EXTRA CCC『ニ周』クリアしました~
いや~長かった、何故ニ周なのかは持ってる人はわかりますよね?
ちなみにセイバーです、可愛すぎて萌え死にしそうになった
一周目のエンディングは涙がでそうになりましたね、良かったな~主人公、良かったな~セイバー
三周目はようやくギル様に挑戦です、説明から『チート』と書かれている英雄王、公式チートって……
ネタバレはしないですが……男性マスター陣、みんなかっこよすぎてビックリだ
車が欲しいと女は言った
宝石が欲しいと女は言った
買って欲しいと父にせがむ
「前に違うの買っただろ」と父は言う
「お父さんなんて大嫌い」と女は泣く
『悲しい』
娘に嫌われるのは嫌だから
父は慌てて財布を取り出す
女はようやく笑顔になる
『嬉しい』
今日は食べるものがない
生きていく為のお金がない
腹は鳴り空腹で倒れそうだ
『悲しい』
死にかけている所に一切れのパン
他の国からの保護団体
久々にする人並みの食事
『嬉しい』
同じ言葉、同じ意味
なのにどうしてこうなった?
雨が降り出した
ガラス越しに見える景色
はて、今日は雨なんて予報だっただろうか
まぁそんな事はどうでもいいと割り切る、晴れとか雨とか関係ない事だ
何人ぐらいの人間が集まっただろう
この大きな部屋にいるのは自分合わせて二十人くらい
どいつもこいつもどこかで見た事がある顔ばかり、局の上層部の人間やら、大物の政治家やら
みんながみんな汚い大人達、自分がのし上がる事しか考えない、腐った闇
ただ、権力は持っている
「しかしまさか貴方からお声をかけて下さるとは思いませんでしたよ、当主の件然り局内での行動然り、権力や地位には無関心な方だと……」
「気の迷いだよ、納得出来ないのか?」
「いえいえ滅相も御座いません、私共も後ろ盾に大きな組織がいるというのは嬉しい限りでございますから」
ニヤニヤしているオヤジに対して「そうか」とだけ返答する
「約束通り私達は貴方を本局の中将に推薦しましょう。後はある程度の実績があれば文句なしなのですが」
「俺には皆無だからな、一週間あればそれも大丈夫だ。今も部下にテロ組織やら何やらを潰させて回ってる」
作用で御座いますか、などという声を無視してデスクに置かれていたコーヒーを飲む
「では、そちらのお約束は……」
「コルテットの後ろ盾ね、
俺が中将に上がり次第付けてやるよ、昇格やら何やらも俺が後ろ盾になってやる」
おお、と声が上がる
やる事は簡単だ、俺はこいつらから中将への昇格の推薦を貰い、俺はこいつらのバックアップをする
大企業コルテットの長男であり中将ともなれば局での権利も一位二位を争う、そんな人間の後ろ盾があるというのはこいつらにとっては魅力的なのだろう
どっちにしろ、俺にとっては『上がる』事が目的であって他は『もう無くなってるかもしれないが』
ガチャリと部屋のドアが開く
入ってきた少女を見て多くの人間が「ヒィ」と悲鳴をあげる
……また随分と血を浴びたものだ
「俺は拘束しろと言った筈だが?」
「しゃーねーじゃん、銃口向けられたんだぜ?殺される前に殺せが私の流儀だ」
そう言って担いでいた男を無造作に投げてくる……あぁ、生存者ね
「殺しちまったもんはしゃーねーしそいつの記憶改竄して局に引き渡せばいいだろ、ほら、仲間割れとか色々あるじゃん?」
「その前に結果報告はしろと言ったがその格好でこの場に入ってくる時点でおかしい事に気づけ」
「んなもん知らねぇよ、あ~、でもそうだな、改竄とか聞かれちゃいけない単語とかもあったし」
かチャリと、ここに集まった人間に対して銃口を向ける
…………。
「殺しとく?」
「やめろ」
