リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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ネタが思い浮かばなかったので短いです


正直めんどくさい

そこは、どこなのだろうか

 

 

『赤い世界』

 

 

誰もいない

 

自分だけ

 

 

『黒い世界』

 

 

多くの涙があった

 

多くの絶望があった

 

それでもやめなかった

 

 

『白い世界』

 

 

繰り返された誤ち

 

なんにもない

 

全てが消えた

 

 

もう涙など枯れ果てた

 

声など枯れ果てた

 

どうしよもない世界

 

そこ中を、一人、歩く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寝覚め悪りぃ」

 

朝っぱらから何だよ一体

 

 

 

 

 

 

「あ、遅かったね、ケント」

 

「ん、ああ」

 

まだ覚醒しきってない頭

時計を見ればもう十時、いつもなら七時くらいに起きる俺にとっては結構遅い方だろう

髪はボサボサ、手入れするのはめんどくさいが切ると言ったら皆から反対されるので頑張っている。

声をかけてくれたフェイトは黒色の服にエプロン姿、相変わらず可愛いのは言うまでもない

 

今日は……休みだったか?

なのはは局に、ヴィヴィオは学校に、ネリアはコルテットに、二人だけか

フェイトがトーストを焼いてくれている様なのでお言葉に甘えて作ってもらう

冷蔵庫の中から牛乳、今でも背は伸ばす為に日々奮闘中

ふわぁとあくびを一つ、椅子に座ってボーと待つ………

 

で、目の前には我が物顔で新聞を開き、湯気を立てるコーヒーを飲む見知った顔……うん

 

「仕事しろ」

 

「君にだけは言われたくない」

 

それを言われると酷く傷つく

紐じゃないし

 

「休みか?んじゃ家族サービスしろ、子供と遊んでやれ」

 

「長期休暇だ」

 

「へぇ」

 

だからってここに来る余裕があるんだ

………何しに来た

 

「妹の顔を見に来た以外に理由なんてあるかい?」

 

「シスコン」

 

「それとこれとはまた別だ」

 

別なんだ、あ~、まだ覚醒しきってないから話が続かねぇ

 

「それにエイミィも来てる、心配しなくていい」

 

「俺が寝ている間に何があった」

 

「サプライズの方がいいだろ?」

 

いや、一応連絡してくれると助かった

 

「知らなかったのはケントだけだよ」

 

「教えてくれよフェイト……無茶苦茶パジャマなんだけど」

 

ライオン柄の

 

「お兄ちゃんだから大丈夫だよ、髪ボサボサだね、後でといてあげようか?」

 

「いいのか?」

 

「ケントの髪綺麗だもんね」

 

お前には負ける、断る理由など毛ほどもないので素直に頼む

ああ、癒される

さて………

 

「クロノ、ガチで何しに来た?」

 

「……………まぁ後でだ、事件関連とかじゃないから安心してくれ」

 

そうなんだ

 

目の前のトーストにかぶりつく、可愛い、エプロンのフェイトが可愛い

 

「…………後で一戦交えるか?」

 

どうしてそうなる

 

 

 

 

 

 

 

 

「本局の警備システムの全面的な改良?」

 

「ああ、本局の防衛システム、警備システム、サーバーから全てを取り替えるっていう意見があってね、二三年でしてもらいたいんだけど……出来るか?」

 

商談かよ

髪をといてもらいながら話を聞く、むっちゃ気持ちいい

あれだな、フェイトは自分の髪やヴィヴィオの髪もといてるからな、俺くらいの長さなら手馴れたもんか

にしても本局全てのシステムを取っ替えとか、大きく出たよな

予算とか半端ないぞ

てかそういう話はネリアやら他の上層部に頼んで欲しいところだ

 

「JS事件の事を振り返って今のままでは駄目だって意見が局内でも多いんだ、だから全面的な一斉改装

ああ、コルテットの方には局から話は通すんだけど、僕がここに来た理由はこれを踏まえて君個人への頼みだ」

 

なんだよ、改装の為の金でも稼いで欲しいのか?

