リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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それぞれの思考

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「ふぅー、なんだよなんだよ、皇帝特権で長距離転移やらなんやらを主張して爺に無断で来てみれば………転移先がオカマバーって……てか何なんだあのオカマ達……SPびっくりの連携で俺を捕まえに来たんだけど……逃げる為に皇帝特権全開って……」

 

「それは……残念だったな」

 

ナイスタイミングな登場をした俺だがさっきまでの不遇さに軽くぼやいてみる

うん……なんか過去の俺がえらくげっそりしているが大丈夫だろうか?

あとそんな哀れみの満ちた目で俺を見ないでくれ、軽く傷つくぞ?

 

「おー、大丈夫だったか相棒、あれって『エンシェントマトリクス』だろ?食らってたらいくら俺でも危ないな」

 

「いや、てかよかったのか?今のって『破壊(クラッシュ)』だろ?」

 

「あれ以外に思いつかなかった、後悔は……してる………」

 

「アースラから丸見えだからな~

コルテットからの脱走にロストロギア認定確実のレアスキル……頑張れ、もう一人の僕」

 

これからしないといけない申請やらなんやらを考えて肩を落とす

アースラから丸見えだろうからな~、クロノら辺はしつこく調べるだろうし……

あ~、せっかく隠してきた九年間は無駄になったか~

まぁ……とりあえずそれは置いておこう、それよりまずはげっそりしている過去の俺の心配だな……

 

「で、どうすんだ?戦えるのか相棒?」

 

「今の状態で?魔力ごっそり奪われたよ……」

 

「と言う事は俺一人であれの相手をしろと?

俺のくせに案外鬼畜じゃね?」

 

「魔法に触れて数ヶ月の奴があんだけやったんだ、行って来いもう一人の僕」

 

いや、お前の事情なんて知らんし

てか魔法触れてから数ヶ月のお前も今の俺もそんな変わらないだろ、まずあんな魔力の塊的な相手に一対一とか無謀すぎる

まあ、そんなことより……ユーリと俺との相性が先だ、だって……

 

「てか俺もあいつと相性悪いんだよね、砲撃相変わらず使えないし」

 

「え?」

 

素っ頓狂な声をあげる過去の俺

いや、予想ぐらいついてただろ?砲撃適性皆無だよ……

もうなんか適性そのものを破壊された感じ、使えそうなのに全く使えない的な?

なんなんだろうな、この感覚………

 

「なんかこの三年で習得した技とかないの!?ルフィだって二年でむっちゃ強くなったじゃん!!」

 

「ない……かな?

魔力値が少し上がったのと(偽)エクスカリバーがちょっと強くなったぐらい」

 

「全く使えねぇよコンチクショウ!!」

 

ぐぎぁぁぁぁと嘆く俺

だってしょうがないじゃん、変な期待するなっつーの

まずあんな漫画の様にホイホイ強くなれたら誰も苦労しねーよ、てかあいつらと一緒にすんな、覇王色の覇気とか勝てる気しねぇ……

だけど過去の俺から突き刺さる期待の目……くそっ、まぶしすぎんだろ!!

あ~、成長したのか?何かないか何か……あっ!?

 

「あ、あと体力が増えたぞ!!」

 

「この状況で必要か!?」

 

スパコーンと俺の三年間の努力を否定する過去の俺

これでも努力してんだぞ!!自分自身の剣の腕も一流に体を任せているおかげで大分上達したしな!!

……って………ユーリさん、なんですかその翼

赤と黒とか物騒すぎません?

ちょっ!!

 

「うっ……」

 

「また撃ってキター!!」

 

盛大に叫ぶ俺だがそんな事してる暇があるのなら避けろ!!

見た感じ一発でも当たれば致命傷じゃねーか!?てか他の原作キャラはどうしたんだよ!?

全員リンチで終わらなかったのか!?

てかもう………

 

「はぁ、お前の気持ちも俺だからわかるけどよ……もう完全破壊でよくねぇか?

死んだら元も子もねぇーだろ」

 

「いや、この先の時代でも原作キャラ全員、俺だって生きてんだ!!未来の俺はどうにかしてこの状況をなんとかした筈!!」

 

「うおっ、頭いいなおい、過去の自分とは思えねぇ」

 

まぁ……それぐらいは分かってるんだけどぶっちゃけめんどくさい

命かけてまで救う必要無くね?この頃の俺ってなんか純粋……

はぁ……てかこのままじゃ何年かかってもユーリ助けられねぇぞ、せめて……

 

「あーもう、派手に『エクスカリバー!!』とか宝具使えたら一発で終わるのに……」

 

「だから俺らは砲撃の適正皆無だろ!!

それに本物の聖剣が無いのに宝具なんて……出来るな」

 

「マジか?」

 

え?宝具出来んの?

いや、でも……無理じゃね?

俺らって特に特別な伝説作った武器持ってるわけじゃねーし……

 

「いや、あるじゃん、セイバーと言えばエクスカリバーとかに目が行きがちだけど俺らにはセイバーがもう一人いるじゃん?」

 

「………ああ……確かにもう一人いないと俺ら即刻死んでるもんな」

 

確かに……青のセイバーだけだとここまで俺なんかが戦う事が出来ないからな

合法チート能力使ってたの忘れてた……

 

「よくあるじゃん?『一人じゃ無理だ!!仲間がいるから強くなれる!!』的な?」

 

「仲間なんていないけどな、自分だけどな」

 

「ほっとけ」

 

さみしい事思い出させんな馬鹿野郎

マジで信じられるのは自分しかいねーんだよ

くそ、それはそうと……

 

「出来んのか?」

 

「言い張ればいいんじゃないのか?あれって技術だし……」

 

「確かに」

 

あ、あとユーリはまだスフィアを撃ってきてるぞ、避けながら話をしてるわけじゃない

 

右手を突き出して俺に向かってくるスフィアを全て『破壊』する、こっちの方が楽だしね

 

それでもこの特典、触れた物しか破壊出来ないから『空間』ごと破壊してる

過去の俺も手を顎に乗せながら同じ様に破壊している……シュールな光景……

 

「で、すんの?」

 

「勝つ為にはそれしかなくね?」

 

「うん、そうだな」

 

まあ、俺一人で戦うよりは数倍勝率は上がるだろ、まだ俺死にたくないし……

まあそんなの訳でやります、宝具!!

 

「叫ばないとダメか?あれ?」

 

「叫んだ方がいいんじゃね?」

 

「はぁ……なんか過去の俺に命令されてる感じがするけど……了解」

 

指導権握られちまってる感じがするんだが……まあ、いいか?

そっちの方が楽だし……

 

ユーリからのスフィア?

諦めたよ、あの子

で、次の手段としてなんか凄く大きな魔力の塊を作ってる……あんなのくらったら骨も残らず焼け死にそう……

 

さて、気を取り直して………

 

「我が才を見よ!!」

 

最初はやっぱり先輩である俺からだよな

これで……よかったっけ?

 

「万雷の喝采を聞け!!」

 

合ってるのか?

前世の知識とか殆ど覚えてないからわかんね

 

「インペリウムの誉をここに!!」

 

「咲き誇る花の如く………」

 

さて……次で………ラストォ!!

 

 

 

「「開け!!黄金の劇場よ!!」」

 

 

 

 

 

 

世界が光に包まれた

 

 

 

 

そう………光に包まれて終わる筈だった

 

だけど……………

 

 


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