いいかー。不死身と無敵は違うんだからな!   作:炬燵猫鍋氏

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やっと受験だーッ!

独自解釈ありです。ご注意下さい。


藤宮続行:ファーストステージ Act1

男子三日会わざればなんとやら。

雄英高校の実技試験に一緒に行こうと、緑谷と待ち合わせたんだわ。

 

そしたら、しっかり逞しくなってやんの。

学生服の上からだとぱっと見わかりにくいが、肩、首、腕とかなり鍛え込んでいた。

 

ん?

それだけじゃねーな?

なんだ?よくわからんが……気配が違う?

あー、なんだ?

モーター駆動のシティ・コミューターが、いつの間にか大排気量のエンジン積んだハイブリッドカーになってるみたい、な?

 

ま、いいか。

こいつも雄英のヒーロー科を受けるんだ。

隠し球の一つや二つ持っててもおかしくないわな。

 

俺?石化ヴィランに殺されたせいで、パワーは又上がっちまったな。今ならバイクアクションじゃなくて、カーアクションができそうだぜ。

で、気配が読めるっつーか、いろいろ感覚が6感まで鋭くなったみたいだし?

 

『どけモブども!!』

 

ん?この声は爆豪か。なんか久しぶりな気がするな、何故だか。

 

『俺の前に立つな。殺すぞ。』

 

はぁ。相変わらずだな。

ん?緑谷ぁ。ビビってどーする?

俺なんか笑うぜ。

殺せるもんなら殺してみろ。そのかわり責任もって俺の遺体片付けてから試験受けろよ……ってな。

 

 

むむ?何か周りが語ってね?

『なぁアレ、バクゴーじゃね?〝ヘドロ事件の〟。』

『おお本物。』

 

そっか。俺が初めて死んで騒いでいた頃、そんな事件に巻き込まれたって聞いたな。

『お、おい!〝不死身少年〟がいるぞ!』

『まじか。〝ヒーロー殺し殺され〟の?』

 

おい、動画見たのか。

っていうか、なんだ〝ヒーロー殺し殺され〟って。

ゴロ悪いし。

……はぁ。緑谷、さっさと行こうぜー。

って、浮いてる?!

 

おぉ、転びそうなところを助けてくれたのか、そこの女の子。念動力?重力制御?可愛らしいのに強そうな個性だな。

 

おい緑谷。おまえ、今の女の子とマトモに話せてないぞ。

何かこう、へ……とか、あ……しか言えてないじゃねーか。

 

 

 

さて、でけぇ講堂だな。

実技試験のプレゼンテーション、か。

……プレゼント・マイクうるせぇぇっ!!!

 

10分間の模擬市街地演習、ね。

持ち込みは自由。ん?同じ中学は会場が振り分けか。

協力防止か、それとも喰い合い防止かね。

 

仮想ヴィランを三種配置。

ふん、ポイントが1~3。()()()()にすればポイントゲットね。っと、プリントには四種しるして有って、Dはゼロポイントって書いてあるな。

ふーん。行動不能にしてもポイントがもらえない、と。

……臭ぇな。

裏があるよな、こりゃ。

 

 

おぅ?メガネ君メガネ君。でっかい声のメガネ君。

誤載であればとか、痴態とか、もう少し考えるかプレゼント・マイクの説明待とーぜー。

ん?〝緑谷ブツブツ〟に突っ込んできやがった。

ははぁー、あれか、余裕ないのか。

ま、しょうがねーよなー。

 

ふん、0ポイントはお邪魔虫、ね。

暴れ続けるギミックねー。

やっぱり、怪しいね。

 

さて、俺も質問しますかねっ、と。

プリントにも受験要項にも明言されてないし、な。

 

『しつもーんっ!〝この実技試験で重傷を負ったり、万が一に死亡しても、受験者の自己責任です。〟みたいな契約はしてないんですけどー、何かあったら賠償してくれるってことでいーんすか?』

 

ありゃ?プレゼント・マイクの顔が引きつった?

ん?危険な試験だからもちろん対応するって?

ははぁー、こりゃ、あれだな。

見た目の押し出しが強かったり、バカでかかったりしても、安全面はかなり配慮してくれてるな。

受験資格で個性の有無や優劣を測ってなさそうだもんなー。

ロボット相手に向いてない奴が受験する可能性も高いしな。

よしよし、俺が死ぬ可能性は低い……かな?

