な、何だ、こ、こ、こいつ。
た、たぶん、何人も人を、こ、ころし、ころしてる。
『プ、プリズムっ!お客様を、ひ、避難させるのです!』
血にまみれたダンシング・バロン。
うめいて、でも、プリズムレディに、指示してる。
そ、そうだ、に、逃げなきゃ。
『君!こっちへ!』
気がついたら、歩行者天国に作られたステージにいるのは、俺とプリズムレディ。
そして、ダンシング・バロンと恐ろしいヴィランだけ。
『ハァ~。偽物なりのちっぽけな矜持、か。偽物の群れの頭目、今日の獲物は貴様だけだ。』
笑う。怖い。
笑顔、こんな、笑顔。狂気と、凶気。
プリズムレディに手を掴まれて、走る、離れて、周り。
人が……いっぱい?
『皆さん!早くここから避難してください!ヴィランです!』
離れてるけど、周りには、たくさんの人がいた。
何人も携帯端末を操作してる。
撮影。
SNSにアップ。
何をしてるん……だ?
『スゲー。ダンシング・バロンヤバくね?』
『おいおい、どうなるんだこれ?』
『あれさー、アレじゃね?〝ヒーロー殺し〟』
『マジかーっ?!これお宝画像くさくね?』
何、言ってる?
避難して、そして、通報しなきゃダメだろ?
誰か、警察に、連絡っ……!
……違うっ!!!
誰か、じゃない!
俺が、義務を果たさないと。
父さんが教えてくれたじゃないか!
俺は震えの止まらない手で携帯端末を取り出し、緊急コードで通報する。
何とか、場所と、ヴィランの様子と、ダンシング・バロンが危ないこと、そして自分の名前を言えた。
さぁ、逃げよう。
『あれあれ?君、アレじゃね?不死身クンじゃね?』
誰だ、あんた。大学生か。
逃げろよ。俺も、逃げるんだから。
『なーなー、不死身の個性をもってるんだろ?』
『マジ?あ、見たこと有るっぽい。』
撮るな。俺を撮ってる場合じゃないだろ?
『おいおい、不死身クンなら〝ヒーロー殺し〟の足止めとかできるんじゃね?なー、そーだろ?死なないし。』
何言って、る?
『不死身の少年対ヒーロー殺し?ヤバくね?』
ヤバいのは、あんたらの、頭の中だろうが。
なんで、逃げない。
なんで、プリズムレディを撮ってる。
なんで、ダンシング・バロンとヴィランを撮ってる。
なんで、俺を撮ってる。
もういい。無視だ。
俺は、父さんの教えてくれた通りに……。
『所長ーっ!!!』
プリズムレディの声。
振り向くと、彼女の視線の先。
『お前たちの愚かな行いが、社会を歪ませた。見ろ!お前の最期を喜んで見届けようとしている!……ハァ。報いを受けて死んでいけ。』
なぜだか、ヴィランの言葉が、やけにはっきりと聞こえて。
ヴィランの刀が、ダンシング・バロンの胸に。
なぜだか、やけにゆっくりと見えて。
『ぐゎぁっ!!!』
ダンシング・バロンの声。
そして、ヴィランの身につけている服が、マフラーが、まるで台風にあおられているかのように、激しく踊る。
踊る?
ダンシング・バロンの個性。
無機物を踊る様に操る、オブジェクト・ダンシング。
ひよっとして、最期に、個性の、暴発?
ヴィランの持っていた、刃物が撥ね飛ばされる。
いくつも、いくつも。
ヤバい!!
体が、考えるより早く動いた。
両腕で、顔を隠す。
これでしゃがめば、最悪の事態は避けられ……。
ドンッ!
え?後ろ?
誰だ?突き飛ばされた?
しゃがむ前に転んで、しまった、手を着いて。
あ、銀色の光。
最後に見えたのは、慌てて逃げる大学生。
そして、喉、熱
息、できな
コンティニュー yes/no ?