リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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悩み

 

 

 

「手合わせ?」

 

「そうそう、ケントさんにも見てもらいたいと思って!!」

 

フリルのついたミニスカートにフェイトと同じ様な金髪、赤と緑のオッドアイ少女、ヴィヴィオが手を広げてアピールしてくる

 

学校から帰って来てなんだと思ったらいきなり「手合わせしてほしい」だ、お前は覇王っ子と同じか聖王っ子

 

あと決してケント『パパ』ではない、ここ数年一緒に暮らしているがStsの時に多く接触してなかった事もあって今でも俺はケントさん

 

「いきなりどうした、それに軽い手合わせぐらいだったらいつでもしてやるぞ、なんなら今から夕飯までに一度するか?」

 

「本格的にしたいからいつもの公民館で!!」

 

…………ヴィヴィオの目的が見えて来た

 

「めんどくさい」

 

「お願ーい!!」

 

だって公民館とかだったらアイツらもいるんだろ?

なのはとかフェイトはもう綺麗サッパリ許してるが俺としては好きになれないからな

 

「そうじゃなきゃ手合わせは無し、もうすぐご飯だから手、洗っとけよ」

 

「ブーブー」

 

文句言っても意味ないぞ

 

それはともかく、今回のヴィヴィオの目的は十中八九俺と戦闘機人、つまりはナカジマ家の人々との仲を良くする事だろう

 

JS事件の後、比較的に捜査に協力的な人間と捜査に協力的でない人間、半々に別れた

大概の奴らは捜査に協力、事件の中心人物がスカリエッティである事と彼女達が『娘』である事から『不本意での犯行』だとしてフェイト達の尽力、また管理局の人手不足などの理由もあり僅かな日数の服役で釈放、今ではナカジマ家に養子に引き取られた者、聖王教会で働く者など様々だ

勿論、釈放時に俺らのところにもキチンとした謝罪は来た、ヴィヴィオの件、コルテット襲撃の件、キチンと、丁寧に

彼女達に罪は無いのは分かっている。作られた存在である彼女達に親へ反対する権利などはない

彼女達が持つスキルによって管理局、全管理世界の益になるのも分かる……ただ、罪を犯した事は事実だ

実験動物とされた人、大怪我を負った人

大切な物を失った人、事件によって破産した人

人生を狂わされた人は多い、ゼストやサンドロス、ナカジマ家だってそうだ

 

物を壊し、傷つけ、殺した

彼女達の中にはそれら全てをした奴だっている。

俺も一度大怪我を負わされたしたった一人の家族であるネリアも危なかった

 

それらを踏まえて『故意では無い為』や『管理局が人手不足な為』で納得する人間は少ない

 

残念な事ながら、俺という存在はそこまで出来上がった人間ではない、スバルやギンガの様に、母親を殺した人間を妹として迎えたりするような事など言語道断に近い

 

子供の様な思想かもしれない、俺以上に大怪我を負ったなのはも許しているし、俺以上に酷い目に合わされたヴィヴィオさえも平気

彼女達に悩まされ続けたはやてだって、同じく悲しい思いをしたフェイトだって

 

怒りでもない、悲しみでもない………言うなれば『嫌悪』

 

彼女達のした事はもう終わった事だ、もう今後一切関係ない

害を与えられる心配もないし今ではヴィヴィオのお姉さん的な立場にもある。

 

それでも、馴れ合いたくない

 

彼女達と話していると自分でも言葉が冷たいのが分かる、無意識に、自然に

 

本当につくづく、自分は小さな人間だ。

 

彼女達もそんな俺には近寄り難いらしく、ヴィヴィオが家に連れて来たりしても話す事は殆どない

 

そんな事を俺はしておいて、一体彼女達に何をしてほしいのだろうか

被害を受けた全ての人々への償い?今以上の謝罪?

いや、そんな事は無理だ、不可能だ

それに、それをしたからと言って何も解決しない

その先にあるのは、一生石を投げ続けられる彼女達のみ

 

何が問題か、やはり今だにこんな感情を持ち続けている俺自身の問題なんだ

子供みたいに駄々をこねているだけの自分をどこかで変えなければいけない、分かっている筈なのにな……

 

「ご飯出来たよ~」

 

「ん、今行く、早く鞄とか置いてこい」

 

「は~い」

 

渋々自室に帰るヴィヴィオ

ごめんな、気持ちの整理はまだつきそうにない

 

食卓につく、今日の当番はなのはなので彼女の手料理だ

ハヤシライス、やっぱり日本人、ミッドじゃこれはないぞ

この家に来てからこうしたなつかしい料理を結構味わえる。どちらかというとミッドの食文化は日本よりも下だからな

 

「今日はフェイトいないのか?」

 

「うん、少しの間局で泊まるんだって」

 

となると仕事ヤバイのか、出来るだけ帰って来れるようにはしているっぽいが時々泊りがけがあるからな……こっちから会いに行ってみるか?

 

「いい匂い!!」

 

「おかわり一杯あるからドンドン食べてね~」

 

ヴィヴィオが食卓につき三人で食べる

やっぱりおいしい、なのはもフェイトもはやても、みんな料理上手だからな

 

食が進む、ちなみに俺のコップには牛乳

日々努力あるのみ

 

「ケント君、ヴィヴィオ、いいお知らせがあります」

 

「いいお知らせ?」

 

「なになに!!」

 

食べている途中になのはが話しをしてくる

いいお知らせ?

 

「フェイトママやはやてちゃん達、色々な人と企画してるんだけどね?ルーテシアちゃんのいる世界、カルナージて知ってるよね?」

 

「うんうん」

 

………何となく察しがついた

そういやあれって原作の前にもしてるんだよな、すっかり忘れてた

 

「そこでママ達考えました!!みんなで一緒にそこで旅行やトレーニングが出来たらいいなって!!」

 

そういや前回にははやて達もいるとかも言ってたな、壮絶なる人数になるんじゃねーか?

 

「題して、『春の大自然旅行ツアー&ルーテシアもいっしょにみんなでオフトレーニング!!』」

 

「いえーい!!」

 

「題名長くね?」

 

足踏まれた、痛いです

 

「時期はヴィヴィオのテストが終わってからにしようかと思ってるんだ。お友達も誘っていいよ」

 

「うん、コロナ誘ってみるね!!」

 

そういやこの時期リオとは友達になってなかったんだっけか?

うわっ、ホントに凄まじい人数

 

「ケント君はネリアちゃんと……あと、あの子、ホラ、この前来てた子」

 

………えっ、マジで?

 

「えっと、アインハルトちゃん!!彼女も誘ってあげてほしいな!!」

 

あの、なのはさん……まだ原作一年前なのですが?

 




なのは、フェイト、ヴィヴィオ、ケント、ネリア、はやて、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、リイン、アギト、スバル、ティアナ、エリオ、キャロ、ノーヴェ、アインハルト、コロナ、ルーテシア、かなりの人数になりそうですね

あと本編、この頃凄く短いorz

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