リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

134 / 176

展開が早すぎるのが中々なおりません(−_−;)




覇王っ子

さて、この子の事について感想を述べるとするなら……良かった、うん、ホントに

 

いや、原作同様通り魔なんてされてたらこの子ホント危なかったよ、社会的にも物理的にも

恐らく、いや、絶対に軽く探してみれば今でも監視はあるからね、コルテットの

 

当然今の状況も把握しているはず、いきなり問答無用に殴りかかってきたりしたらヤバかった

 

それに関しては……ちゃんと向こうも把握しているみたいだし

 

まず今も向こうは背筋伸ばしてずっと目を見てきている、戦闘体制に入っていない

 

それにまず自分で『St.ヒルデ魔法学院』の生徒だと名乗った、通り魔の時の様にバレても問題ないと言う事

つまり、知ってはいたけどいつもの俺の暇つぶしと言う名の戦闘を見ていた

で、自分で言うのもなんだがある程度強いとわかっていても剣士だったから関係ない、しかし今日はデバイス不使用の拳、興味が出た

 

ん~、整理すると

 

アインハルトちゃんは俺がコルテットの人間だと言う事を知っている

 

いつも俺の暇つぶしを見ていたが剣士には興味なし

 

だけど拳もいける

 

戦いたい

 

だけど迂闊には手は出せない

 

だったら頼めばいいじゃない←今ここ

 

 

「ん~、アインハルトちゃんだっけ?俺がわざわざあそこに行って戦ってるのはネリアを欲しいとかいう男子諸君を制裁しに行っているのであってね、鍛錬やらそんな目的じゃなくて」

 

「だったら私が勝ったらネリアさんという人を貰います」

 

どうしてそうなる

 

「なので、お手合わせお願いします!!」

 

バッ、と頭を下げるアインハルト

あー、んー、けどな……なんというか

彼女が望んでるのは格闘技による手合わせだろ?俺には女の子を殴る趣味はないし……てかしたくないし

けど手を抜くのはスポーツマンシップとしてそれはどうか……この子の願いにも答えてやれないし

んー、んー、弾く受け流すの動作なら大丈夫か……八極拳で

けど、それが通じる相手か?

 

「………一回だけだぞ?制限時間は十分、それまで思う存分来たらいい」

 

「ありがとうございます!!」

 

また頭を下げるアインハルトちゃん、こちらは弾く受け流すの動作のみなので勝つのは難しいだろう、それじゃあ多分延々とこの子は打ち込んでくる

だから制限時間、十分間だけ

まぁ一対一の戦闘で十分はかなり長い方だけど、それを知って彼女も承諾してくれたし

 

「防護服の着用をお願いします」

 

「着せたければ実力でしてみろ」

 

「…………武装形態」

 

彼女の体が光に包まれる、大人モード

術式を公開したからと言って早々マネ出来る魔法じゃないんだよな、あれ

それだけ頭がいいってことだよな

 

現れたのは一回り大きくなったアインハルトちゃん……一言で表そう、エロい

 

(盛り過ぎだろ、あれ……格闘型であれって男子にとっては眼福以外何ものでもねーぞ)

 

「覇王流、アインハルト・ストラトス」

 

女性にしか使えない戦闘兵器を思い出した俺は悪くない

あとなんだかんだ言って目が行ったのは最初だけで今は平常心、だってフェイトのと比べたら……ねぇ?

いや、負けず劣らずなんだけど

 

「参ります!!」

 

「っ!?」

 

ちょっ、これって!?

 

「覇王」

 

「嘘だろ!?」

 

「断空拳!!」

 

ほぼ垂直に、恐らく常人ならば何をされたのかも分からないほどの早さで放たれた必殺の一撃

相手の実力を測るにはまず自分の一番の大技を当てるべき、聞いた事はあるけど……まさかガチでやってくる奴がいたとわよ!!

 

それを俺は、己の直感を使い右腕で受け止めた

いや、受け止めながら受け流した、受け止めているが力を分散させた……といった感じに

原理とか何やらは本人自身が聞きたい

 

「よっ」

 

「くっ」

 

足を弾く

彼女の体が前のめりに倒れ始める、こちらからは全く力は加えていない、ただ自然に、断空の踏み込みによって前に……いかないんだよなぁ、これが

 

「はぁっ!!」

 

足を力強く、前に出す

倒れていた体を戻す勢いを使い、そのまま……アッパー!!

