※ラのつくコンビのネタの世界をごちゃ混ぜにしたパラレルな小説です。なんでも許せる人だけご観覧ください。
お題
・バニーボーイ
・本人不在
そりゃあ、確かに僕はウエイターより下だし、お客さん怒らせてばかりだし、お給料も低いからとにかくお金が欲しい…とはいったけどさ…!
「ほんとに、これ、やらなきゃダメなの?」
店長から紹介された仕事は僕も少しは知ってるものだった。内容を知ってるとかじゃなくて、その存在を知ってる…って感じ。
「そうだよ。上手くやりゃあそれだけ金は手に入る。そうだな…8割はくれてやるよ」
「ほんとに~??へぇ~くれるんだ~実際」
「…お、おう。まだやると決まったわけじゃねえぞ?ちゃんと上手く行けばそれだけはやるってこった。その為に契約取ってこねぇと金はねぇんだからな」
僕はその言葉を最後に聞いてとあるアパートの前へと連れていかれた。
「ここから適当な部屋を選んで契約とってこい」
「適当な部屋?ちょっと待ってそれって、丁度いい部屋のこと?それとも、気まぐれで選んだ部屋のこと?どっち?」
「あ…いや、あのな?どっちの意味でもいいんだ、とりあえずほら、行ってみないことには成果が」
「なるほどね!やらないと、なんも残らないもんね!」
「…おう…」
とりあえず教えた通りにやってこい、なんて言われた僕は、何となく目についた部屋に行ってみることにした。
「…○○○号室か…まぁどこでもいいや。…どんな人が住んでるんだろう…郵便受けから見えないかな、よいしょ」
僕はドアの郵便受けを少し開けて中を覗いてみた。声はものすごくするのに真っ暗だ。
「あー、そっかー!直接部屋に落ちるタイプじゃなくてちゃんと受けるところが付いてるやつなのかー!だぁから真っ暗で何も見えないんだね!ちゃんちゃん!」
覗くのを諦めた僕はさっき教えられた手順を思い出していた。どんな人が住んでても、これを言わなきゃ始まらないからね。
あれ?何か足音がこっちに近づいてくる。
「すいません!うるさいんですけど!」
ドアを開けていきなり怒られた。中の住人に。流石にうるさくしすぎちゃったらしい。
「あ、ごめんごめん、ちょっとどんな人が住んでるのか気になっちゃったからさ」
「はぁ…?って言うか誰なの、あんた」
おっと、そうだった。僕はここに契約をしに来たんだった。
「僕は、君と契約するのを任されて来たんだよ。だから、僕と契約して欲しいんだよ」
「契約?ってことは、業者か何かか?…はぁ、そうやって仕事できてるんならさ、お客さんには敬語使わないといけないんじゃないの?ん?」
あ…そっか、僕はここにお仕事で来てるんだから、いつもみたいにしないとダメだよね。
「ようこそ、バニーボーイの店ラビリン、下高井戸店へ。ご新規様ですか?」
「行ってねぇよ!行ってねぇし何だそれ、ラビリンって…(笑)下高井戸…あ!あそこかっ!橋渡ってちょっと行った裏路地のネオンめっちゃ光ってるウサギのところ!」
「なーんだ、知ってるんじゃないですかー。えっと、ご新規様でよかったですよね」
「だから行ってねぇし新規でもねぇんだよ!!なんだあんた、そういうパブかなんかの勧誘に来たのか?」
…ん?あれ?あ、違う違う。僕はラビリンのお仕事としてここに来たんじゃなくて違う方の新しい方のお仕事で来たんだった。えっと、あのおじさんは、明るく笑顔で接客するのが大事って言ってたな。
「こんにちわー!僕はお客さんと契約して受信料を取り立てに来ました。僕と契約して受信料払ってください」
よし、これで完璧だ。教わった通りの言葉を自分なりに言ってみたから間違いなくこれで払ってもらえるはz
「いや、うちは何も受信してないので」
ーーーーバタンッ!!
