リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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空白期での敵?です
いや、何と言うか……平和ですな
余り長引かせません、終わり次第vividです

※Sts編の最初に登場人物紹介を追加しました



獣耳

この世で最も美しいものは何か

 

この世で最も輝いているものは何か

 

この世で最も強いのは何か

 

この男は間違いなくこう答えるであろう、『筋肉』と

 

 

 

ならばこの世で最も可愛いものは何か

 

この世で最も萌えるのは何か

 

この男は間違いなくこう答える、『獣耳』だと

 

 

 

一筋の光、輝きを放つカチューシャ………の形をしたロストロギア

 

やっと見つけた、これを見つける為だけに局入りし、夢を実現する為だけに働いた

カチューシャにはモフモフの耳、自らの体は海パン一丁

鍛え上げた筋肉はテカリを増し、己の全ての魔力を身体強化、筋力強化に注ぎ込む

 

男は涙を流す、かつて追い求めて来た理想郷、夢までに見たパラダイス

 

老若男女など問わない、皆があのモフモフを共有出来る世界

 

高らかに笑う、ロストロギアから溢れ出る魔力によって、よりテカリと筋肉を増す己の体

 

誰にも理解されない日々はもう終わり、筋肉×獣耳、このコラボが分からない人間には無理やりその魅力を伝える事が出来る

 

この力を使い、先ずはミッド、その次は管理世界、更には管理外世界へと

 

管理外のヘボ局員になど負ける気がしない、この腐りきった世の中を……俺が変える!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて皆さん、朝起きたら見慣れないものがあった時どうしますか?

いや、物とかじゃなくて、身体的な意味で

 

旅行も終わり、無事にミッドに帰って来て数日

何故か朝早くに起きてしまい、ならばなのはやフェイト、ヴィヴィオの分の朝食を作ってしまおうと思い台所へ

 

ただ寝起きという事は変わらない、サッパリ、兼ちゃんと目を覚ますために洗面所へ

 

バシャバシャと顔を洗いタオルで拭く

ふと顔を上げる

 

鏡には見慣れた自分の顔、いや、別にそれならいいのだが………

 

 

なんだ、この犬耳

 

 

頭の上に三角形のモフモフした物体がついている、てか感覚もある

力を入れてみる、動いた

 

触ってみる、触られた感触、すっごいモフモフ

 

腰の方に違和感、恐る恐る手を伸ばしてみる

何やら長くてモフモフしてる物、てか握られた感触

そして力の入れ方も分かる、力を入れる、立った……そしてまたすぐにしぼんだ

 

 

……………え?

 

 

 

 

 

 

 

 

『現在、ミッド全域で猫耳、犬耳が生えた、尻尾がある、などの情報が相次ぎ……私もそうなのですが……管理局は原因究明の為調査の開始を始め』

 

「……………ミッド全域かよ」

 

「凄いね」

 

「フワフワ~」

 

ヴィヴィオ、笑い事じゃありません

テレビの報道、画面の中には猫の耳と尻尾がついている女キャスター

俺の隣には自らの耳を触って癒されているヴィヴィオ、うさぎか………

 

そんなわけでこの現象、どうやらミッド全域で発生しているらしい

原因は今のところ不明、ただミッド全域という事はそれだけの魔力を有するロストロギアの可能性が高いだろう

 

「う~ん、体に支障はないと思うんだけど……」

 

「可愛いよね、これ」

 

ご覧の通り体には何の支障もない

ただ耳と尻尾がついただけ、判断力が落ちたやら知能が犬猫並みになったなどは一切ない

 

「フェイトちゃんは黒猫か~、いいな~、可愛い動物で」

 

「なのはのも可愛い……と思うよ?」

 

「ヴィヴィオは~」

 

「ヴィヴィオもすっごく可愛いよ」

 

「フェイトちゃん、なんでヴィヴィオには満面の笑みで、私には苦笑いなのかな?」

 

そんなもんだろ

 

ネリアはコルテットにいるのでどうなのかは知らないが、高町家の現状を確認しよう

先ずはフェイト、言わずと知れた黒猫

頭からは小さく猫耳、尻尾も綺麗だし何よりも……似合っている

無茶苦茶、これ以上ないくらい、抱きつきたいくらい

おっと、煩悩退散

 

で、ヴィヴィオは兎耳、将来のクリスやら何やらの影響だろうか?

尻尾には白く丸いのが一つ、愛くるしい

 

で、なのはなのだが………黄色基準に黒いシマシマ

耳の形やら尻尾からは猫型の動物を連想させる、てかどうしてそうなった

 

「なんで私は虎なのー!!」

 

……虎、それがなのはだ

いや、悪魔とかにならなくて良かったよな、獣に含まれるのかは知らないが

まぁ、性格的に考えればアリじゃないのか?怖いし怖いし怖いし

 

それはいいとして俺、頭には三角形の耳、しっぽからはフサフサとした毛

色はクリーム、悪意あるよな、これって

 

「ケントは……チワワだよね」

 

「世界最小の犬」

 

「甘えん坊さん!!」

 

「言うな」

 

俺は、チワワだ

 

地球では世界最小の犬として言われるチワワ、俺の身長を馬鹿にしてんのかこの野郎

 

「うう、可愛いからいいじゃん!!虎だよ虎!!」

 

「………肉食系?」

 

「わけが分からないよ!!」

 

インベキューター

 

「まぁすぐに解決するだろ、犯人はミッドの中心部にいるだろうし捜査官という事ではやても動いてるだろうし……午後からフェイトも仕事あるけどこれに当てられるんじゃないか?」

 

「はやては動いてるだろうね、シグナム達もかな?」

 

ミッド全域のある意味でのテロだからな、管理局が犯人を見つけるのも時間の問題

今日中には終わるだろ、多分

 

「あ、朝ご飯作って来るね」

 

「そうだったな、俺が作るつもりだったけど……悪い」

 

大丈夫だよ~、と言って台所へ向かうなのは

にしても……

 

「犯人の目的は何なんだろな、全然掴めん」

 

「う~ん、何か裏があるのかな?それともただの自己満足?」

 

「自己満足でここまでするか?」

 

ガチの変態じゃねぇか

 

「………ねぇケント」

 

「ん?」

 

「お魚食べたい」

 

……………は?