 

「ぐおっ」

 

大きく上半身を反らす

叩き落される前に、離脱!!

大きく後ろに飛ぶ、これ、ホントに十代前半の女子か?

色々な意味で怖いんだが

 

向こうも向こうで一度後退

んー、凄い、いや素直に

俺は『皇帝特権』なるチートがあるおかげで動けてるがあの年であんなに動けない、てか動くなんて無理じゃね?

魔法無し文化で格闘技したら全国でもトップレベルだろうな、それほどまでに洗練された……努力の結晶

多分だけどSt.ヒルデでも学年一位二位ぐらいにはいるだろ、優等生だな

 

ホントに凄い……尊敬する

 

でも……俺の知り合い?にはもっと速くて、もっと攻撃が重たい筋肉馬鹿がいる

あいつと比べたら駄目なんだろうが、まだマシだ

 

それでも十分間、バリアジャケット無しでよけ続けるのは難しいかも、ヒヤヒヤするし

 

………よし

 

向こうが動く、今度は体制を小さくして、先ほど程スピードは無いがその分慎重

ジョブのような攻撃、一発一発が細かい

それを平手で外に弾く、それの繰り返し

最初の様な決定打はない、これではジリ貧

だからこそ……あえて『隙をつくった』

ほんの一瞬、素人ならば見極めきれない瞬間

それをアインハルトは見逃さない、その一瞬に気づき……右での大きなストレート

 

この子、恐らく本物の『強者』と戦ったことは少ないんだろう

今のスキ、シグナムならば『意図的に作りだされた罠』だと見破って打ち込んでは来なかっただろう

経験の差、覇王の記憶を受け継いでいるとはしても、それは記憶の他にはならない、リアルと知識はまた違う

 

意図的に自分で作り出した罠だ、放たれた拳を容易に避ける

 

右腕を掴み……思い切り引く

そしてそのまま……

 

「あっ!?」

 

「よっと」

 

投げ、地面に伏せさせる

顔面スレスレ、当たるか当たらないかぐらいの距離まで放った手刀……うん

 

「俺の、勝ちだな」

 

「グッ、まだ、です」

 

起き上がろうとした彼女の肩を押さえつける

ったく

 

「この体制から逃れる術はあるの?この手刀、リアルで振り下ろされてたら命もう無いんだよ?」

 

「…………」

 

命やら何やらはこの子にとっては人一倍説得力がある

戦地でなら見逃されているものだからな、今の状況は

 

「…………私の、負けです」

 

「よろしい」

 

悔しそうに呟く

痛みは無い様に頑張ったんだけど………大丈夫か?

バリアジャケットもあるが、一応軽く検査しとくか、女の子に怪我とか負わしてたら洒落になんないし

 

彼女の肩から手を離そうとした瞬間……ドサッと、何かが落ちる音がした

 

………買い物袋、というかビニール袋

落とした主は見慣れた顔、てか同じ家の住人

 

「あ、おかえり、フェイト」

 

そう言えば俺も帰宅途中だったんだよな、ここも帰り道にある公園だし

なのはが早いのは聞いていたがフェイトも早く終わったのか?

 

それはそうと……何故そんなに震えてる

 

「え、あ、な、何してるの?」

 

「なにしてるって」

 

手合わせだけど、でもって今終わった所だけど?

 

………まて、少し落ち着け、今の体制、大人モードのアインハルトは地面に上を向いて倒れていて……俺はその肩を地面に押さえつけている

当然手刀と押さえつける為にしゃがんで馬乗りになって……馬乗りになって?

 

………これ、客観的に見たら俺がアインハルト(大人モード)を押し倒して押さえつけてるみたいな事にならないか?

 

「あの……そろそろ離していただけると助かるのですが」

 

「え、あ、わ、悪い」

 

バッと手を離す、パッパッと砂を払うアインハルト……

 

「あ、ケントって、そういう子が趣味だったんだ……ご、ごめんね?邪魔しちゃって」

 

「いや、フェイト!?」

 

「わ、私先に帰っとくね、じゃ、じゃあ後でね」

 

「ちょっ、誤解、誤解だって!!」

 

 

あーもう、なんでこうなるのかな!!

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。