『~で、あるからして、王という物は』
「………………暇だ」
いくらなんでも入学式の日から授業をする必要がないんじゃないか?
と思いながら目の前のホワイトボードに目を落とす
入学式、クラス発表などが終わり今の俺は次席に座って勉強中、ちなみに社会だ
てかこの教師、ずっしりした図体に赤髮に赤髭、そして豪快な笑い声
はい第四次ライダーです。ありがとうございました。
今日から担任はこいつだと聞いた、担当は世界史と地理
もう狙っているとしか思えない、このままだと他のサーヴァントがいてもおかしくない
『王とは!!孤高であらず!!』
そんでもってこの担任、自分の自己紹介の途中から話が脱線して『王とは何か』という話になりやがった
ここって聖王教会直属の学校だろ?いいのか、一教師が王について語って
そう思ってたらチャイムがなる、入学式から授業と言ったが実際する授業は一時間だけ
こっからは直ぐに下校だ
てか教師よ、自分の自己紹介ばかりして俺ら生徒の自己紹介忘れてねぇか?
それでいいのか、担任
「お、もう終わりか……まあ王のあり方についてはまた語るとして………今日からお前たちはこの学校の初等科一年生!!
気持ちを切り替えて学校生活に望むこった!!」
ガッハッハと豪快な笑を残して教室から出て行く担任、これで……終わりなのだろうか?
てか小学校なんだから普通『終わりの会』とかするだろ!!
マジでそれでいいのか、担任!!
周りを見渡すとゾロゾロと帰り始める生徒達
あれだな、やっぱりご近所付き合いとか幼稚園から一緒とかもあるせいで、みんな自分の友達と喋りながら帰り始める
はぁ、けっきょくこの容姿と入学式の時の爺や達のせいで誰も話しかけて来なかった
よく二次創作の主人公は『友達が少ない』とかあるけどマジで勘弁してくれ!!
初等科~中等科まで友達0とか淋しすぎんだろ!!
グループ分けの時とか一人だけ余るのマジ勘弁!!
比較的心が広い原作キャラがいるわけでもないし……家に帰ったら半分監禁状態に等しいし………
はぁ、友達0とかギル様より少ねえじゃねぇーか、ギル様だって一人だけ友達いたんだぞ
やべ、泣きたくなって来た
そうこうしている内に誰もいなくなる教室……
家に帰るのも嫌だし……また学校内をブラブラして時間潰すか………
…………凄え
今の俺は学園内にある訓練所に来ている
まあ訓練所と言っても中にいるわけじゃなく二階から中を見学出来るスペースがあるからなのだが
中で行っているのは魔法の実技練習
学年は……中等科だろうか?
決して原作キャラ達が行っている大げさな戦いではない、もっとこじんまりした、格闘技とスフィアだけの戦い
そりゃ今までもテレビやらでもっと大掛かりな、魔法をつかった試合なんかを見て来たさ
だが今、俺の目の前で行われているのは『リアル』
前世では夢物語あったスフィアが飛び交い、人と人が全力で戦う試合
興奮する、自分もやって見たい!!
俺に魔力があるのかどうかは分からないが……落ちこぼれでもいい、俺はあの場所に立って見たい!!
「おお、コルテットじゃないか」
「っ!!先生?」
始めて他人から名前を呼ばれ、振り返ると今日から俺の担任になったイスカンダル似の教師が立っていた
流石に仕事中の飲酒は厳禁なのか、手には『BOSS』と書かれたコーヒーが握られている
「ハッハッ、どうだ生の魔法は、あれは中等科の一年だからまだまだひな鳥だが……凄いだろう」
俺の横に立って語りかけてくる先生
当然だ、魔法がこんなにも近くにある、これほど興奮する事はない!!
「明日は新入生の魔力測定をするつもりだ、お主ももしかしたら、金の卵かもしれんな」
「………でも、俺は…」
もしだ、もし人より魔力が高かったとしても………それを家が許さない
俺が戦う事を、絶対に許さない
「子供の夢を叶えさせる為にわしらはいるのよ!!」
「は?」
「自分のやりたい事に全力になって何が悪い!!夢は自分で決めるものじゃ、家の事情など気にするしつようはない」
「えっと……」
「どこかの世界にこんな言葉があったの~、『青年よ、大志をいだけ!!』っとな、ガッハッハッハッハッ!!」
それだけ言って何処かへ行く担任
………まあ、何事も最初っから諦めてたら駄目だよな
やれるところまでやってみよう