リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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出来は悪いです
う~ん、ちょっとしたスランプに入りましたかね……



空白期 〜vivid
学校見学


「ごめんね、やっぱり案内してくれたら心強くて、ここ凄く広いもんね」

 

「ん~、気にしなくてもいいぞ、俺としても懐かしの学校だし」

 

俺、なのは、ヴィヴィオと歩く

場所は廊下、なのだが妙に煌びやかで凄く明るい

すれ違う子供もチラチラとこっちが気になっているご様子だがキチンと挨拶してくる

挨拶が『ごきげんよう』なのだが

俺にとっては約四年ぶりの校舎、正直な感想を述べるとここには余りよい思い出は無いのだが

ネリアが卒業しているので知り合いも皆無

 

今回、俺が来ているのは懐かしのStヒルデ魔法学院

俺の母校でもありネリアの母校、聖王教会直下のエリート学校

ここには二度と来る事はないって思ってたんだけどな、来ても意味無いし

取り合えず歩く、幸い学校内の構造は把握してる、迷う事はないだろう

その前に職員室か?カリムを通して伝えたのは『学校見学で子供とOBが来る』って事だけだから、門はすんなりだったけど俺が来た事知ったらどんな反応するかな、職員

 

現在、ネリアに職を取られて、尚且つ働いたら問題になるという意味分からん状況な俺は聖王教会で絶賛ニート三昧中

クロノからは恨めしそうな目線やメールが来るのだが気にしない、頑張れ提督

まぁそれでも金が入るのは可笑しいんだけどな、いつの間にか気づけば儲かってる。黄金律マジパネェ

 

で、やる事がない俺にメールしてきたのはまさかのなのは

どうにも「ヴィヴィオが行く学校の案内をしてほしい」という

てか俺がここ出身だということどっから仕入れたんだ?

まぁそれはいいとしてシスターシャッハやらが忙しく手が開いていないのでニートの俺に白羽の矢が立った

どうせ暇なのだからOKし、カリムに頼んで話しを通してもらい、今ここ

それでも誰が来るかとか伝えていないのがカリムらしい、ガチの天然

カリムからパスを貰い門通過、それでも職員室には顔出さないとただの怪しい奴、コルテット重役に管理局のエース、更には聖王殿を迎撃したとなれば大問題だと思うけど……何とかなるか

 

「どうヴィヴィオ、学校」

 

「ん~、わかんない」

 

そりゃそうだ

 

「ヴィヴィオっていつここに入れるつもりなんだ?区切りがいい二年から?それとも二学期から?」

 

「う~ん、出来れば今年には入学出来ればなって、それでも色々難しいんだけどね」

 

聖王だったりテロで重要参考人だったり、学校に入れるのもすぐとはいかないか

 

そんな事を言っている内に職員室……の前にピンクの半被を着、頭にはハチマキを巻くよく分からん集団

中等科か?所々初等科の奴もいるが

共通して言える事は女がいないと言う事、なのはが若干引いていて、ヴィヴィオは涙目になっている

凄まじいオーラだよな、あれ

 

集団がプルプル震える、なんだろう、とてつもなく嫌な予感しかしないのだが

 

『お兄様!!』

 

「……は?」

 

『ネリアさんを僕(達)に下さぁぁぁぁぁい!!』

 

手には斧やら剣やら槍やら杖

ピンクの半被軍団が俺たちに襲いかかる

なのはさん、気持ちは分かるけどレイジングハート構えないで、ヴィヴィオを泣かしたとか言って魔力チャージしないで、職員室ごと丸々消えるから

 

何の騒ぎだと職員室から出てくる先生達、見たことある顔触れもチラホラ

 

で、なんだって?

ネリアをくれ?

 

「誰がやるかぁぁぁぁぁ!!」

 

デュランダルを使って一人、また一人と斬る

ハッ、たかが生徒に負けるような生活送ってねぇんだよ!!

 

狭い廊下の中で全員を床にひれ伏す、なんだろうか、この優越感

せめてバリアジャケットは使わせる様にしような、将来騎士務まらねぇぞお前ら

 

デュランダルをしまってなのは達の方へ戻る

少し怖かった様でヴィヴィオはなのはにしがみついてるしなのはは苦笑い

で、俺の後ろには何人もの騎士、もとい職員がいて……

 

「貴様ら!!デバイスを床に置き手を上げろ!!拘束する!!」

 

「……学校見学者です」

 

こっちもちょっとやり過ぎた

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんとぉぉぉに申し訳ございませんでした!!こちら側に全ての責任があります!!