「えぇ!?ちょっと待ってよ!僕はまだ何も悪いことしてないじゃないか!」
突然結構な勢いでドアを閉められた。僕、悪いことしてないのに。それに、受信料貰わなきゃ僕がお金もらえないじゃないか。僕は玄関の前で飛び跳ねながら叫んだ。
「ねぇ!受信してよぉ!何を受信してないっていうんだよぉ!僕が受信してほしいものを受信して受信料払ってよぉ!」
「あ"ーーー!!うるさいなぁあんた!!」
またドアが開いた。やったっ。
「ねぇー…受信してよぉ」
「…あんた、あれだろ?N○Kの受信料払ってほしいんだろ?」
「そうだよ。なんだ、知ってるんだね」
「そりゃあ知ってるよ。…あんたと同業者だからな」
…???僕と同業者??
「…へぇー、あるんだー、実際。っていうことで、受信料払って」
「おいおいおいちょっと待てよ
「あ、待つ?いいよ?どれくらい?」
「は?あ、いや、そうじゃなくて
「そう、じゃ、ない?そうじゃない?ってことは
「あーー違う違う違う!!聞け!」
「聞く!」
相手の人はものすごいため息をついて話し始めた。
「あのな?…はぁ…、あんた、ニセモンの取り立てだろ?」
「えぇ!?すごい!そうだよ!」
「…なんですぐ肯定するんだ…。まぁいいや、…俺たちもアンタと同じ方法で金稼ごうとしてたから分かるんだよ。分かったら帰れ」
帰れって言われちゃった。でも、帰れない。僕はお金が欲しい。せめてパンが買えるくらいのお金は欲しい。
「分かった、帰るよ…、でも、その代わりお金ほしいんだ」
「はぁ?」
「僕、何も食べてないんだよ!お金ないから、この仕事紹介されてお前の家に突撃してみたけど、帰れとかいわれるし、でも僕お金欲しいんだよ!!」
「そんなこと言われたって俺たちだって金欲しいっつぅんだよ!!!あとお前っていうな!!」
そんな事を言っていたら奥の方からもじゃもじゃ頭の人が出てきた。なんかあのもじゃもじゃ加減がお客さんに似てるなぁ。
「さっきから、どうしたの?何か困ってる?」
「あぁ…困ってるも何も、帰ってくれなくてな。ほら、俺たちと同じことしようとしてるらしい」
「あー…そうなんだね、すいません、僕らももう辞めたんでそちらさんも辞めた方がいいと思いますよ」
そんな事言われても、僕にはご飯買うためにお金が必要だし、この仕事紹介してくれたおじさんはなんだか怖いし、ううう…。
「えっ…あーあー泣いちゃった…。どうしよう?」
「そんなん、ほっときゃいいだろ。俺らには何の非もない」
「でもさあ…。…あ」
どうしたらいいか分からなくなった僕の肩をグイッと誰かが掴んだ。このいつも掴まれる感覚は…!
「ったく、何してんだこんなところで!知らない人に迷惑かけんなよバニーボーイ!!」
「う…あ、っお客さん!!!」
そんなこんなで、僕はさっきの人達に謝って(お客さんから無理矢理頭を地面まで下げさせられたけど)帰ってきた。僕にはあの仕事は向いてなかったらしい。(お客さん曰く)
「なんであんなことやってたんだよ。しかも正規の従業員でもねぇ詐欺なんかよ」
「だって…お金が欲しかったんだよ…、僕、指名取れないしウエイターより下だし、お前しかお客さんいないんだもん」
「…前にも言っただろ?お前には普通の店で接客する能力がないんだ。ムカつきパブでもやれよ。そしたらNo.1とれるから」
水割りを作ってお客さんの前へ置く。なんだよムカつきパブって…あるのかな、実際。
「ま、ムカつきパブなんて行くやつ誰もいねぇだろうけどな」
そう言ってお客さんは水割りを一気に飲み干した。
「でもまぁ、お前はお前でいいんじゃねぇの?やりたいことやっときゃあさ」
そっか、僕もやりたいことやっていいのか。
僕はお客さんに笑って言った。
「じゃあ、僕も水割り1杯もらっていいですか??」
「ダメだ」
お客さんは笑っていた。
END
初書きですが、自己満な結果にはなりました。交錯した世界は面白いですね。バニーボーイには幸せになって欲しいなぁ。ところでこの間、雨の中セブンイレブンに行ったら思いっきり滑ってこけました。濡れたサンダルで濡れたタイルは歩いちゃダメですよ。こけます。