冗談冗談と言って拳銃をしまう彼女
……ったく、まぁどうせこいつらの記憶を改竄しちまえばいい事なんだからな
「な、なぁ、ケント少将殿」
「なんだ?」
小太りの将官が震えた声でこちらを見つめてくる
……こういう実践経験の無い人間はただのコネで成り上がった成金だろう
「貴方は、一体何が目的なのですか?」
…………そう、だな
午前中に自分を殺して、周りが動くまえにこんな事をしている俺
世界が異変に気づく前に、『ケント・コルテット』として溶け込もうとしている俺
何が目的か、などと、最初から決まり切っている
「君も一端の局員だろ?じゃあ求める物は簡単だ」
ゆっくりと詰め寄る、俺の目的なんか簡単だ、一言で終わる
「世界平和」
声は、無意識に冷たくなっていた
息が荒い、心拍が激しい
土砂降りの雨の中、ただ一点を目指して走る
歩いている人は誰もいない、雨が目に入って前が見えない
ガラディーンに送られて来たログを頼りに……それでも前に前に
公園に入った所で足が止まった
見慣れた後ろ姿、金色の髪
大好きな人、大切な姉
ただ彼女は地面に崩れ落ち下を向いている
その長い髪は地面に落ちて泥が付き、なんの抵抗も見せない彼女には雨が延々と叩きつけられる
それでも……良かった
本格的に前が見えなくなって来た、雨が目に入ったのだろう。きっとそうだ
気付けば彼女を後ろから抱きしめていた、今姉の顔を見るのが怖いから、立ち直れない気がするから
ただ、それでも
「よかったよぉ、よかったよぉ」
これ以上失ってしまうのが怖くて、無くしてしまうのが怖くて
一番傷ついているのは姉のはずなのに、姉に頼ってしまう自分がいて
ガラディーンに兄からの連絡が入ったのは、雲行きが怪しくなり始めてすぐだった
題名も文章も無い全くの無題、入っていたのは映像データ
特にする事も無かったのでとりあえず再生して、後悔した
映像は簡略化してしまうと簡単だ、お兄様が死んだ
私達と全く同じ顔をした奴に、胸を刺されて死んだ
その事実さえも受け入れられなかったが、それと同等に自分を攻めた事がある
『分からなかった』
分からなかったのだ、確かにこのデータを送って来たのは私のお兄様、やられているのはお兄様
だから映像に映っているあいつが偽物なのだとも分かる
それでも、分からなかった
映像の中のお姉様は声を荒げている
お兄様は血を流している
分からなかったのだ、あいつと兄との違いが
外見も雰囲気も全く同じ、仕草も動きも声も
何が違うのか何処が違うのか、私には分からなかった
フラフラとその場に崩れ落ちた、あぁ
『自分はなんの為にここにいるのか』
あれだけの事をして貰いながら
あれだけの好きと公言しておきながら
あれだけ守ると言っておきながら
結局結果はこれだ
なにも守れてない
敵との違いさえも分からない
その事実がとてつもなく、途方もなくショックで
自分の存在意義を見失いかけた
結局その程度だったのだと、自分の覚悟は
お兄様が死んだ所で、映像は途切れていた
全部失ったかと思った、兄も、姉も
ならば自分がこの世界にいる必要もない、生きている価値もない
自分の命よりも大切な人だ、代わりというならばいくらでも命を差し出そう
ただその言葉にも力はない、だって覚悟はその程度だったのだから
死のうと思った消えようと思った、二人がいない世界に興味は無いしこの世界がどうなろうとも構わない
しかし、次に映し出されたのはクラナガンの地図
そこにある黄色のマーカー
それがなんなのか理解できたし、考えるよりも足が動いていた
もうこれ以上失いたくないから、こんな私でも何か出来る事があるかもしれないから
雨が降り出した中、力無い足を前へと向けた