「マジか?」
『残念だか、大マジだ』
通信越しにうなだれる
こんにちは、ケントだ
いつも通り学校へ行き、いつも通り部屋でゴロゴロしてたら爺が俺を呼び出した
なんでも任務で出張中のクロノからだとか。……仕事中に連絡なんかしてくんなよと思いながら変わったのだが……そりゃ~連絡しないとおかしいわな
ところで話は変わるが、『時間移動』って知ってるか?
ほら、あの青たぬ………猫型ロボットが持ってた世界そのものを過去から改変してしまうようなあれ
前世ではろくに規制とかされていないあの道具に物凄い疑問を抱いたのだが……この際ほっておく
あれは二次元の世界、まあ今のこの世界も元は二次元なのだがそこまで技術者が進歩しているわけじゃない
ドアを開けると一瞬で移動したりしょっちゅう故障し、電池切れになった瞬間墜落するプロペラも開発されていない
なのに……だ、まさか、まさかの
「過去の俺……だと……」
『ああ、今はコッチで保護してるのだが……』
いや、あり得ん
大体今の時代で開発されていない時間移動の願念をなんで過去の俺は達成しちまったんだ?
てか過去の俺でも俺は俺だろ?
そんな事した記憶力ないんだが……そもそもそこまで頭良くないし……
『まあ過去の君の事は置いて置いて、過去の君が関わっているということは今の君はこの事件をすでに経験済みだと思うんだ、事件の一刻も早い解決の為に情報をくれないか?』
「えっと………」
クロノは俺が過去に経験しているので事件の内容を知っているつもりでいるが………出来ればちゃんと教えてくれたらな~とも思う
てかマジで記憶にねーぞ、あれか?タイムパラドックスか?
俺が経験していない過去を過去の俺は経験してる的な?
だが……時間移動って……なんか引っかかる
そんなイベントあった様な無かった様な……なんか原作知識がだいぶ抜け落ちてるな、それはそれでしょうがないか
「えっと……一応事件の詳細を教えてくれないか?」
『ん?あ、ああ、わかった』
向こうは少し怪訝な顔をしたがわかってくれたらしい
懇切丁寧に説明をするクロノ……うん、そんなイベントあったね、すっかり忘れてたよ
あれってゲーム第二弾だからね~、リリなのの事件でも危険度上位に入るあれ
下手すれば全員死んじゃうし……どうしてそんなものに関わった、過去の俺よ………
「あ~、悪いがクロノ、その事件に関する記憶は全くない」
『記憶が、ないだと?』
深く考え込むクロノだが……まぁ、あれだね
「ただ夢みたいにフワーとした感覚はあるから……多分第三者によって消されたんだと思う、タイムパラドックスってあるだろ?」
『今の技術で特定の記憶だけを消す技術は
無いんだが……彼女達なら可能か……なるほど、確かに頷ける』
流石最年少執務官、理解が早い
ああ、クロノに説明された向こうの状況を簡単に説明しよう
まずはマテリアル達が出現、偽物や異世界からの渡航者が出現、ピンク色の切嗣……じゃなくてキリエと王様によって砕け得ぬ闇、『UーD』が現れて暴走
確か『ユーリ』って名前だったよな、なのは原作キャラの中でも俺好みだったのはよく覚えている
原作では確か……全員出撃の実質的リンチで元に戻ったはずだけど……今回は『俺』というイレギュラーがいるからな~
クロノが言うにはまだ六歳だって言うし……まだ魔法に触れて数ヶ月だろ?
う~ん、ユーリと決戦になったら即負けるな、皇帝特権使っても精々足止めが精一杯だろ
『そうか……ありがとう、情報提供感謝する』
「ああ、それとそっちの俺とちょっと話をさせてくれないか?
