リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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入学式

 

「だ~か~ら~、学校だよ?なんでSP?

馬鹿なの?死ぬの?」

 

「ですが、いくら学校ともいえど危険はつきもの、ケント様の安全を考えるとせめて十人のSPは必要かと」

 

「いらねぇよそんなに!!てか普段街を歩く時も五六人だったろ!!………まさか」

 

「はい、常に二十人のSPが影から監視をしておりました」

 

「余計なお世話だこんにゃろう!!」

 

あれから一年、俺は六歳になった

ん?飛んだ?

だから時間が飛ぶのは二次創作ではあたりまえだって~の

てか両親よ、やっぱり今年の誕生日も来てくれなかったな、電話もしてこないって……

俺が転生者で、精神年齢が少し大人びてるから耐えれるけど普通あり得ねぇって、まだ顔合わせたの二回だぞ?

しかもそのうち一回は生まれた時病院で、実質一回だけだ………顔思い出せねぇ……

 

まあそれは置いといてだ、俺ももう六歳、晴れて小学校に入学だ………っていうのに…

 

「ならば五人、五人で勘弁して下さい」

 

「十人でも五人でもダメだ!!とにかくSPは断固拒否!!」

 

「そんな………」

 

爺の奴、小学校にSPつかせるとか言い出したんだ!!

はっきり言おう、自慢じゃ無いが俺の友達は0、それどころか同年代の子供とすら話した事ねぇんだぞ!?

考えられるか?どんだけ過保護に育てるつもりなんだっての!!

お願いだから小学校ぐらいはキチンと通わせてくれ

 

あ、ちなみに俺が通うのは未来の聖王様と覇王様が通うであろう『St.ヒルデ魔法学院』

まあ俺が一番驚いたのはそこではなく《学校に通わしてくれる》という事だったが……

 

どうやら両親もそこまで非情ではなかったようだ、俺はてっきり『一生家庭教師』だと勘違いしていたが……ミッドにも義務教育があって良かった………働く事が許されるのは局員だけみたいだしね

 

「この六年間、ずっと家に監禁状態だったんだ!!学校ぐらい自由にさせてくれ!!」

 

「いくらケント様の頼みでもそれだけは聞くことが出来ませぬ、ケント様はコルテット家の大事な跡取り、万が一何か起こった場合爺は……爺はぁぁぁぁぁ!!」

 

「嘘泣きはいいから行ってくるぞ、送り迎えだけは許してやるから安心して校門で待ってろ、学校に乗り込んで来たらただじゃおかねぇからな!!」

 

そう捨て台詞を残して校門から中に入る、爺が俺を捕まえようと学校に入ろうとしてたが……入り口にいた騎士に捕まっていた

 

学校内は余程の事がない限り立ち入り禁止、それにこの学校はどんな生徒でも平等に扱う

俺がコルテットの子供だとしても教師は殆ど特別視しないだろう……多分……

 

そうでないとヴィヴィオは毎日「聖王様、聖王様」とか言って崇められるだろうからな

 

ただ……

 

《生徒は別だが………》

 

校門の前に立っていると……聞こえる聞こえる、コルテット家の噂

 

みんな近寄りづらいんだろうな、もし俺に少しでも怪我をさせたり、なにか悪口を言ったりすると……俺がチクった場合その親子、社会的に抹消されちまうからな………ほんと、自分の家だが怖い怖い

 

まあ聞いていていい気分はしないのだ、校門で騎士達と言い争っている爺は無視して学園内に入ろう

箱入り息子だったのだ、俺をコルテットと知ってる奴なんかいないだろ

 

 

 

 

 

 

結果から言うと俺の読みは半分正解だった

校門では爺がいたからコルテットだとばれたものの学校内はでは俺の噂をしている奴はいなかった………だけど……

 

「あいつなんだ?すっげー可愛くねぇか?」

 

「なになにあの子?凄くかっこいい」

 

流石?というべきか………男子からは可愛いと、女子からはかっこいいと……俺がズボンを履いているという事で男子諸君からの落胆の色は凄いが……逆にこの容姿のせいで誰も近づかない

確かにわかるよ、俺が普通の男子学生だったら廊下を歩いているセイバーに声をかけようなんて思わない

 

はぁ、と軽くため息をつく

まあいいか

 

それよりも………前世で俺が通っていたのは一般的な公立高校、薄汚い廊下に木と鉄で出来た椅子and机だったのだ。こういう二次元でよく出てくる学校なんかは憧れる

まあこの世界が元々二次元な事は置いといて……

まだ入学式には時間があるし……学校内を見て回ろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校内を一言で言うと……圧巻の一言だ

 

もうね、日本の超一流大学にいるみたい、確かに俺も受験してこの小学校にいるが……元が高校生だ、異世界とはいえ魔法の知識意外だったら一時的な頭脳チート、案外楽に受かってしまった

話を戻すと……オラワクワクしてきたぞ!!

ちなみに今は入学式ね、校長が延々と何かを言っているが聞く気はない、どこの世界に行っても校長の話はながいのか………あと………

 

「うぉぉぉぉぉ!!坊っちゃまーーー!!」

 

『うぉぉぉぉぉ!!』

 

読みが甘かった、確かにこの学園では生徒、先生以外の立ち入りは特例以外禁止されているが……今日は入学式、《親がいて当たり前なのだ》

まあ相変わらず俺の親は来ておらず、爺やとSPが出席しているのだが……泣きすぎだこの野郎、思いっきり目立ってるじゃねぇか

てかSP共、俺の成長に泣いてくれるのは嬉しいが怖いよお前ら、全員スーツにグラサン、それに爺やの坊っちゃま発言………俺の親父がヤクザの頭領と勘違いされてもおかしくないぞ

みんな見てるってー!!

 

『これで、校長先生からのお話は以上です』

 

入学式は平和に?終わったが……これからクラス発表、コルテットの名前が邪魔しなけりゃいいんだけどな………

 


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