低い……よな?

 

 

『そこの君!ここは雄英だぞ!試験においてもその困難は当然理解できているべきであろう!だいたい……』

 

 

ありゃ?メガネ君。今度は俺?

あ、周りのヤツも。

『なんだよ。ビビりか。』

『根性なしがくるんじゃねーよ。』

はぁ、だせぇ連中ばかりだな。

 

『言っておくがなぁ、俺達は受験生。つまり、雄英高校は俺達への配慮や対応に関して、在校生と同じ扱いをする義務はねぇんだよ。だから、この実技試験において相互の関係性を担保するのは、この国の法律!裁判上の判例!ソレ以外は受験要項とこのプレゼンテーションしかねぇの!』

 

プリントをヒラヒラさせながら俺は続ける。

 

『で、大事な大事な()()()()()()()について記されて無かったから、代わりに聞いてやったんだよ!あぁ、口約束でも法的な契約は成立するからな?……あくまで、お前らの為の質問だ。俺は、俺だけは何があろうとこの試験で()()()()()()()()()()()()()()()。』

 

『君はっ!そ、そうか。……失礼した。』

 

メガネ君、質問の真意に気がついたか?

いや、俺が誰か気がついただけか。

まぁいいか。

 

ん?プレゼント・マイクがまだなんぞ言ってくるな。

だから声でけぇって。

聴覚も鋭くなったからなー。

意識的にカットするの難しいんだよな。

 

Plus Ultra(更に向こうへ!!)、か。

 

あぁ、行ってやるさ。

生と死の向こう側へ、な。

 

 

さて、行くか。

あ、緑谷ぁー。お前、武器になるもん持ってきたか?

へ?じゃないよ。

持ち込み自由って受験要項に書いてあったろ?

個性に合わせた装備とかけっこう持ってくるぜ、普通。

よし!俺のバールをお守りに一本貸してやろう!

 

あ?いいって、大丈夫!

俺はたくさん持ってきたからな。

幾つって?

んー、15センチが8本。

50センチが4本。あ、これ一本貸してやるな。

120センチが2本!これが今回のメイン武器だ。

 

二人で過去の実技試験の資料、検討したろ?

ま、今回の仮想ヴィランは新型っぽいけどよ。

でもどう考えても、素材はカーボン系とアルミベースの軽合金で軽量化してる。

 

なら、このクロモリベースのバールの方が丈夫だ!

ん短いバールはどうするのかって?

投げるに決まってるだろが。

おかしなこと聞くなぁ、緑谷。

 

頑張ろうぜ、互いによ。

 

だーかーらぁー。なんで俺らを睨むのよ、爆豪君。

 

 

 

 

うおっ?!広っ!

模擬市街地……うん、街だね。確かに。

そっか、『セメントス』に『パワーローダー』だな。

さすが雄英。スケールがパねぇ。

こりゃあまず高所をおさえるべぇかね?

 

『ハイスタートォォォォッ!!!』

 

ちっ!カウントダウン無しかよっ!!

 

走っ……いやっ!

ジャンプ!、近くのビルのひさしを掴んで、更に体を上にっ!

ふふん。竜爪会の跳渡さん直伝の軽業だっ!

よしっ。屋上!

さて、視覚・聴覚全開っ!

 

先頭集団は、あそこか。

で、仮想ヴィランは……複数グループ確認!

あ、0ポイントでけぇな。

ビル壊すのか。

思い出すなー。Mt.レディと、巨大ヴィラン。

まだ距離あるから気にしねぇけど。

 

他の受験生と接敵するグループは捨てて、他の集団を先に仕留める!

ビルからビルへジャーンプっ!

 

一騎駆けじゃーっ!

ヒャッホーっ!

 

 

ん?何か違和感が。

目には見えないが……いや、陽炎めいた揺らぎがいくつも浮いてる。

光学迷彩?

あぁ、受験生を監視するドローンか!

そうすると……街路樹や街灯にもカメラが仕込まれてそうだな。

細かくチェックしてるってことか。

 

よしっ!接近っ!

