「好きだ!!我が妻となってくれ!!」
「えっ?」
周りが固まる
護衛についていたSP、はたまたメイドや騎士達まで
時間が止まってしまったのではないか?沈黙の時間が過ぎる………
「えっ、えっ………ちょっ、ちょっと待ちいや!!唐突過ぎるやろそれ!!」
「いや、我は本気だ!!このような美少女に会えた事はなんという奇跡か!!ここで妻とせずにいつ決める!!」
「いや、確かにケント君みたいなイケメンさんに告白されるなんて嬉しいで!!でもそれとこれとは話が別や!!前に会った時はこんな性格やったか!?」
「ケ、ケント!!少し落ち着け!!」
「そうだよケント!!本当にどうしたんだい!?」
ケントが彼女の手を握りながら必死に演説しているのだがそれをクロノとロッサが無理やり引き離す
周りはまだ固まっている、シャッハは苦笑い、カリムは頬をヒクつかせはやても少し引いている
「どうしたもこうしたもない!!目の前に美少女がいるのに何もしないというのが可笑しいではないか!!」
「だからって、それにその格好!!ロッサから連絡受けていたのだがこの数日間で何があった!?」
「む、お主も我を心配してくれるのか?フム、可愛い奴だ」
「だ~か~ら~!!」
クロノが頭をグシャグシャにかき回すのをロッサが止める
ケントの格好は相変わらずのゴスロリ半ケツ、これには教会騎士達も目を見開いて驚いていた、学校での評判は聖王教会にも聞こえてきている……成績優秀であるケントがまさかこんな人物像であるとは思っていなかったのだろう
「ま、まぁ座りましょう、ケントさんはお茶、どうします?」
「ム、茶か?我はサイダーという物を飲んで見たいのだが」
「サイダー……ですか?えっと、分かりました」
部屋を出て行くシャッハ……逃げたのだろう、彼女もケントがいるこのカオスな空間から一刻も早く抜け出したかったはずである
ロッサがケントを迎えに来て、教会についてすぐ
数日前に集まった部屋にロッサが案内した、そこまでの通路に置かれたあらゆる芸術品にケントが心を奪われ、買える物は全て言い値で買ったのは余談である
まあそんなこんなで歩いて一分ぐらいの部屋まで十分、ようやく部屋にたどり着き、中から皆が歓迎してくれたその時だ
ケントがはやての手を握り、『愛の告白』をしでかした
もちろん、ケントの性格を知っている者からすればケントがこんなに破天荒な性格ではない事ぐらい知っている、ただはやてはケントと知り合って数日、真っ正面から伝えられた言葉に動揺し、なんとかロッサとクロノがケントを押しとどめたのだが……まだ微かにはやての頬は赤い
人間意識してしまうも自然とそうなるものだ
「お主、スケッチを!!」
「はい!!」
近くのメイドに声をかけるとすぐにスケッチと絵の具をケントに渡す
というかコルテットのメイド達は皆常備している様なのだが……それ程までなのだろうか?
そして黙々と絵を書き始めるケント、邪魔はしない方がいいだろう
「クロノ、少し来てくれ、姉さんも…………ケント、少しみんなと話があるから部屋を出させてもらうよ」
「ウム、だがはやてはスケッチしているので駄目だぞ?」
「わかった」
ロッサがはやて以外の人間に声をかけて廊下へ出る
そして始まる相談会
「ロッサ、あのケントの変わり様ななんだ?連絡は受けていたとはいえ想像以上だぞ」
「なんだと聞かれても……僕が家に行った時はもうあんなだったからね、理由はよく………」
二人が腕を組んで考え込むが一向に原因はわからない
シスターシャッハも帰ってこないので、もう一人、カリムに意見を聞こうとして振り向いたのだが……。
「ね、姉………さん?」
「…………はい?どうかしましたか?」
笑顔で返すカリムだが……管理局最年少執務官と超エリート査察官が一瞬動けなくなった
カリムはそれ程までにドス黒いオーラを放出していた………スーパーサ○ヤ人びっくりのオーラだ………
「そうですね………一度頭を冷やしてもらった方がいいのではないでしょうか?」
「頭を冷やすって……具体的には?」
「S級指定のロストロギアを至近距離で爆発させるとか……アルカンシェルを使うとか………」
「「……………………(゜д゜lll)」」
最早人間相手にする事ではないだろう、それにカリムはこれを素で言っているので驚きだ、もし彼女にそんな権限があるのなら本気でやりそうである
「え、えっと……まあそれはおいといて、まずは原因を探らないとな」
「そ、そうだね、理由もなくあんな風にはならないだろうし」
取り合えず原因を探るという事で落ち着いた
しかし情報が少なすぎる、少なくとも彼らはケントの私生活や悩みを知っているわけではないのだから
「僕のスキルを使えば探れるとは思うけど……」
「そうなると色々とヤバイぞ、あれでもコルテットの一人息子、頭の中を覗いたなんて知れたらいくら僕でも庇いきれない、それに君自身、無闇に使いたくないんだろ?」
「まあね、それが親友となれば尚更だ」
再び考え込む二人、カリムはどこか上の空……と言った感じで使い物にならない、と、そこへ
「アホ毛が無かったですよね?」
「シスターシャッハ……何時の間に……ん?アホ毛?」
「はい、いつもあるじゃないですか」
どこからともなくシスターシャッハ登場、手にはどこから持って来たのか1.5リットルのサイダーが抱えられている
「確かに、今日はアホ毛が無かったな」
「もしかしたらあれが原因なんじゃ……」
「う~ん……アホ毛一本であそこまで変わるのかな?」
ロッサが首を捻らせるがぶっちゃけそれしか情報がないのだ
試す価値は……ある……
「だったらどうにかしてアホ毛を復活させよう、でも、どうやって………」
「僕に考えがあるんだが……クロノ、デュランダルは持って来てるかい?」
「ああ、ここにあるが………」
ポケットの中からカードの様な物を取り出すクロノ
ちなみにこれはケントのデュランダルとはまた違う、ケントのデュランダルは剣でクロノのデュランダルは杖、クロノのデュランダルも『超』高性能なのだがそれでもケントのデュランダルの方が良かったりもする
「……………出来るかい?」
「………やってみる」
小声で話し合った後、クロノがドアを少し開ける
そこにはやはり黙々と絵を書き続けるケント、はやてはと言うと未だ葺いている
周りに気づかれない様にクロノがデュランダルをドアの合間からケントに向け……
「エターナル……コフィン………」
小声で小さく呟く
するとどうだろう、ケントの『毛』が少しだけ凍りついた、いつもアホ毛になっている場所を同じ量だけ
毛は凍ってはいるがいつも通り堂々と佇む、完璧だ
そして……ケントの動きが止まる
何かプルプル震えているが……どうしたのだろうか?
「ケ、ケント?」
恐る恐るロッサが近づいて声をかける
それでもケントは下を向いてうつむいたまま……と、次の瞬間
「やっちまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
後にこれは『ケントの乱』として語り継がれるのは、また別の話