ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン
何度も何かを打ち付ける音がこだまする
鈍く、重く………
誰も来ない、当たり前だ、音の発信源はコテージから少し離れた森の中
そこで………ケント・コルテットは、一人木に頭をぶつけ続ける、ちなみに血が飛んでる
何度も、何度も、何度も、何度も、同じ動作の繰り返し
「なっ、何をしているのだ!?」
「……ザフィーか、ほっといてくれ、俺は……ここで死ぬから」
「ば、馬鹿を言うな!!」
犬の耳は侮れない
人型となったザフィーに取り押さえられる、ケントは抵抗しない、というか完全に力がない
「どうしたというのだ一体、夜中に何があった……」
「それができりぁ」
「それができりゃあ苦労しねぇよ!!」
森に声がこだまする
落ち着け俺、いや、落ち着けない、てか落ち着いちゃいけない
いや、落ち着くべきだ、ここは落ち着いて……いやだから無理だって、落ち着けないんだって
フゥと軽く息を吐く、うん、大丈夫、いや大丈夫じゃないからこんなんなんだろ、てか大丈夫だったら頭打ち付けたりしないわけで
パニクっている頭を取り合えず冷やす、まずは状況を説明はさよう
昨日はあれからすぐ寝た、何か起きたら怖いからすぐ寝た
クリスタルもまだ時間あるし、ネリアによく分からん物飲まされた状態で急いでやる事でもねぇし
そんなわけでベッドには言った、ここまでは大丈夫、エリオはまだ帰って来て無かったからすぐ寝た、むっちゃ早い時間だったけど寝た
そう、記憶がないから寝た筈なのだ、ムラムラしていたが寝た筈なのだ、ぜったい寝た筈なのだ
で、昨日早く寝過ぎたせいで夜中、といっても三時くらいに目が覚める
いくらなんでも早すぎなのでベッドから降りる、誰かの寝息が聞こえる
エリオだと思って振り向く
………超絶金髪美少女がいた、いや、比喩じゃなくてマジで
それだけじゃなく若干服もはだけてる、いや、原作でも結構きわどい格好で寝てたけど……え?
周りを見渡してもエリオはいない、じゃあ何、この子は俺と同じくベッドで寝ていたわけ?
………俺の頭の中で最悪の事態がかけめぐる
いや、あり得ん、俺は寝てた、ぐっすり寝てた、まずそんな事考える事自体が不埒だ、いや、ない、絶対ない
いや、でも俺は寝る時真っ暗派、だが何故今は豆球がついている
………ないない、記憶が無いんだ、そんな事はない
それに俺はちゃんとパジャマ着てるしね、服もはだけてない
うん、ない、絶対ない、断じてない
彼女がここにいることも何かの事故だ、ほら、部屋間違えたとか
それはないか、でも可能性はゼロじゃない、慣れないコテージだから部屋間違えたんだよ、寝ぼけてたんだよ、きっと
でもこれじゃあもう一眠り出来ないな、取り合えず外に散歩しに行くか
デュランダルを手に取る、メール?
差出人は、匿名?
取り合えずメールを開く、ん?
『ごめんなさい』
なにが!?
『途中で邪魔しちゃって』
なにを!?
『えっと、楽しんで下さいね』
意味わかんねぇよ!!
荒い息をつきながら部屋を出る
誰だこのメール送って来たのは、敬語だということでだいたい絞れる
取り合えずは……
「夢であってほしいと願い、頭を打ち付けていた……と」
「うん、まぁ、そんな感じ」
ザフィーが腕を組む
やっぱり……夢じゃ無いのか
この痛みとか血も夢の再現だと思っていたんだが……
「少なくともお前からそんな匂いはしないが……そのメール、お前の力で差出人割り出せんのか?」
「ん、ああ、そうだった」
取り乱し過ぎて忘れていた
皇帝特権を使ってハッキングをかける
差出人は……うん
「ネリアァァァァァァァァ!!」
ぶっ潰す!!
「なぁケント君、なんであそこでネリアちゃん×2は吊るされとん?」
「正当な報復」
「「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」」
ったく
あの後二人を潰した、全力全開、手加減無しで
二人だと苦戦?ハッ、何を言ってるんだか、終始ワンサイドゲームだったが何か?
取り合えずとっ捕まえて事情を聞いた、何でも俺が寝て、フェイトも寝た後におぶって連れて来たとか何とか
あのメールも未来ネリアの物、アドレス的な物が変わっていたため分からなかったが発信元はネリアのガラディーン、すぐに分かった
問いただす途中で
「お兄様あのメールで何を連想したの?うわ~、エッチぃ~」
とか言い出したので朝飯は抜きにした
ちなみにフェイトは起きたら全く違う部屋なので戸惑ったとか何とか、エリオは無理やりキャロの部屋に押し付けられたらしい
まぁ一件落着、この件を知っているのはザフィーだけ
ザフィーにも口止めしておいたからまぁ大丈夫だろう、あいつなら
「お兄様!!年頃の女の子がご飯抜くと健康や肌に良くないんだよ!!可愛い妹が病気になってもいいの!?」
「それは困る、はい」
ネリア×2の前にザルを置く
「これは?」
「生タマネギ」
「「鬼ぃぃぃぃぃ!!」」
大丈夫、死にはしない
「何があったんか聞いても答えてくれんし……まぁええか、二人とも朝ご飯抜きなんやろ?」
「はやてさん!!教えてあげるから朝ご飯ゲフッ!!」
「少し黙ろうか、それとも何か?ネリア、お前だけコルテットに強制送還してやろうか?」
「ふっ、未来のネリアにそれは効かないのだ」
「お前もミッドに強制送還するんだよ、仕事はかどるだろ?」
「なんて黒い」
少なくとも一度した事ばかり、失敗はしないだろ?
一生こき使ってやる
「ケント君は今日用事あるん?」
「ん?いや、特にはないけど」
「ケント君昨日さっさと寝てしもて聞いてないと思うんやけど、みんなで遊園地行こかって、雨も止んだしな」
遊園地って、また何というか
「不満か?」
「ん~、いや、突然だな~て」
「そんなもんや」
「そんなもんか?」
そんなものらしい
飯を食べ終わり、ネリア×2を放置したまま部屋に戻る
途中で謝罪の声と講義の声が聞こえたが無視、行くまでそのままでいろ
部屋に入る、エリオはいない
何故かフェイト……?
「忘れ物?」
「ううん、ち、違うよ、あの……ネリアを降ろして欲しいなって」
?、どういうことだ
「えっと、あの、ネリアは……私が寝た後におんぶして来たって……言ってたよね?」
「ん?言ってたけど……ごめんな、迷惑かけて」
目が覚めたら男の布団って、普通は取り乱す
「ホントはね、違うんだよ」
「?」
違うって?
「わ、私、なんだよ」
「何が?」
取り合えず赤面してモジモジするのはやめてくれ、むっちゃ可愛い
「私が、その、あの、自分で」
腕を伸ばして手をギュッと握り締めるフェイト
「こ、こ……」
「こ?」
「私が自分でここまで来たの!!」
あまりの勢いにのけぞってしまう
………て
「へ?」
「あ、あ、はぅ」
頭から煙を出した後、あどけない足取りで部屋を後にするフェイト
………え?
本編とは全く関係ないのですが……vita版Fate/stay night、PVかっこいいですね
歌も好みですし、ほんと、Fateの歌はいい物ばかりだ
いや~、発売が待ち遠しい
………自分、vita持ってないんですがね!!
やるせない気持ちでいっぱいです(−_−;)