リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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赤ちゃんってどうやったらetc……

 

「公開意見陳述会?」

 

「はい、ケント様ももう十五、そろそろ良いかと思いまして」

 

ニッコリしながらそう言ってくる爺

始まりは簡単、晩飯食って部屋に戻ろうとしたら爺が話かけて来た

なんでも、そろそろいいだろうって……

『公開意見陳述会』、地上本部で行われる総決算のようなもの

去年どのような事をしたか……又、それを活かして今年はどのように平和を守るか決めていく会議

………俺だってテレビで見た事はある、原作ではStsで山場になった部分、忘れている訳がない

ただなぁ……コルテットという権力を持つ人間なので覚悟はしていたが……嫌だよなぁ……

だってあれ数十時間にも及ぶんだぜ?

しかも内容の殆どが本局と地上本部の対立……するだけ金の無駄、論外

 

 

「それって……行かないといけない?」

 

「はい、将来の為にも、参加するようにとご両親直々に」

 

……なんかこの頃よく出てくるな、両親

てか俺にも連絡くれよ、いくら黒そうとは言え自分の親、声を聞きたいのは当然だろ?

それにしても……はぁ、溜息が出る

 

俺の記憶が間違っていなければ……あれに入る時は武器の持ち込み禁止なんだったっけ?

恐らく……それがコルテットだとしても問答無用なんだろうな、管理局だっていきなりコルテットから内部を襲撃されたくないだろうし

そうなれば……誘拐やら暗殺やらの危険度がグッと上昇するし……だって体術のみだろ?

スカさんが未来でするテロなんて中々起こらないとは思うけど……原作とちょっと離れてる分なんか不安なんだよな……

……しゃーねぇ

 

「爺、そんじゃあ局にバレないようなステルスのデバイス……的なものを用意してくれ

外は局員が固めてるとはいえ油断は出来ないからな」

 

「はい、只今コルテット最高の技術開発部の方で準備に取り掛かっております

機能はデュランダルと比べ劣る事になりますでしょうが……戦闘に支障はないかと」

 

「仕事早ぇなオイ」

 

考えてる事はお見通しって訳か?

普通に陣述会行くならまだしも今回は両親から直々に命令されてるからな……何が起こるかわからん

当然、両親よりも権力が低い俺に拒否権はあるはずないし、それにしたって来年もあるんだ。いつまでも逃げ切れるとは限らない

 

「それにしても……陳述会ね~、お偉いさんが集まるんだろうな~」

 

「武器の持ち込みは不可ですが当日はいつも以上の護衛をつけるつもりでいます。

周りにたかるハエも近づけさせませぬ」

 

「りょ~かい」

 

爺もあの俺に集る権力者が鬱陶しいのだろう

あいつらのせいで色々と苦労してるからな……爺も

カレンダーを見てみる……後一ヶ月後か……めんどくせぇ

……ん?

 

「通信?ってこれは……」

 

「どうかなさいましたか?」

 

「あ、いや、なんでもない、じゃあ陳述会の件は任せたぞ」

 

「はい」

 

デュランダルに通信が入ったので爺と別れて部屋へと戻る

通信先は……フェイト

なんでも、クロノが彼女に教えたらしい

ただの顔見知り程度の筈なのだが……彼女が俺に連絡なんて珍しい

いや、まず連絡自体が珍しいのだ、教会への誘いも殆どがコルテットに伝えられてから俺へと伝わるから………どんな了見だ?

 

「もしもし、久しぶり、フェイトさん」

 

「えっ、あっ、久しぶりケント」

 

向こう側で慌てるフェイト……なんか可愛い

ちなみに俺は彼女をさん付で呼んでいる、殆ど会ったことない様な奴に呼び捨てで呼ばれるなんて嫌だろ?

はやてとかは……慣れだ、さん付とかしたら逆に近づこうとしてくるだろうし……

周りの奴らは誰一人信用してる気ないからな、これ以上近づこうとされたら面倒だ

 

「で、そっちから連絡とは珍しい……何か用でもあるの?」

 

「えっと……その……別に『急ぎ』ってわけじゃないんだけど…その、知りたい事があって」

 

「知りたい事?」

 

彼女は局でもエリートと言われる執務官、それに疑問に思う事があるのならば義母であるリンディさんもいるし義兄のクロノもいる

俺にはいない友達だって沢山いるだろうし……わざわざ俺に聞きたい事なんてあるのか?

 

「その、あのね」

 

「うん」

 

 

 

 

 

「赤ちゃんってどうやったらできるの?」

 

 

「……え?」

 

フェイトから発せられたばくだん発言に少しの間世界が停止する

……赤ちゃん?……まてまてまてまて!!

 

「なんでそんな事俺に聞く!?」

 

「えっ?だって……私が保護した子で『エリオ』って子がいてね。その子が私に聞いて来て……そう言えば私も知らないなーて」

 

「だからって……俺に?」

 

「え、一応みんなに聞いたんだよ、でもはやては話しを逸らすしなのはは逃げちゃうしクロノはケントの方が知ってるって言うし……」

 

おいクロノ、ちょっと出てこい、少し絞める

てか素なのか!?素なんだよな!!

フェイトも一応もう十五だろ!?保健で教えなかったのか私立学校!!

 

「それに母さんだって笑って誤魔化しちゃうし……これじゃあエリオに答えてあげられないよ、だからケントお願い!!」

 

「えっと……」

 

お願いって言われても……なんかこんな美人の子にそんな質問者されるなんて夢にも思わなかったんだが……

流石リリなのの天然キャラ……インターネットを使うという発想は思い浮かばなかったのか?

うう……俺も馬鹿正直に答える勇気は無いし……よし……

 

「フェイトさん、世の中には色々な情報を沢山知れる『ネット』と言うものがあってね」

 

「あ、そっか!!」

 

そう言って画面の向こうで検索し始めるフェイト……ってちょっとまてーーーーー!!

なんで通信したままなの!?

切ってからでいいじゃん!?ここは『ありがとう』って言ってバイバイするところじゃないの!?

 

「えっと………」

 

「フェイトさん!?切るよ!!今日は切る『アッ、アッ、アァァァァァ!!』………………………………」

 

画面の向こうから流れてくる女の人の声

いや、正確にはフェイトが開いているネットからと言った方が正しいか?

………うん

 

「えっ、うあっ、凄い……」

 

「……………………………」

 

気まずい……物凄く

フェイトは画面に呆気に取られてるし俺は通信を切ろうにも気まずくて切れない状態

なんで子供がどうやって生まれて来るかでいきなりAV動画が流れるんだよ……

彼女の事だから……エリオの為により正確に知ろうとしたんだな……分からない事はとことん調べ尽くすタイプだろうし……

 

「………………フェイトさん?」

 

「えっ?……あっ、キャッ!!」

 

俺が声をかけると驚きで転ぶ彼女……ただ呼んだだけなのだが……

 

だが、俺が瞬きをした瞬間、画面の向こう側写っていたのはスクラップと化したパソコン、そして息を荒げ、顔を真っ赤にしながらバルディッシュを担ぐフェイト………うん、目が合わせられない……

 

「う……」

 

「?」

 

「うわぁぁぁぁぁん!!」

 

ブツっと画面が消える……うん……

そっとしといてあげよう

知らないとは……罪だね……

 


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