リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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黄金劇場

 

「自分でやっといてなんだけど……こりゃすげぇ………」

 

「マジで出来たよ……まぶしっ!?」

 

「う、あ…………」

 

周りを見渡しながら呟いてみる

そこにあったのは正しく赤の宮殿、己の願望を叶える為に作られた黄金の劇場………

見ている物を圧倒させる、堂々とした、煌びやかな黄金劇場がそこにはあった………

 

「さて、過去の俺よ、感激するのはわかるがあれ、どうする?」

 

「うわっ、なにあれ!?」

 

この宮殿にいるのは俺ら二人とUーDだけなのだが……UーDさん最後に元気玉的な何かを作ってたじゃん?

あれがヤバイのよね、当たったら死ぬじゃなくて蒸発しそうな勢いだよね!?

 

「ちょっ、未来の俺なら何とか出来るだろ!?年上なんだし!!」

 

「いやいや、普通は出来ない、まぁ……この空間なら可能っぽいけど……」

 

へ、と俺が一瞬止まった瞬間勢いよく未来の俺が前に出る

その先にはあの魔力砲……ちょっ、魔力収束もしてないっぽいけど大丈夫か!?

 

「よっと……よいしょっ!!」

 

「なっ!?」

 

目を疑う

軽い手さばきで魔力砲を『解体』していく俺……は?

 

「あ~くっそ、頭痛ぇ……おらよ!!」

 

「おいおいガチかよ……」

 

最後の一声と共に魔力砲が完全版に『消滅』する……デュランダルを振り回しただけでどうやったらあんな感じになるんだよ……

 

「疑問そうに思ってるな、まぁ簡単だ、黄金劇場内のアドバンテージ、大体分かるか?」

 

「えっと……敵の弱体化とこちらの強化……だったか?」

 

「それと加えて勝者が決まらない限り出れないって言うのもあるけどな、俺が使ったのは自身を強化する能力、『皇帝特権』をEXからさらに強化して『主張』した」

 

「なんて?」

 

「直視の魔眼」

 

なるほど、黄金劇場で強化された皇帝特権で他作品のスキルを『主張』すればいいのか……無双じゃね?

えっ、だったら俺も……

 

「あっ、それと………」

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

こんな事も出来ちゃうわけ!!

 

バンッ、とその場を強く蹴ってUーDに急接近する

相変わらずスフィアを撃ってくるが……無駄無駄無駄無駄無駄!!

 

「元の居場所へ」

 

「うっ」

 

「帰還しやがれぇ!!」

 

アクセラさんのベクトルパンチ

いや、一度『最強』になるの夢だったんだよね、これ使えたらガチで敵いなくね?

 

 

……っと、思っていた時期が俺にもありました

 

「ちょっ、ガッ、ウガッ!!」

 

「……………」

 

「あ~、うん、ドンマイ」

 

顔面からすっ転んだ、痛ぇ

てか反射は?

なんで半分理性失ってるUーDから哀れな視線を受けないといけないんだよ、解せぬ

 

「さっき俺がした感じだと黄金劇場と皇帝特権使っても使えるのは数秒だな、やっぱ世界の修正力的な何かだろーな、それに今のスキルは俺たちが持つ正規の物じゃない、使い方も分からないし加減も不明、そのせいでいきなり『死の線』なんて見た俺は頭がヤバイ」

 

「さいですか」

 

まぁ、あのスピードで途中から特典が消えたんだ、そりゃあ顔面から転がるよな

それに演算なんかしたから頭痛い、なんだよ、頭痛持ちは生まれつきか?

 

「まぁふざけるのもいいけどよ……向こう」

 

「?」

 

「そろそろヤバイみたいだぜ?」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

UーDさん、ガチで真っ黒に染まってきましたね

うん、どうすればいいか……

 

「取り敢えず俺が突っ込む、お前は援護な!!」

 

「おいっ、ちょっと待て!!」

 

俺の静止も聞かずに前に飛び出す俺、あーもう!!

 

「さて、俺らのコンビプレイ、いっちょ見せてやりますか!!」

 

「コンビプレイって、合わせた事もないだろ!!」

 

そうこう言っている内に再び撃ち込んでくる暴力スフィア

それを全て破壊しつつ一気に距離を詰める、俺らは遠距離戦闘全くだからな、距離を詰めないと話にならん

 

「くっ、おらよっ!!」

 

未来の俺に向かって降りかぶられた翼の様な腕?をデュランダルで受け止める

クッソ重い、小柄な体が吹っ飛ばされる、何とか受け身には成功したけど……勝てるかこれ?

 

「って、いい勝負してんじゃねーか」

 

さっきまでの場所に目を移すとそこにはUーDの猛抗を全て剣の軌道に合わせて受け流す俺の姿

やっぱり未来と今じゃ違うな、俺も怠けていなかったって事か

 

「………さて」

 

それでもUーDに苦戦しているのは目に見えて分かる、流石は合法チート、このままじゃこっちがガス欠で確実に負ける

あいつに勝つには一撃、ドデカイのを食らわして暴走の原因となっているコアを破壊するのが一番

だけど俺らにはそのコアが分からない、ん、危険な賭けになるけど……大丈夫だろ

それに対して先ずはあいつの防御を突破することが先決、ゲームの時もそうだったがあいつは一定量のダメージを与えない限りはほぼ無敵、てかずっと防御状態を維持して攻撃してくるような奴だ

ならばその防御自体を破壊して……あいつがひるんでいる瞬間にデカイのを決めるしか方法はない

 

「エクス………」

 

デュランダルに魔力が収束する

これで突破出来るとは毛ほども思ってないけど……これだけの技、流石のUーDも防御に集中する……筈!!

 

「カリバァァァァァァ!!」

 

未来の俺がUーDの翼を弾いた瞬間に一気に飛ぶ

カウンターが間に合わないと察したのかUーDは防御魔法を展開、エクスカリバーと競り合いになり……こちらが弾かれる

だけど……

 

「破壊(クラッシュ)」

 

割り込んで来た未来の俺によって防御魔法は完全破壊、一瞬怯むUーDだが戻って来た翼の一つで未来の俺を上空に振り上げる

その間完全な無防備、そしてその無防備な時間を……少しでも長引かせる!!

 

「ストライク」

 

「っ!?」

 

「エア!!」

 

放たれた風の魔力によってその場には踏ん張るが翼は真後ろに、腕は体を守る為にこちらを見ていない

いや、上空を見ていない

 

「エクス」

 

「う、あっ」

 

「カリバァァァァァァ!!」

 

俺がすかさず下がった瞬間、上空から現れた黄金の一閃がUーDを真っ二つに切り裂く、いや、非殺傷だから本当に切り裂いてるわけじゃないけど

 

だが、それで倒れるなんて思っていない、ラスト、一発!!

 

強化された皇帝特権で『あるスキル』を最大まで上げる

デュランダルを肩に担ぎ、短かな距離を一気に詰める

 

これで……

 

 

「童女謳う(ラウス・セント)」

 

「あああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「華の帝政(クラウディウス)!!」

 

 

終わりだ!!

 

 

 


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