リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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別にいい

 

 

「ええっと……よかったのかい?ケント」

 

「なにがだ?」

 

目の前にある菓子をムシャムシャ食べてるとロッサが声をかけてくる

さっきまでいた襲撃犯達は普通に返した、局とかに連絡したらそのあとの事が怠いのでそのままにしたが……

クロノも一応理解してる様だし

 

「こんな言い方も悪いんだけど、『闇の書』と『コルテット』はなんの関係もないはずだ、なのに全ての賠償金を払うって……」

 

「そうや、あれは夜天の主の責任や、ケント君に迷惑かけたない」

 

確かに、闇の書とコルテットは全くなんの関係もない、コルテットがわざわざ金を出す必要はない

だが……

 

「あいつらもあいつらで苦労してる、それを助けるだけの力を俺は持っていた、それだけだよ」

 

「で、でもそれは私達がしていく事で」

 

「君に彼らを救えるだけの経済力はないだろう、これも何かの縁だ、やれるだけの事はしとくよ」

 

それに後からグダグダ言われるのも面倒くさい

俺にとってはあれぐらいは端金、減って何かあるわけでもない

 

「被害者に対する賠償はコルテットがやってやるよ、これで少しぐらい罪は軽くなるだろ」

 

「で、でも………」

 

「はぁ、そんなに遠慮しなくても……そうだな……じゃあもし、俺になんかあった時助けてくれ、これで貸し借りなしだ」

 

「え、あ、うん」

 

一生無いと思うけどな、仮にも原作キャラ、『助けてくれ』なんか適当な事言っとくと本気で信用して勝手に納得するからな

 

「はぁ、全く……気まぐれな奴だな」

 

「まぁな、そんな事より事件の内容、くわしく教えてもらおうか

謝礼金の提供者としてそれぐらいは知る権利はあるだろう?」

 

「ああ………そうだな……」

 

ぶっちゃけ内容は『原作知識』で把握しているのだが、俺が事件の内容をクロノに聞いた理由が二つある

 

一つ目、これは俺が来た事による原作改変

直接的には関わっていないがこの世界には『俺』というイレギュラーと『コルテット』という原作ではなかった大会社

世界に及ぼしている影響は大きい、未来などちょっとした事で変わってしまう

 

 

二つ目、これは《俺以外の転生者》について

俺はミッドスタート、もちろん、無印とA'sには全く介入していない

わからないのだ、海鳴の状況が

俺と同じ様に転生者がいるのか……いたとすれば必ず原作介入している筈だからな、特に俺の容姿がセイバーという事もあって相手からは簡単に俺が『転生者』だという事がバレるからな

同じ特典を持つ者どうし、情報が大きな鍵となる

 

………まあ結果から言うといなかった

 

転生者と思わしきレアスキルを持つ現地協力者は無し、あくまでも『高町なのは』

ふむ、という事はもしいるとしたらミッドか………これは十年後まで先送りか?

あと原作と少し違うところ……原作通りなのか?

ゲームのストーリーが出来る様にリインフォースがまだ生きてる、半年ぐらいの命らしいが………

マテリアルくるか?

 

 

「一応機密だから、内密に頼む」

 

「ネットで普通に流出してんだけどね」

 

「……………………。」

 

顔をそらすクロノ、まあ流出してるという事は機密でもなんでもないからね

 

「わかった、ならケント君が苦しい時は私が助けに行く、約束や」

 

「うん、よろしく頼む」

 

ヒロインってこういう所で律儀だよな……

まあ、はやても管理局入りする運命、気を許せる訳じゃないけどな

 

「また私の家族も連れてくるな、ちゃんとしたお礼も言いたいし」

 

「………わかった」

 

律儀すぎるのが難点か?

 

てか………

 

「なんでさっきからカリム、睨んでんだ?」

 

「睨んでなんかいません」

 

頬をプクーと膨らませていたカリムに純粋な質問を投げかける

なにか感に触る様な事したか?

金で解決したのがいけなかったか?これが一番手っ取り早い方法なんだが………

 

「フフ、あ、お茶のおかわりどうぞ」

 

「あ、ありがとう」

 

フゥ、さて、帰るか

さっきの事があるから長居は出来ないだろうし、爺が多分うるさいと思う

時間はそんなたってないがまた来ればいい、少し頑張れば聖王教会ぐらい来る事が出来るだろう

 

「もう帰るのかい?」

 

「ああ、楽しかったよ」

 

こうして何人かで集まるのは前世以来だ、まあ……前世では皆気の許せた友人達だったのだが………

 

「送っていこうかい?」

 

「いや、玄関に車が止まってると思うから」

 

コルテットから教会まで決して近くないしな、ロッサもしんどいだろう

 

「あっ、ちょっと待って」

 

「ん?」

 

俺が席を立つと同時にはやてが声をかけてくる

まだなんか用か?

微妙に目を泳がせてるし……そんなに言いづらい事か?

 

「えっと、その……プニプニさせてくれへん?」

 

「………………。」

 

 

 

プニプニさせてあげました

 


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