リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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この頃ホントに一話が短い、なんとかしなければ……




参加の方向で

「と言うわけで一応誘っておいた、来るかこないかは自由だ」

 

「凄く、唐突ですね」

 

バシッ、と言う音が体育館の中に響き渡る

彼女が拳を引く……来るか?

 

「覇王」

 

「まだ甘い」

 

「えっ、キャッ!?」

 

足をかけた事によって体の重心が大きく傾き、そのまま尻餅

まだ未完成って事か、技を出す前のモーションが大き過ぎる為に残念ながらそれ相応の手練れにはその隙を瞬時につかれてしまう

そうだな、なのはならば今の一瞬でバインド仕掛けて砲撃でドーンみたいな?

 

「ま、まだまだ」

 

「そう言ってかれこれ三十分、近距離の戦闘ならビックリするくらい長い時間だ、今日はここまで」

 

「うっ、はい」

 

しぶしぶと言った感じ

体から流れ出る汗をタオルで拭く、となりで休む彼女に向かってスポドリを投げ渡す

いや、小学生で三十分の近距離戦闘は凄えよ、それで物足りないって言うんだからこの子は……

それでもぶっ続け三十分はかなり堪えたらしく荒い息をして体を落ち着かせる彼女、取り敢えず汗拭け

 

「さっきの話はまぁ、ゆっくり考えればいい、突然だし周りは有名人だらけで緊張するかもしんないし」

 

「はい、確かに嬉しいお誘いなのですが、私が求めている『強さ』は見つかりそうにないので」

 

うん、俺も知らん

結局何が欲しいんだろうね、この子

そんな事はどうでもいいか

 

俺が今彼女、アインハルトに話しているのはなのはが企画したカルナージでのオフトレの話

 

いや、だって誘わない理由はないからな、なのは達に『原作~』とか言っても通じないし俺が露骨に嫌がったりでもしたら理由を問い詰められるだろうしまぁ問題ないだろ、うん、変な方向に進むわけじゃねぇ

 

「ケントさんはそこに行くのですか?」

 

「そりゃ行くよ、行かない理由がないだろ?」

 

なのは達に嫌われていたら行けないと思うが

………嫌われてないよな?

 

「お前に対するメリットといえば、そうだな、経験が詰めるって事と本当に強い人達と戦えるって事か?お前が足りない物は圧倒的に経験だからな」

 

「経験不足?」

 

うん

 

「俺の予想だけどお前、同じ学年に競い合えるライバル~、的な奴いねぇだろ?多分実戦なら学年トップ、だからこそ俺に戦いを挑んで来た」

 

「はい、こう言ってしまっては失礼なのですが、皆さん弱くて」

 

そりゃそうだ

 

「で、今回参加する奴らはオーバーSや現役の教導官や執務官、今では珍しい古代ベルカ式に融合機だっている。

その中に混じれる機会なんて一生に一度もねーぞ、普通なら金取るレベルだ」

 

これはガチ、あのレベルの人間にもなれば自分達の特訓を見せたり加わらせたりするだけで金が取れる。俺はそんな事する気一切無いが

 

「古代ベルカ式?」

 

「ああ、本物の騎士、中々お目にかかれないレベルの人間ばかりだ」

 

そういやシグナム達の事に関しては引き継いでるのかな?記憶

 

「……少し、考えてみます」

 

「ん、それがいい」

 

無理して来いとも言わないしな

それでも、彼女にとっては広い世界を一度見た方がいいと思うが

 

「見つけた」

 

「ん?」

 

振り向くとフェイト……仕事は休みか?

 

「家でやらなきゃいけない仕事はあるんだけどね、急ぎでもないし会いに来て見たんだ」

 

なるへそ

 

「久しぶりだね、アインハルト」

 

「えっと、お久しぶりです」

 

ぺこりと頭を下げるアインハルト

ちょっとオドオドしてるな、一度会っただけのフェイトだから名前忘れてるんだろう

 

「どう?訓練は順調?」

 

「ぼちぼちかな、いい筋行ってるけどまだまだ発展途上」

 

決して体格やら何やらではない

アインハルトは発展したら凄いからね

 

「それにしてもよくここだって分かったな、学校内も広いのに」

 

