブーンがスキルを使っていることを確認しつつ俺はこう言った。

 

「偶数だ」

 

全員が驚愕する。普通なら、選ばない手だ。やるのであれば、1賭けで最終ラウンドの安牌確保でやるものなのだ。それを俺はここで、三分の一近くを賭けてやったのである。そして、驚愕していながらも、すぐに顔を笑いに変え、ブーンが宣言する。

 

「アタック、ロック・カモンキトン」

 

かかった、と俺は心の中で笑う。そう、つく必要のない嘘をついてまで俺がチップを投げ捨てたのは、ブーンが『真偽判定』を使っているかどうかの確信を得るため、そして俺の最後の罠にかかるような奴かを見極めるためである。そして、ブーンは見事に引っ掛かってくれた。これで、ブーンが『真偽判定』の使い手であることは他の二人にも割れただろう。そして、すぐそばの勝利を焦ったのか、ロナルドが赤城にアタックし、玉砕していた。

 

「第四ラウンドでのベット・チョイスをお願い致します」

 

そして、全員のベットが表示される。

 

第四ラウンド

・ブーン・ペッパー 220/610

・赤城七美 10/230

・ロナルド・ルナロ 80/80

・ロック・カモンキトン 150/150

 

全賭けが、俺を含め二人。ここで増やさないと後のない俺とロナルドだ。赤城は、ブーンを警戒してか、失敗を前提に賭けている。そして、俺がダイスを降る。出目は2と5。俺の賭けた目と同じ、奇数だ。そして、今度は赤城だけ偶数と答える。おそらく、嘘はついていない。どころか、ロナルドも嘘はついていなかったのだろう、ブーンが苦々しく顔を歪める。するとそこで、赤城がふと思い付いたような口調で言った。

 

「ブーンはん、あんた嘘ついてるやろ? アタックや」

 

「なんだと!? ぐぅ、そうだ。偶数に賭けていた・・・」

 

「おやおや、嘘はいけまへんなぁ」

 

意趣返しか、赤城は笑う。一気に一位に躍り出た赤城。そして、ブーンの顔を、脂汗が伝う。

 

「では、次が最終ラウンドでございます。このラウンドで、脱落者が出なかった場合、全員失格となりますのでご注意下さい」

 

そして審判役が、ダイスを入れた筒を手に持つ。

 

「最終ラウンドでのダイスロールは、私が行います。では皆さん、ファイナルベットとファイナルチョイスを行ってください」

 

ほどなくして、全員がベットとチョイスを終える。

 

最終ラウンド

・ブーン・ペッパー 390/390

・赤城七美 1/450

・ロナルド・ルナロ 160/160

・ロック・カモンキトン 300/300

 

暫定一位の赤城は、リスクを嫌ってか、ベットは最低額。俺を含む残りの全員は、ラストチャンスとばかりにオールイン。ブーンは、余裕の笑みを浮かべる赤城に対し、ブーンは大粒の汗を顔に浮かべ、苦虫を噛み潰したかのような表情浮かべている。そして、運命のダイスロールがスタートした。

 

「出目は3と5。偶数です。皆さんは、どちらにお賭けになりましたか? 」

 

ブーンが、スキルを発動させる。俺も、スキルを発動させる。全員が、偶数と答えた。その瞬間、ブーンは表情を明るくする。

 

「では皆様、最後のアタックタイムとなります。嘘をついていると感じた方を、告発してください」

 

そして、ブーンは言った。

 

「アタック、ロック・カモンキトン」

 

口はだらしなく弧を描き、勝利を掴む自分を幻視したのか、笑い声すら聞こえてくるようだ。それもそのはず。奴は、『真偽判定』のスキルの使い手。確実に嘘をついている相手が見える奴は、最も多くのチップが手に入る、俺をターゲットにアタックを行った。

 

「どういうつもりだ? 」

 

なぜ、ブーンが『真偽判定』を使っていることを知っていながら奴にアタックを宣言されているのかを不思議に思ったのか、隣席のロナルドがポツリと呟く。

 

「なんや、ゲームを捨てとんかこいつ? 」

 

そう、赤城も呆れたように口にする。

 

「さぁ、早く敗けを認めるんだな! 」

 

そう、ブーンが急かしてくる。そして俺は、勝利の笑みを浮かべて(・・・・・・・・・・)宣言した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が賭けた目は偶数!! 偽りなしだ!! このアタック・・・ 俺の勝ちだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひょ? 」

 

「ブーン・ペッパー様、アタック失敗です。したがって、ブーン・ペッパー様には、ロック・カモンキトン様へ590チップの支払いが生じます。そして、ブーン・ペッパー様のチップが無くなったため、このゲームは終了となります」

 

呆然とするブーンを尻目に、審判役はたんたんと処理を行う。

 

「バカな、確かにお前は嘘をついていた。どうしてアタックが失敗する!? 」

 

「へぇ? ちなみに、どうやって俺が嘘をついたって確信したんだ? 」

 

「俺は『真偽判定』を使っていた! このスキルの前で嘘をつけばすぐにわかるんだ! なのになぜ・・・!? 」

 

「やっぱし、イカサマしてたんやな? 『真偽判定』のスキルは明確なルール違反。まぁ、それつ使って(つこうて)まで負けとったら世話ぁないけどな」

 

と、結局二位に落ち着いた赤城がカラカラと笑う。ロナルド? またアタックに失敗して落ち込んでるな。

 

その後、カジノの警備員たちがやって来て、ブーンを引きずって去っていった。

 

 

「ちなみに、どうやってあいつにアタックさせたん? 」

 

「さぁね? ただ、一つだけ言えるとすれば、奴のスキルは失敗していた、と言うことさ」

 

 

 

 

 

 

第一回戦第6ブロック、二回戦進出者

一位:ロック・カモンキトン 獲得チップ990枚

二位:赤城七美 獲得チップ611枚

 

 

 




(〇―〇)<せっかく今回使ったので、ロックのエンブリオ載せときます。

【確率変動 シュレーディンガー】
モチーフ:量子力学の理論『シュレーディンガーの猫』
type:テリトリー
特性:スキル操作、矛盾
賭博師(ギャンブラー)】ロック・カモンキトンの保有するエンブリオ。到達段階は3。補正はLUCのみであり、エリア内の対象に限り『スキルの結果を狂わせるスキル』(例えば感知系スキルであれば情報が狂い、対象を取るスキルは対象が別のものに変わる)を持つ。また、この能力の補助のため『スキルの発動を知覚するスキル』と『スキルの発動を隠蔽するスキル』を持つ。なお、『スキルの結果を狂わせるスキル』によって変動する結果は、自分で決めることはできず、ランダムになる。

保有スキル
不気味な子猫(ブギー・キトン)
スキルの結果を狂わせるスキル
異能感知(スキル・サーチャー)
スキルの発動を知覚するスキル
異能隠蔽(ヒドゥン・スキル)
スキルの発動を隠蔽するスキル

(=ΦωΦ=)<解説すると、『不気味な子猫』でブーンの『真偽判定』を狂わせる➡『真偽判定』の結果が狂い、嘘ではなく真実に反応するようになる➡嘘に聞こえる真実を宣言する➡全員が嘘つきに見えるので、一番多くのチップが狙えるロックをターゲッティング。という、流れでした。

(〇―〇)<ちなみにロックのチョイスは、偶数➡偶数➡奇数➡奇数➡偶数の順でした。

(=ΦωΦ=)<なにもしなければ、全て当たりでした。

(ФωФ)<狙った訳じゃねぇからな? ⬅嘘
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