んー、さすがに10階建てのビルからまっすぐ飛び降りたらケガするな。

なら!ビルとビルを蹴って降りるだけだぜ!

おらぁっ!いくぞっ!

 

『標的捕捉、ブッコロス!』

 

口悪いな。

着地するなり、一番近くにいた仮想ヴィランが合成音声でわめく。

1ポイントか。

蛇腹状の首で支えられたカメラアイ搭載の頭部。

同様のアームの先は打撃武器を兼ねたシールド、右のシールドの下にはガトリングガンパーツ。

過去のロボットヴィランの例にならうなら、硬質ゴムの模擬弾のはず。

 

『バール・シュート!!』

 

俺の右手から放たれた15センチのバールは、アームを支えるボディの中心をぶち抜くっ!

ふっ、所詮はカーボン複合材。

クローム・モリブデンをベースとしたバールの敵では無いわ!

よし、行動停止したな。

他の仮想ヴィランが俺を包囲する前に、今倒した仮想ヴィランに駆け寄り、アームを踏みつけながら左腕のパーツを引きちぎる!

 

『ヴィラン・シールド・シュート!』

 

投げ飛ばしたシールドパーツが、右側から回り込んだ蠍を模したような仮想ヴィラン、2ポイント対象のボディに深くめり込む。

よし、二体撃破っ!

 

おおっ?!ロケット弾発射装置のような物を背負った、大型車両のような仮想ヴィランがこちらを狙っている!

3ポイントかっ!

発射されるのは模擬弾にしても、まともに食らえば吹っ飛ばされるだけの衝撃は確定!

下手したら失神してアウトだ!だがっ!

 

俺はうつ伏せにばったりと倒れる。

……よし、攻撃は来ねぇっ!

行動不能になった受験生に対しての追撃は出来ないアルゴリズム!

だが俺は高速匍匐前進で間合いを詰める!!

 

この距離では飛び道具は使えないなっ!

両手で地面を叩いて跳ね起き、腰のベルトから120センチの長尺バールを二本引き抜く!

 

『ダブル・バール・ピアッサーッ!!!』

 

バールを突き込む。

ボディの奥深く。制御システムが搭載されている筈の場所に二本並べて叩き込み、グリグリと抉る。

 

よし、三体目撃破っ!

どんどん行くぜっ!!!

 

 

 

ふははははっ!

グループ一つ丸々一人で潰したった。

よし、次はっ!!

 

俺はもう一度ビルの屋上に登り、周囲の状況を確認する。

ふん、()()()()仮想ヴィラングループはさすがにもうないか。

でかぶつ0ポイントは離れて暴れてるだけ、と。

んな訳ないな。

アレが本格的に動くとしたら残り三分ぐらいが怪しいね。

ならその前に!

 

俺は乱戦状態、仮想ヴィランの方が多く見える戦場へと駆ける。

 

()()()()()()で屋上から着地、拳で2ポイント仮想ヴィランを砕いている奴の後方へ駆け寄る。

 

『ダブル・バール・カウンターッ!』

 

背中から襲おうとしていた1ポイント仮想ヴィランの両腕、蛇腹状のパーツへバールをカウンターで突き入れ、一気に切断する。

 

『あぁっ?』

 

振り向いた少年へ軽く頭を下げる。

 

『悪ぃ。横取りしちまったな。』

 

全身が金属と化している。拳一つで戦っていたのだ。

背中からの攻撃どなんともなかったろう。

 

『いや、早い者勝ちだろ。』

 

男臭い笑顔。いいやつだな。

 

『あんがとなっ!』

 

俺は乱戦に飛び込む。

優勢、善戦している受験生には関わらない。

 

一対多で苦戦しているところには一声かけて参加。

 

食らってノックバックしたり、ダウンしたところには黙って乱入!

うん、このケースの方が仮想ヴィランのタイムラグが発生しているから楽だな。

よし!

受験生から妨害されたと申請される恐れもないから、なるべくこっちで稼ごう!!

 

 

ん?

 

『あと三分~!』

 

 

来るか?!0ポイントっ!!

 

予想通りなら、死の危険なく残りの仮想ヴィランを一網打尽にできるはずっ!!!




ほぉ、死の危険無く稼げる……と?(フラグ)
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