盗聴とかは社会問題になるからやめろよ」
『僕もそこまで馬鹿じゃないよ、盗聴なんかしないから安心してくれ』
そう言って一度通信を切るクロノ
こういう時だけ便利だよな、コルテット
まぁ、俺は自分の目で見ないとマジでは信じないからな、直接会うまでは………
「マジかよ…………」
『それはこっちが言いたい、マジかよ……』
……イケメンだね、六歳なのにイケメンだ
てかマジかよ、少しぐらい現実逃避の時間ぐらいくれよ
てかマジでか………
「まさか俺がGODに介入してるとはな……原作に介入してなかった分こっちで介入してたか……」
『あ、やっぱり今回の事は記憶に無いんだ、まあ最後にはみんな記憶消したからな、タイムパラドックス防ぐ為に………』
「いや、なんとな~く覚えているぞ、夢みたいな感覚だけど……」
ほんとフワーとだけどな
『そうなのか………てかそんな事より!!』
いきなり大声を出して来た俺、なりふり構わずとかちょっと引く
で、なんでそんなに興奮してるんだ?
『はやてとクロノ、二人に面識があんだって!!やったな俺!!ついに友達ゲットじゃねーか!!』
「友達……か………そうだったらいいのにな………」
まあ、本当にそうだったら嬉しいんだが……信用は……していない、だって……
「クロノもはやても……俺を友達だと見てくれてんのかな……管理局の回し者とかじゃ無いよな」
『管理局の……回し者?』
「ああ、この頃許嫁候補とかに管理局で将来が期待されてる奴とがが増えてきてな………それにコルテットの技術を盗もうとして俺に近づいてくる奴もいるし………はやてと喋ってたらカリムが不機嫌になるし……」
そう、『友達』という言葉は俺にとって毒でしかない
その言葉で俺を騙し、その言葉で俺に近づこうとする……こいつは、まだそれを知らないんだな
『カリムが不機嫌になる?それってフラグ立ってんじゃねーか?』
フラグ?そんなんだったら万々歳さ
だけどそんなおめでたい事は、俺なんかいう中身普通の高校生にはあり得ないよ
それに……はやて達だって……
「は?お前も俺なら分かるだろ?
俺なんかに原作キャラを惚れさせる要素が何処にあんだ?
どいつもこいつも金目当ての駄女ばっかだよ………はやては比較的いい奴なんだけど……局に頼まれて俺に近づいているのかどうなのか………
それにカリムは俺の見張りで教会のコマだしな………あんな綺麗な奴が俺と無理矢理結婚させられるなんて可哀想だ
教会の命令でイヤイヤ俺に近づくんじゃなくて本当に好きな人といた方が何倍も幸せに決まってる
それにクロノ、原作を見てたらあいつはそんな奴じゃ無い……ってわかってるんだが……やっぱりコルテットの技術を盗もうと局から俺に近づく様に『命令』されてる奴もいてな………友好的に接してくるんだが……そういう奴らは見ていると吐き気がしてくる」
そう、俺はそんな奴らに何人も対面してきた
そしてそいつらの多くは、俺と年が違わない子供だと言う事………
「…………だよ……な……」
向こうの俺が肩を落とす
残酷だが、これが事実上
こいつも分かる時がくるさ
「まあ、お互い信じられるのは自分って意味さ、それでどうするんだ?
GODとかリリなのの中でかなり危険な部類だと思うが……」
『やれるとこまでやってみる……いざとなったら最後の特典使えばいい』
最後の特典って………
「うっ……出来ればやめてくれよ、まだ管理局にバレてないんだから……まあ過去の俺がピンチなんだ、リンディ提督も余程の事がなかったら戦わせたりしないと思うけど……一応爺と掛け合ってみる。
《地球に行かせてくれないか》って」
『皇帝特権とか俺より上手く使えるんだろ?
来てくれたら助かるよ』
「あまり期待するなよ……じゃっ、またな相棒!!」
『うん、もう一人の僕!!』
通信を切る俺達
出来れば助けてやりたいんだが……爺がそんな事許してくれるだろうか?
………あり得ん、かと言ってコルテットの
人間を代わりに派遣してもユーリの前には虫けら同然だし………
過去の俺を見殺しにするのもな~、今のところ俺の事を唯一理解して受け入れてくれる人間だし
だってそうだろ?同じ『ケント・コルテット』なんだから『コルテット』を見る事はないしな
さて、どうするか………