「場所は何度かケントと一緒に来てるから覚えたよ、それにいるとしたら大体体育館だしね」

 

なるほどなるほど、初等科中等科まで通ってて学校内覚えられなかったカリムに是非聞かせたいものだ

シャッハからまだ教会内でも迷子たななると聞いてるし、方向音痴は治らないだろうな

 

「それで、あの子達は?」

 

「自らの恋に全てをかけた者の末路」

 

指差した方向にはグッタリしている男子諸君約三十人、まだ諦めてない奴や俺の弱点を探ろうと何やらメモする奴など………大半の目がフェイトに行っているのだが

 

「えっと、人気者……なのかな?」

 

「それとこれとはまた違うと思う」

 

少なくとも倒すべき宿敵じゃねーか?

 

「それで、アインハルトにあの話したの?ヴィヴィオに紹介すると喜ぶとおもうんだけどな」

 

「ヴィヴィオ?」

 

アインハルトがヴィヴィオに興味を持った

 

「うん、アインハルトの後輩で私達の子供、ストライクアーツをやり始めたから同じ格闘者同士気が合うんじゃないかな?」

 

「ストライクアーツ……ですか」

 

アインハルトの中でストライクアーツってどんな感じに写ってるのかな

彼女としては覇王流、カイザーアーツが全てだしストライクは趣味でやってる人が殆どだから恐らくいいようには思っていないのかもしれない

 

「えっと、それにお子さんですか?そんなに若いのに……ケントさんとの間に?」

 

「えっ、ち、違うよ!!ヴィヴィオはその、ちょっとした事情があってだね、ケ、ケントとの子供じゃないよ!!」

 

「は、はぁ?」

 

俺もフェイトも二十一だから……ヴィヴィオを産んだ事になれば十一か……今思うと知らない人にとってはかなり複雑な家族構成だよな

あと俺はパパじゃない

 

「そ、それでどうするの!?アインハルトもオフトレ行く?」

 

「少し考えさせてくれだとさ、まぁ知らない人間ばかりだしいきなりだからしゃーない、時間はまだあるしゆっくり決めさせたらいいだろ」

 

そっかと言ってにっこりするフェイト

なんだかなぁ、やっぱりフェイトって『癒されオーラ』的な何かが常時出てるよな……近くにいるだけで癒されるし

 

「シグナムも言ってたよ、覇王流とは珍しい、是非拝見させてもらいたい~て」

 

「シグナムは分からんがザフィーなら頼めば指導とかしてくれるんじゃないか?同じ古代ベルカ同士だからアインハルトの型とかも壊さず指導できるだろうし」

 

犬だけどやる時はやるのです

 

「シグナムって……本局のあの?」

 

「知ってるの、シグナムの事?」

 

「はい、管理局では珍しい古代ベルカの実力者だと」

 

そりゃあ有名人だからな、機動六課関連で名前も売れてるし

 

「そのシグナムに並ぶ実力者が他にもいっぱい来る、さっき言ったザフィーラって奴は古代ベルカ式の打撃系だし」

 

「名前は、最近聞いた事があるような……ないような」

 

てかフェイトの名前をよく覚えてない時点で多分社会の動きとか有名人とかにはあまり興味はないんだろうね

ずっと特訓、凄い学生時代を過ごしそうだ

 

「えっと……」

 

「フェイトだよ」

 

「フェイトさんも、強いのですか?」

 

言わないけど本気出したら今のお前が触れない程に強い

多分模擬戦ではリミッターがつくんだけどさ、ソニックとかついていけないし……ほぼ直感頼り高速転移で頑張るしかない

んでもって一番厄介なのが目の置き場が無い事かな

 

「ケント程じゃないけどね、シグナムとはよく模擬戦してるかな?」

 

「………………」

 

新鮮な感じなんだろうな、こういった『強い人』が身近にいる事が

 

「ケントさん、あの……トレーニング、参加の方向でも大丈夫でしょうか?」

 

「逆に俺がここで断る理由が全くないが?」

 

フェイトも嬉しそうだしな、ここで断ればただの鬼

 

「日にちとか時間とかはこっちで教えるから、いい経験になるさ」

 

「なのはにも報告だね」

 

さて、一年早いがなんとかなるだろ

 

 


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