「相変わらずの私、いいおっぱいしてるね」
「まだまだ大きくなるよ、今の貴方なら」
「同人誌の数は」
「一万なんて遊に越えている」
「未来のお兄様は」
「それは自分で確かめなさい」
フッ、と笑う同じ顔
違った場所といえば……少しだけ身長と……胸
ったく、俺含めて同じ顔が三つかよ
「な~んか、今日作らへんとあかんご飯が倍になったね~」
「にゃはは、買い出し行ってこようか?」
はやての腕の中にはユーリ、疲れたのか寝ている
空は暗くなり雨も少しずつ弱まり出したこの頃
俺の目先にはビックリするくらい同じ顔立ちの二人、どちらもセイバー、胸以外
若干変な次元から殺気が飛んで来たが無視する、問題なのはこの二人、問題じゃないのかもしれんが
「あ~、ネリア」
「「なに?」」
「…………未来ネリア、お前の部屋はちゃんと作ってやるから、おとなしくしとけよ?」
「チッチッチ、お兄様、ネリアは今二十一歳、お兄様より年上
つまり、お兄様はネリアに対して『お姉ちゃん』と呼んでくれなければネリアはそれには承諾出来ない」
「お前が俺の事をお兄様って呼んでる時点でアウトだろ」
お兄様であって弟って……なんだその複雑な家族構成
「一度くらい呼んでほしいのです、カモンカモンお姉ちゃん!!」
「とにかく、未来に帰る方法が見つかるまでは保護してやるから、もう一度言う、おとなしくしとけよ?」
「ぶぅ」
膨れるんじゃない
夕方にみんなが帰って来た時、ユーリの事を説明
やはりなのは達は懐かしいのか何というのか……半分ユーリはおもちゃにされた
ユーリにとって一年前になのは達とお別れしただけ、いきなりの成長に少なからずびっくりしていた
で、コテージでゆっくりしていたのだが……そこにまさかのネリア2登場
当然、ネリアはコテージで休んでいたわけで……事情を聞けば気がついたらこの星にいたと
わけが分からなかったので取り合えず知っている場所に、このコテージが一番印象に残っていると
それにしても二十一歳のネリアか……丁度五年後、俺達が二十五歳、つまりはForceが始まる年
またよく分からん時代の人間を連れて来たもんだ
それにネリア二人とか……悪い予感しかしねぇ
「それにしてもこんな事あったあった、いや~あの時は……うん」
「そういやお前はこの経験してるんだよな、だったらクリスタルの使用方法も」
「それは教えられません、未来の人間が過去に余り干渉するものじゃないしね」
お前がここにいる時点で大分干渉されてる
「はやてはやて、今日の晩御飯どうすんだ?」
「ん、どーしよっかな、ネリアちゃん×2にスバルにエリオ、ここは無難にカレーでも作ろか」
あれだったら量作れるからな
「ネリアの時代の私達って……二十五なんだよね……どんな感じ?」
「何々~、お姉様は何が聞きたいの?」
「えっと、ほら、美容面とか」
「もっといい事知ってるけどな~」
フフ~と笑うネリア2、あいつ、黒いな
「はぁ、俺はじゃあこのクリスタルの解析続ける、後は自由でよくね?」
「そやな~、うん、じゃあケント君、お任せするわ」
「了解」
こんな未来の技術、俺以外に見したら大変な事になる
「お姉様はこっちこっち~、ネリア×2が色々な相談を受け付けるよ~」
「え、えっ?」
ネリア×2に連れていかれるフェイト
………一人なら自重してるが二人になると気分が高揚して何しでかすか分かったもんじゃないからな、正直怖い
「ユーリは私達の部屋来るか?他のみんなの事も聞きたいし」
「ヴィヴィオと遊ぼ~」
「あ、はい、わ、分かりました」
ユーリは何というか、むっちゃいい子だ
「あ、ケントさん、先に部屋に戻っておきますね」
「ん、ああ」
エリオが大広間から出て行く……所でネリア1に取り押さえられる……?
まぁ、いいか?