生徒達にはキッチリとした処分を下します上何とぞ今回の出来事は」

 

「まぁいいけどいきなり襲いかかるのはいただけん、あいつら何なんだ、いきなり人の妹を欲しがるって」

 

昔と同じように俺に謝って来る校長、まだ校長やってたのね

つれて来られたのは懐かしの校長室、そういや入学してすぐに連れて来られたんだよな、暴力事件やなんやらで

しょうもない思い出に浸っているとさっきの事情を説明する校長、どうやら全ての原因はネリアにあるらしい

 

さっきのは学院に三つあるネリアファンクラブの一つ、襲いかかって来た理由はネリアが在学中、告白して来た男全員に言ってたのが

 

「お兄様に勝てたら付き合ってあげる」

 

信用されているのか使われているのか

元々OBであり、コルテット長男でもある俺に会うなどまず不可能、諦めかけていたファンクラブ員、そこにどこからか「学校に来るらしい」という情報

学校見学で職員室に来るのは必須、なので職員室前を陣取りネリアに良く似た俺に襲いかかって来た、と

ん~、って事は俺、この学校にいたら襲われる確率あるわけか、しょうがない

 

「あ~、ごめんなのは、俺がいたら色々めんどいらしいからヴィヴィオと一緒に学校内周ってもらっていい?校長、誰が案内の職員つけて貰えるとありがたいんだけど」

 

「わ、わかりました」

 

ビクビクしながら部屋を出る校長

最初は強気だったらしいんだけどね、生徒が数十人も大人にやられたって聞くと「ここに連れて来なさい」と管理局やらに訴える気もあったらしいし

 

腕組んで待っていたのだが入って来た俺を見て目玉が飛び出し、なのはを見て汗が流れ、ヴィヴィオを見て真っ白になった

校長にとっては悪夢だろうな、事情を詳しく聞くと生徒が悪いし

最悪の結果としては事件に関わった生徒全員退学も有りうるわけだし、そんな事するつもりないけど

 

「あはは、ネリアちゃんって……苦労してたんだね」

 

「時々愚痴漏らしてたしな、俺さえいなかったらヴィヴィオには無害だと思うから、今日は学校施設見て回るだけなんだろ?」

 

「うん、授業はまた今度体験で受けてみようかなって」

 

そういやなのは、この学校見てもそんなに驚いてなかったな、俺はあまりのデカさに度肝抜いたけど

そこら辺どうなんだ?

 

「ん?私の通ってた学校もこんな感じだったよ?」

 

なん……だと?

……そういやなのは、私立大学出身だったな、すっかり忘れてた

公立一筋だった俺とは感性が違う

 

「なのはママ、食べていい?」

 

「ん?いいんじゃないのかな?」

 

「俺のも欲しかったらやるぞ、ヴィヴィオ」

 

「えへへ、ありがとうございます」

 

お礼が言えて偉い偉い

出されていたケーキにかぶりつくヴィヴィオ、口の周りにクリーム付いてるぞ

 

「えっと、ケント君」

 

「知ってる知ってる、むっちゃ視線感じるしむっちゃ狙われてるし、窓の外に狙撃手いるし」

 

全部半被着てるし、色違うって事はまた違うグループか?

 

「多分なのはの事警戒してる、色々な意味で有名人だしね」

 

「色々な意味?」

 

「色々な意味」

 

それ以上は言えん

 

「まぁなんにせよ学校見学楽しんでよ、俺の事は気にしなくていいから」

 

「う~ん、まぁケント君なら大丈夫だよね!!」

 

信用してくれてるのか?

そうは言っても模擬戦で結果的に負けたからな、シグナムに

エクスカリバー耐え切って紫電一閃とか、あの後すぐ倒れたらしいけど先に倒れたのは俺だから俺の負け、あれいらい執拗につきまとってくるから怖い

 

「すみません、では高町さんとヴィヴィオさんはこちらで」

 

「ん、あ~、楽しんでおいで」

 

「ケント君も気をつけてね」

 

「ケントさんは一緒じゃないの?」

 

「ん、後でなヴィヴィオ」

 

校長が連れて来た教師に付いて行く二人

後は取り残される俺と校長

ビクビクしてるね、校長、もっとこう……威厳とかってないのか?

 

それはそうと……今もう一度考えてみればファンクラブの奴らも随分と肝が据わっている

俺の時は遠くや影で嫌味言うだけだったからな、女が関わるとこんなに強くなれるのか?男は

 

ま、まぁ……俺もかもしれないけど……

 

と、とにかくだ、ネリアを渡すつもりはないが奴らにとっては一生訪れる事のないかもしれないチャンス

正面から来るんだったら……まぁ、いいかな?

 

「あ~、校長、ちょっと頼みごとしていいか?」

 

「は、はい、なんなりと」

 

お前は家臣か

 

「昼休み、1番デカい訓練場に俺と戦いたい奴、放送で呼びかけてみてくれ」

 

 

 

 

「俺対全員で、ちょっと遊んでやるからよ」

 

 

この頃体動かしてないし、丁度いい運動になりそうだ

 


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