合格通知を受け取って、喜び有頂天の俺です。
あ、そういえばオールマイト、緑谷も待ってるって言ってたな。
緑谷も合格かっ!
って、いいのかよ、個人情報保護的にさ。
オールマイトってけっこううっかりさんか?
ま、爆豪のヤツも十中八九受かってんだろーから……。
スゴくね?
折寺中から、3人、同じクラスから雄英ヒーロー科だぜ!
ん?父さんどったの?
何?校長先生やオールマイトと話さないといけないことがあるって?
竜爪会の組長さんも交えて?
ふーん。
えぇっ!組長さん、オールマイトと面識あるの?!
はぁ、大きな事件で関わったことが、ねー。
大物なんだなー。
ディープなアイドル・ヒーロー系オタクなのに。
そーなんだよ母さん!
シ姉妹のデビューライブとか、セラビィ・ローズの嵐の中の強硬ライブとかのDVD持ってんだよ組長さん!
ガチだよ、ガチ!
芸能コンサルタント所長の肩書き持ってるの伊達じゃないんだなー。
あ、それより緑谷だよ。
よし連絡してみるべ!
おー、緑谷?おれおれ。
合格したぜっ!
よしっ!お前もやったなっ!
いやー、オールマイトが投影された時はびっくりしたけどなっ!
そーそー、雄英の先生だもんよ!
良かったなーオールマイト・オタクの緑谷少年!
あ?何?コスチューム?あー、そーかそーか。
被服控除かー。どーすべかなー。
いや、ほら、俺さ。
復活するとき裸じゃん?
笑うなよ!こちとら真剣だっつの!
死ぬこと前提じゃ不味いけどさー、お前にも話したけど、俺、
それに抗う為の強さを求めてヒーロー科に行くわけだけどさ、やっぱり危ない現場に行くってことは、死亡する確率が上がるわけよ、明確に。俺の場合は。
だから死ぬと全裸、側に俺の死体って状況とコスチュームをどうするかは、密接な関係があってさ。
ん?個性届けの写しがどうしたって?
あー、そっか。
お前、無個性扱いで受験したんだもんな。
そーかそーか。
そりゃオールマイトや校長が疑問視するわけだ。
タイミング的に間に合わなかったとはいえ。
ん、納得した。
ん?いや、こっちの話。気にすんな。
で、だ。
更新できるぜ。個性届け。
俺だって、未覚醒の為不明って申請してたしな。
今は〝復活〟ってなってる。
だからお前も更新できるぜ。
あー、国民ナンバーで、ネット手続きできっからよ。
詳しくはWebでってな。
あ、そんでさー、緑谷ぁ。
一緒に雄英の見学行ってみねー?
あー、新入生に設備とか見せてくれるんだってよ。
先生の引率つきで、うまくしたら訓練してる先輩とか見れるぜ?
なっ、興味有るだろ?よし、日にち決めよーぜっ!
緑谷との連絡は済ませた。
雄英の見学、楽しみだぜ!
しかし、ヒーローコスチュームか……。
生存率あげるなら、防弾・防刃・耐熱・耐冷。
特殊繊維とカーボン系で柔軟性重視。
眼球を守るゴーグル、有毒物質や高熱のガスから呼吸器系を守るマスク、低酸素環境で活動できる酸素ボンベ。
人命救助用にファーストエイド・キット。
高所活動やヴィラン捕縛に使える強靭なワイヤー。
水分補給と栄養補給を同時に行うドリンクゼリーもあった方がいいか。
んー、後は……。
超 硬 合 金 製 の 各 種 バ ー ル だ な!
よし、申請書書くか!
翌日、俺はたいへんお世話になった竜爪会の皆さんに、合格できたお礼を言う為に訪問した。
いやー、喜んでもらえた。
お嬢さんの竜爪冴子さんも普通科に合格したそうで、なんか勢いで宴会になっちまったぜ。
ははは、俺は未成年だから酒はダメです。
だーめーでーす。
ダメだっつってんだろ!
そこの石化藤宮君投げるぞ酔っぱらいども!!
ふう。
危ないところだった。
明日原お姉さんが脱ぎ始めた時はびっくりしたぜ。
さて、帰るか。
あ、多古場海浜公園寄ってくかな。
なんか新聞とかに載ったのな。綺麗に片付けられた海浜公園の謎!
対価を求めぬボランティアは何者?ってな。
緑谷の10ヶ月の成果を自分の目で見ていくってのも悪く無いしな。
あ、でもデートスポットとかになってるって……気にしたら負けだな、負け。
着いたっと。ありゃ。
なんか、こう、チンピラ風味のお兄さんがウ○コ座りしてんな。3人。
話してる内容、なんか物騒じゃね?
よし、意識集中……聴力アップ!
『まじ?』
『おお、センパイが声かけられて、大物ブローカー仕切りのパーティー参加して、すげーアガッたって。』
『で、ガチのヴィランチームにスカウトされてさ、シタク金ってもらったらしいぜ。』
『でかいヤマに参加するらしいな。』
『かー、うらやま!』
『……俺らも呼んでもらえるみてーよ。』
『マジのマジ?!』
『太く、短くパッと行くか。』
うわー、頭は悪いしモラルは無いし。
……通報しとくべ。
ん?
『景気づけによー、この先でイチャついてるヤツにテンチューかますべ。』
『いるかぁ?』
『行けばわかるな。』
うわー、暴行傷害に強盗かよ。
しょうがねーなー。
俺は携帯端末を取り出して、
わざと大きな声で、場所、三人組の会話、容貌をつたえ、最後に名前を小さめの声で伝えて切る。
さて、どうなる?
『ねーねー、そこのボクぅ?セイギカンですかー?』
スキンヘッドにピアスまみれ。
『かー、ガキがくっだんねーまねしやがってよぉ。』
お、一つ目だ。
『サツがくる前にヤキ入れてずらかるぞ。』
顔が、豚?いや、猪か。
来ますよねー。
さて、どうするかな。
俺はうつむいて、肩を少し震わせる。
『あららぁ?びびっちゃった?』
うるせーハゲ。
『チキンがだせーぞ、あぁ?』
泣かしてやるからな、ワン・アイ。
『ワビいれるか?小僧。』
猪がメッシュ入れてんじゃねーぞ。
息を吸う。息を吸う。 ゆっくりと、力一杯に息を吸う。
そんでぇっ!
三人組が目の前まで来たところでっ!
『うわぁぁぁっ!ヴィランだぁぁっ!!』
ふはははっ!硬直しておるわっ!
これぞ藤宮・スタン・シャウト(仮)!
そして!
後ろを向いて逃げる体勢から、足を振り上げる後ろ回し蹴り……っぽいポーズで土を、砂を蹴って叩き込む!
顔面に、な。
サンド・サミング・スプラッシュ(仮)だっ!!
『ぎゃあああっ!』
『目、目がぁっ!』
『ぐはっ!げほっ!ごはっ!』
見たか!ヴィランもどきども!これがヒーローを目指す一般中学生の底力よっ!
貴様らごときにバールを使うまでもないわ!
使ったら、お巡りさんとヒーローと父さんに怒られるからな!
さて、ヒーローと警官が来るまでの次の時間かせぎは……。
『もう大丈夫だっ!!……私が来たっ!』
……なんでいるんですか。オールマイト。
バール……持ち歩いてるのか。