取り合えずクリスタルと向き合う、あれだな、例えるならRPGの転移結晶
なるべく触れない様に、変に触って起動させたりすれば帰って来れない可能性だってある
にしても……皇帝特権といえども未来の技術にはお手上げか?
あくまでどの時代の一流かは決められていないし……縄文時代で土器作りの一流だって言い訳だ
う~ん、適用するにはちょっと時間がかかるかな?
「はいどうぞ」
「………未来ネリアか、どうした?」
「それ結構難しそうだから、軽い差し入れ」
目を移すとそこにはエナジードリンクらしきビン
………何時の間にか一時間、むっちゃ集中してたんだな
台所からはカレーの匂い、差し入れって言ってるし貰っとくか
蓋を開けて一気に飲む……何だかあれだな、初めての味
なんぞこれ?
「コルテット製精力増強液」
「ブッ!!」
ゴホッゴホッと盛大に咳をする
ちょっ、何飲ましてんだゴラァ!!
「集中する為に時々息抜きする事も大切だよ?」
「その息抜きで俺に何させようとしてんだよ!!」
「怒らない怒らない、同人誌貸して上げるよ?それをオカズにすればいいじゃない」
「ぶっ飛ばすぞテメェ」
取り合えずこっから出てけ!!
渋々といった感じで出て行く未来ネリアに一睨みした後再び作業に戻る
………あ~もう、集中出来ない
クリスタルを封印魔法で頑丈に保管してソファから立ち上がる
ご飯ご飯、普通に腹減った
後でネリアはぶっ飛ばす……二人同時は流石にキツイかもしれない
カレーの匂いも強くなってきたしもうすぐ出来上がるだろう
食堂に足を進める、スターズの二人が配膳をしていた
台所に目をやる、給食室で使っている大型鍋が二つあるのは気のせい
でもって炊飯器が数十個並んでいるのも気のせい、うん、気のせい
そしてこの量を作る事が出来るはやては普通に凄いと思う
そういや今いるメンバーって何人だ?
俺にネリアになのはにフェイトに……十七か?
数え間違いは……分からん
あ、ちなみにアリサとすずかを足した数な
コップやらスプーンやらを取って並べる
ゾロゾロと集まるみんな、ユーリは私服、ヴィータのでも貸してもらったのか?
ネリアは並ばれると分からん、同一人物だからな、しょうがない
全員席につく、手を合わせていただきます
普通に美味かった、大食い組は知らん、見ているだけで食欲が削がれる
洗い物を流しに持って行ってクリスタルへ
………分からん
時間は無限じゃない、出来るだけこの旅行中に解明しないといけない
ユーリはいいとしてネリアは問題だ、コルテット当主が二人って……
頭を捻る、触れない事や余り強い魔力の干渉が出来ないのがしんどい
コトッと、何かが置かれる音……?
「またお前か」
「人をお邪魔虫みたいに言わないでよ~」
さっきあんな事されりゃあこうなる
「で、今度は何の用だよ」
「ホットミルク、あったまるよ?」
出されたカップには煙りをもくもくと立てるミルク……さっきのあれとは違うっぽい
「飲めと」
「ん~、私はお兄様の疲れを取ろうとしてるだけだけど?」
胸をはるな胸を
………一応善意なのでいただく、ミルクだし大丈夫だろ
少しずつだが全て飲み干す……うん、美味かった
「精力増強剤入りだけどね」
「ブーーーー!!」
盛大に噴いた
「てめぇはさっきから意味分かんねぇ事ばっかり!!」
「まぁまぁ、今日はエリオ部屋に帰ってこないし……もう休んだら?」
「どういう意味だどういう!!
お前、本気で自分の行動を自重しろ!!」
「私はすぐに元の時代に帰るんだからお兄様は怖くありませーん、取り合えず今出来る事をしてるだけです!!」
「だからその必要な事がいらない事なんだよ!!」
こいつの脳内どうなってやがる!?
「あーもう、クリスタルの検証は部屋でやる、ネリア!!おまえは入ってくるなよ!!」
「は~い」
気の抜けた返事のネリア
……コンチクショウ、ガチでムラムラしてきたじゃねぇかよ