いいかー。不死身と無敵は違うんだからな!   作:炬燵猫鍋氏

10 / 22
おや?

いしになったフジミヤくんのようすが……?


藤宮続行:ゲームオーバー・3回目&コンティニュー!

この展開ならさぁ、気がついたら全部解決していて、組長さんに誉められて、そのあと警察やヒーローがやって来て、でも何とか祭りには間に合って、ハッピーエンドって……思ったんだけど。

 

なんで、なんで、俺は、自分そっくりの石像の側に立ってる?

 

また、全裸だし。

 

『お、おい、小僧ぉ。……おまえ、死んだ、のか?』

 

『って事じゃないですか?こうして生きてる以上。』

 

この世でこれほど矛盾に満ちた会話があるだろうか?

 

組長さんも、女ヴィランも、唖然としていた。

 

『な、何なのよ、貴方。』

 

片目をおさえたまま、呻くように尋ねてくる。

うるせーよ。

また、また俺を殺しやがって。

 

『あんたに殺された中学生だよ。……何が元に戻れるだよ。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

『そ、そんなはずは無いわ。完全に石化しても、私が解除すれば元通りになるんだからっ。』

 

 

はぁっ?!

じゃあ俺は、なんで……。

 

あ、そうか。

 

そういうことか。

 

俺は、唐突に理解した。

石になった、俺。

呼吸も無い。鼓動も無い。なら、脳も活動していないわけだ。

だったら、死んでいるのと同じじゃないか。

だから、()()()()()()()()()()()()()()()()()のか。

 

『だったら、試しに戻してみろよ、ほら。ほら。』

 

『な、なんで私がそんなことを……。』

 

『いいからやってみろよ、おらぁぁぁっ!!!』

 

俺の剣幕に気圧されたのか、それとも他の理由か。

女ヴィランは個性の解除を行おうとしたのだろう。

だが……。

 

『あ、あれ?!な、なんで?』

 

やっぱり、そうか。

もしかしたら、石化が解けて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

ここに有るのは、〝石になって死んだ〟俺だ。

なら、戻るはずもない。

死の運命を確定させ、その結果から死のエネルギーを食らって俺は生き返る。

因果は、応報した。

俺がここにいる以上、『石化死』は覆らない。

 

3回目、3回目か。

ここにいたって俺は確信した。

死に続ける限り、俺は生き続ける。

 

『な、何なのよあんたっ!』

 

さっきも聞かなかったか、それ?

 

『知りたきゃもう一回やってみるか?無駄だけどな。』

 

そう言って俺は右足を蹴りあげる。

俺の足元にもう一度漂ってきていたガスを、風を起こして吹き飛ばす為に。

 

焦ったふりを続けて、ちゃっかりガスを吐いていやがった。

丸見えだぜ。

 

『ふ、風圧で?!』

 

今度はマジでびっくらこいたな。

さて、と。

俺は、俺の石像の腕を掴む。

 

間抜けなツラしてんなぁ。どや顔か?俺。

 

片手に力を込める。

あぁ、重てぇ。石の俺って何キロあるんだ?

片手で持ち上げるのスゲーきついぜ。

 

あ、組長さんがニヤニヤしてる。

ちっ。この程度の芸当じゃ驚かせられねーか。

 

『逃がさねーよ。くらえっ!』

 

行けっ!石化藤宮君!!!

俺は、石になった俺を女ヴィランに投げつける。

 

どがぁぁっ!!!

 

おーおー、石化藤宮君。

人様の家で女の人を押し倒すなんてやるなー。

目ぇ回しちゃってるじゃねーか。

 

力、また上がっちまったな。

 

それに、さっきの女ヴィランの攻撃。

何をしてるのか、わかっちまった。

目で見て見えないのに、気配っつーの?

何かそんなのが丸見えっぽかった。

 

努力とは関係ないところで、強くなるんだよな、俺。

 

『組長さん、俺……。』

 

『おぉ、小僧。なあ、これよぉ、うちに飾らせてもらってもいいか?』

 

いや、勘弁してください。

 

あと、何か服を貸してください。

 

夏祭りに行きたいんで。全裸はかんべんです。

 

 

その後も大変だった。

 

組員さんが駆けつけて、組長さんが無事かどうかって騒いで、俺が全裸なの見て絶句して、俺の石像見てフリーズして。

女ヴィランの侵入経路はどこだってやっぱり騒ぎになって。

この女ヴィランをどうするって話が出て、若頭の鳴子さんがちらっと俺を見て、小さく舌打ちしてから警察を呼ぶように指示して。

 

やって来た警察に事情説明して、詳しい調書は後日取らせてくれって話になって、石化藤宮君だけ連れていかれて、組長さんがソレちゃんと返してくれって話して、マジで飾るつもりかって俺がビビって。

 

でも祭りには何とか参加できて……何でかしらないけど明日原お姉さんにエスコートされてて。

そこで明日原お姉さんと道鈴お姉さんが二人とも組長さん(奥さん公認の)愛人って聞かされて羨まし……ビックリして。

 

こうして、俺の3回目の命日と、4回目の誕生日は過ぎていった。

 

 

 

其れからの日々も慌ただしかった。

 

何度かこう、事故っぽいものに巻き込まれはしたが、俺は、死なずに雄英受験に備えることができた。

死ぬ度に強くなる体は、今までの俺だったら抗えない死の運命にも屈しないで俺の、俺の4回目の生を守り通した。

 

はぁ。割れた窓ガラスがビルからわんさか降ってきた時にはビビったけどさ。

 

緑谷は何かマジでやばかったな。

ガチのオーバーワークで、これ潰れんじゃねって感じが……11月末だったかな。

何とか持ち直したっぽかったけど。

海浜公園で清掃ボランティアやってるった聞いたときは感心したね。

 

さぁて、俺の努力の日々、緑谷の努力の日々。

あと、ついでに爆豪の努力の日々!

 

泣いても笑っても、死んでも生き返っても、明日が雄英の入学試験!

 

行くぜヒーロー科!

生きて生きて生き抜くために!!!




身体能力は更にアップした模様。
石化藤宮君アタック、重さ200キロ以上あるよな?

……女ヴィラン平気なんだろうか。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。