そんな事はないと思うけど、で、頼みとは

 

「それに伴うメインサーバーの防衛プログラムを、君に組んでほしいと思ってね」

 

「はぁ?」

 

本局のメインサーバーを俺が?

ちょい待て、その道にはその道のプロがいてだな、中途半端に一流になれる俺なんかが作っていい物じゃねーぞ

 

「確かにそうだ、ただあくまでもコルテットは民間の会社に過ぎないからね、技術は最高レベルなんだけどそっちに常に鍵を持たれている……といった状況を作りたくないんだ。

でも局内にコルテットの技術に合ったサーバーを作れる人間はいない、いるとしたら少将の……君だけだ」

 

「少将にそんな事をやらせようとする局もどうにかしてるぞ」

 

一応将官なんだからさ

 

「ちなみに僕の推薦でもある」

 

「ちょっと表出ろ」

 

フェイトが終わったら

 

「しょうがないだろ、一番信用出来る技術者が君ぐらいしかいないんだ」

 

「いや可笑しい、何若干二十代の若者にそんな大役押し付けちゃってんの?」

 

正直めんどくさいし

 

「めんどくさいだけだろ」

 

大当たり

 

「まぁ、ホントに嫌なら無理して頼むつもりもない、いきなりの話だからゆっくり考えてほしい」

 

「はぁ、まぁ考えとくよ」

 

俺一人の問題でもなくなったからな~、うーん

 

「はい、出来たよケント」

 

「ありがと、助かった」

 

「いえいえ、どういたしまして」

 

フェイトも聞いていたけど、良かったのか?

 

「ん?別に大丈夫だが」

 

「あ、ああ」

 

まぁ、いいのか?

 

「そういやエイミィさんは?来てるって言ってたけど」

 

「なのは達と一緒に買い物行ったよ、ヴィヴィオも今日はお休みだし」

 

あれ?そうだっけ?

………今日は祝日か

 

「……………さて、僕は少し散歩でもしてくるか」

 

「は?なんでいきなり」

 

「なに、少し空気を読んだだけだよ、すまなかったな」

 

何が

 

「あとケント、僕は君ならOKを出そう、母さんも絶対反対しない」

 

「は?」

 

だから何が

 

「そうだな、今からエイミィ達と合流するのも悪くないか……暫く帰って来ないから安心してくれ」

 

「えっと、お兄ちゃん?」

 

いやだから………

 

「勿論、OKの条件はケントがそれだけの『結果』を出してくれたらだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノに何時の間にか俺の気持ちが知られてしまっている……あれかな、なんか親友に弱みを握られた感じ

さっきからフェイトは動かないし……そろそろエプロン取ったらどうだ?パジャマな俺が言えた事じゃないけど

 

「はうはう……はぅ」

 

可愛い、異論は認めん

 

いつまでもパジャマはどうかと思うので着替える為に立ち上がる、軽い服装でいいか

にしてもライオン柄、いいよな、なんというか……ついこの前本能で買ってしまったが

 

「ケ、ケント!!」

 

「ん?」

 

肩を掴まれる

お、さっきの状態から元に戻ったか

 

「さっきの話、受けよう!!ケントなら出来るよ!!」

 

「え、いきなり」

 

「大丈夫!!私も手伝うよ!!マッサージとか耳かきとか、私に出来るお手伝いだったら何でもするよ!!」

 

ちょっ、なんでいきなりそんな真剣に

あとマッサージも耳かきもして下さい、無茶苦茶して欲しいです

 

「ね、みんなの為に頑張ろう!!」

 

「え、あ、ああ、うん」

 

凄い剣幕、顔近い

………綺麗な目してんな

てかそんなに言われたら断れない

 

「うんうん、一緒に頑張ろ!!」

 

「あ、はい」

 

なんだかんだで作る事に

早くて二年か、めんどくさそう

 

「んじゃマッサージお願いしようかな」

 

「はうっ!!」

 

いや、やってくれるって言ったじゃん

 

 




ちなみにクロノが理解したのはケントではなくフェイトの方です。
ケントが起きて来る前に話をしていたら勘付いたという感じです。


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