「空港火災?………そんなイベントもあったな」
自室でテレビを見ながらホワーと考えてみる
画面には焼けた空港をバックにたんたんと説明している記者、そこから少ししてよくわからん評論家達が自分勝手に「ここが悪い」やら「何故こうしなかったんだ」とか評価をし始める……だったらお前たちが前線に出ろってんだ
転生から早十五年、『魔法』に触れてからもう九年……
とうとうStsがスタートするこの時期、誘拐や毒殺など、色々とされながらも何とか生き延びて来た
今までは傍観に徹していたが今回からは違う、舞台はこのミッドチルダに移り、『コルテット』という組織に生まれた以上無関係という訳ではないだろう
本格的に俺も介入する事になる……絶対……
まぁ………
「取り敢えず事故の処理だな、これだけの事件の後処理、管理局だけじゃ手が回らないだろうし」
見た感じかなり派手に焼けた様だしな、管理局だけでは後処理出来ないだろう
その前に空港など最先端技術の塊、確実に空港を経営していたのはコルテット、無関係という訳にもいかない
ん、てかもう動いてるか?
テレビ見るまで気づかなかったからな……遅かったか?
「…………現場には、流石に無理だよな~」
俺的には原作でかなり重要な場所だから一度行きたいというのはあるが……許してもらえねぇよな……
ただでさえ外出多いのに……
まぁ……取り敢えず……
「ほらよっ」
後ろの何もない空間に向かってデュランダルを放り投げる
デュランダルは壁に刺さり、穴を開けるが大した事ないだろう、それより問題は……
「いいかげんこっち見んのやめてくんない?うざいんだが………」
「…………。」
何もない空間に向かって喋りかけるが返答は無し、往生際の悪い奴だ
ツカツカと歩いてデュランダルを引き抜く、そして……
「よっと」
「っ!!!!」
これまた何もない空間に向かって一閃、今度は息を飲む音と小さな悲鳴が聴こえた
これで何もないとかだったらマジ恥ずかしかったからな、いてくれてよかったよ
「だいたい何処にいるのか分かるから、ああ大丈夫、君の力は本物、俺も勘で言ってるもんだから」
「くっ!!」
逃走を始める『見えない何か』
警備システムが反応しないという事は……もうハッキング済みか?
まぁ、『助ける』という選択肢は無い訳で……
「ほらよ」
「キャッ!!」
スフィアを飛ばして動きを封じる
向こうは何が何だか分かってない感じだな、一番信用しているスキルなだけにしょうがないか
てか空港火災で気を取られている間に俺の誘拐か?
あのマッドも手の込んだ事をする……
「くっ!!」
「よっと」
軽く斬ってみるが外れ、やっぱり姿が見えないって面倒だな、いくらセイバーの直感とは言え外れる時は外れるし……
ああもう、外の見張り役は何してんだ!!
がチャッ!!
「っ、そこっ!!」
食器がガチャッと揺れた場所にすかさずバインドを仕掛ける
するとどうだろうな、『何もない空間』をバインドが固定する、まるで『何かがいる様に』
「くっ、外れない」
「残念、という訳で大人しく捕まってもらうぞ」
軽く溜息をついてから近づく
てか姿消せて機械に強い奴なんて俺には一人しか思い浮かばないんだけどな、初っ端からこいつ捕まえたら原作とだいぶ離れるんじゃねーか?
まぁ……悪い方にはいかないか……って!!
「っく!!」
「クア姉!!」
勢い良く走り出すが、クソッ、距離がある!!
その間に『何か』は突然現れた水色の『何か』に連れて行かれる、後にあるのは静寂のみ……やられた、あんな奴もいたな~
「取り敢えず、あいつに直感が効いただけよかったとしますか」
あのマッド、なんの為に俺を誘拐しようとしたんだか……俺のクローンか?
魔力は受け継がれるかもしれないけど……レアスキルはどうなるのか?
これは『特典』だからな~、どちらかと言うと魂に直接インプットされた感じだから……
まぁ、今回はよしとするか