 

「いきなりどうした」

 

「えっと、何て言うのかな、無性にお魚が食べたいんだ、何でもいいから……なのはに頼んで来ようかな?」

 

まさかとは思うが生態まで一緒になるのか?

てか唐突だなオイ

 

「ふにゃあ」

 

「可愛いなオイ」

 

「はふぅ」

 

さっきから変だぞ?

と、突然

 

「ワッ、ワッ、ワッ!!キャアァァァァ!!」

 

「…………どした?」

 

なのはが走って逃げてくる

頭を抱え込みガクガク震える……ちょっ、何があった!?

 

「あ、あれ」

 

「は?」

 

なのはが指差した方向

いつもと変わらない台所

………Gでも出たか?

 

「ひ、ひ、ひ」

 

「ひ?」

 

………ああ、火か

 

「なのはママ、大丈夫?」

 

「火が怖いって……まさか」

 

恐る恐る台所に近づいてみる

コンロで燃える火、いつも通りの火

何故だろう、汗が止まらない

その前に体がこれ以上近づくなと警告を発している……うん

 

「マジかよ」

 

これはかなりヤバくないか?

動物は火が怖い、それは万国共通として言える事だ

コンロの火なら何とかなる、近づけないのなら魔法を使って電源を止めればいいだけのこと

 

ただ……これがミッド全体になればどうなる?

火事の場合、鍛え上げられた救急隊や消防士は恐怖から近づく事など出来ない

もしかしたら、事態は俺が思っているよりも深刻なのではないだろうか?

 

取り敢えず回線を遮断して火を消す

朝ご飯はパンだけでいいか

 

通信……はやてから

犯人捕まったか?

 

『ケント君、ヘルプや』

 

「なんだよいきなり、そしてお前……やっぱり狸か」

 

『う、まぁそんな事はいいねん、ホンマ助けて、むっちゃ助けて、一生のお願いや』

 

一生のお願い、こんな所で使ってしまってもいいのか?

 

「で、何だよ、火が怖いとかそういう系か?そっちにはザフィーだっているだろうに」

 

『いや違うねん、今犯人を局で追跡中なんやけど……無理や、アレ、真っ正面から立ち会いたくない』

 

「犯人見つけたか、だったらお前が一発デカイのを撃ったらそれで終わりじゃねぇか」

 

『したよもう、ラグナロク』

 

ほう、で、結果は?

 

『………殴られた』

 

「は?」

 

『だから殴られたねんって!!砲撃を!!』

 

………物理的に可能なのか?

 

『今そっちに画像データ送るわ!!可憐なる乙女を助けてくれや!!』

 

「それは見てから判断する、どれどれ」

 

うん

 

「マジか」

 

『大マジや』

 

はやてから送られて来た画像、こんなのが人類に実在するのか?

見た目はおっさん、体は一般人の二倍程に膨れ上がり、身につけている物はブリーフ型の海パン一丁

そして目に余る筋肉、テカテカ、そしてゴツゴツ

 

更に追加攻撃を仕掛けるのは……頭に生えた猫耳と尻尾

 

……悪夢だ

 

『元々は普通の局員で魔力もC位やったのがロストロギアの影響で今ではSランクにもなっとる、その全部を肉体強化、身体強化に回してこの有様や

それに使っとる術式がミッド式から古代ベルカ式に……攻撃力方法はただ殴る、攻撃は筋肉に阻まれて全く効かへん』

 

「古代ベルカ式になるって……まさかとは思うがベルカ戦乱期よ遺産だったりする?」

 

『………多分やけど』

 

何て物を作り出しやがった

 

『私の砲撃も通じんかった、恐らく拡散する攻撃は全部効かへん

ケント君みたいな一点集中の収束とかじゃないと』

 

「シグナムは?」

 

あいつの紫電一閃とかもいいと思うけど

 

『シグナムは……火が怖いって』

 

「あ、ああ、そうか」

 

自分の一番の持ち味が逆に仇となったか

今頃は……部屋の隅で震えてるかもしれないな

 

「このままだといろいろマズイし……うん、行く、無料かもしれないけど」

 

『座標はこっちで送る、頼むで!!』

 

ブツッと通信が切れる

戦闘中にかけてきたか、さて

 

「私も行くよ、近距離だったら大丈夫だし」

 

「わ、私も!!いつまでも虎は嫌だもん!!」

 

通信聞いてたか、う~ん、どうするか

俺個人としては少々刺激が強すぎる相手だと思うんだが……よし

 

タンスの上、裁縫用具

中を弄くる、見つけた

 

「なのは、フェイト、それ!!」

 

「「ふにゃ!!」」

 

二人同時に飛びつく

俺が投げたのは赤い毛玉、むっちゃ可愛い

 

「それじゃ、行ってくる」

 

「ふにゃ~」

 

「にゃ~」

 

…………これ、ずっと見ていていいかな?

 


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