リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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視察 1

 

「フェイトお姉様~」

 

「ネ、ネリア!?キャッ!?」

 

グワッと黄色い影に向かい同じく黄色い影が突進する

後ろ向きに倒れたけど……頭とかぶつけてないよな……

 

「相変わらず元気一杯やな~」

 

「家に来た時から変わらずだよ」

 

椅子に座るはやてが笑う

ネリアは昔からこんな性格、今更だろう

 

今俺たちがいるのは機動六課部隊長室、こうして見るとやけに殺風景だな、デスク以外目立った物がない

 

「フフー、またまた大っきくなりましたねぇぇぇぇ!!」

 

「ちょっとネリアァァァァァ!!」

 

隣で起きているエロい光景には目を瞑ろう、昔からこんな性格?前言撤回、いつ教育を間違えた

 

「わかるかわかるか!!私やなのはちゃん以上にドンドン成長しとんねんで!?女としてのこの屈辱よ!!」

 

「フッ、貧乳」

 

「なんやてぇぇぇぇ!!」

 

いやいや、はやても十分にあると思うぞ、ただ周りが異常なだけで

それにしても………男の目の前でよくわからない争いやめてくれないか?

 

 

 

 

「あーーーもう、納得いかん!!どうしてみんな大きいんや!!」

 

「それはほっといて………視察に来たんだから案内してくれると嬉しい」

 

「そんな事ってなんなんそんな事って!!私にとっては死活問題や!!」

 

「はやて、落ち着こ、ね?」

 

「フェイトちゃんにはわからへんのや、大きい人には小さい人の気持ちが……」

 

「牛乳牛乳、毎日三リットル飲めば大きくなるって」

 

「ネリア、お前そんなに飲んでるのか?」

 

「朝二リットルにお風呂上がりに一リットルは当然!!」

 

我が妹が怖くなった

 

「あーーもう!!こうなったら開き直るしかあらへんやんか!!ケント君は小さい方が好みよな!!」

 

「いや、俺は大きい派だけど?」

 

「神は私を見捨てたぁぁぁぁぁ!!」

 

グワーと叫ぶはやてを尻目にネリアとフェイトは二人だけのガールズトーク?を始める始末

神は見捨ててないと思うぞ?そもそもロクな奴じゃないから

 

「案内はしてくれないのか?」

 

「酷いと思わんのケント君!!こんな迷える子羊に救いの手一つ差し出してくれへんの!?」

 

「案内」

 

「グスッ」

 

手を使って泣き真似をしながら椅子から立ち上がるはやて

ネリアに一言かけてその場を移動する……そもそも来た直後になんだよこの状況……軽く視察して帰るだけだったのに……

 

「ケント君の第一印象はどう思う?この部隊」

 

「立ち直りはやいなおい」

 

「開き直ったのです」

 

何それ怖い

 

それにしても………

 

「第一印象ね~、ただ綺麗だな~とか?」

 

「案外普通やな」

 

「まだ中見てないし」

 

そんなどうでもいい事を話しながら廊下を歩く

すれ違う奴が絶対に振り返るのだが……当然だろうな、はやてやフェイトは耐性が付いているので何でもないが俺たちの後ろには当然の事ながら護衛、普段見ないだろ?

てか絶対敬礼するんだな、一応管理局も軍事組織だし当然と言えば当然か?

 

「そないにしても私服って……ラフすぎるんちゃう?」

 

「局員の服なんて着たら色々と問題にならねぇか?」

 

「う~ん」

 

立場上の問題とか

 

「お、重たいよネリア」

 

「女の子に向かって重たいとか言ってはいけませ~ん」

 

「うう……」

 

後ろではネリアをおんぶする形で支えているフェイト、それは新手のイジメなのか?

 

「はい~、じゃあ簡単に説明するな、ここが司令室」

 

「女ばっかだな」

 

「気にしない気にしない」

 

メガネかけた奴しか見えなかったぞ、男

 

「はい~、ここがデスクワークルーム」

 

「女ばっかだな」

 

「気にしない気にしない」

 

ヘリのパイロットしか見えなかったのだが、男

 

「で、あそこが訓練場」

 

「戦争かなんかやってるのか?」

 

「気にしない気にしない」

 

あ、なんかピンク色のぶっといのが空に………

 

よくわからんが後先不安だこの部隊、これで成り立ったのが不思議

 

「訓練はお昼まで終わらんからな~、それが終わったらなのはちゃんにも会えるかも」

 

「ああ、あの子ね」

 

「ケント君が手術担当したのに殆ど会えてないやろ~」

 

同意、クロノの結婚式の時に少し話しただけでそれから全く会ってない、ここってリリカル『なのは』だよな?

 

「ちょっ、どこから出したのネリア!?」

 

「これを着れば好きな人のハートもキャッチ!!やっぱりそのスタイルを生かさないとね~」

 

後ろが気になって覗いて見るとネリアが何やら紺色の服?を持って胸を張っている

………スクール水着?それにご丁寧に胸の辺りに『てすたろっさ』と平仮名で書いてある

……何をさせる気なんだネリア?

 

「それとこれ!!」

 

「ネ、ネコミミ!?」

 

「まだまだあるよ~、ホレホレホレホレ」

 

肩からかける小さなバックからこれでもかっ、と出てくる小物類

マジでいつ教育を間違えた………

 

ネリア、フェイトの恋愛相談には乗っているがその殆どの知識が本やらなんやらだからな………ネリアが恋をした事は恐らくない

そんな事がもしあったら俺は……どうなるだろうか?

まぁそのせいでネリアがフェイトに教える知識はだいぶおかしな方向に歪んでるからな…

 

「こ、これは流石に……」

 

「お姉様のソニックフォームだってスク水と同じじゃーん、だったらこれぐらい楽勝だよね」

 

「そ、それは………」

 

フェイトがスク水とか………考えただけでもエロい

俺でも理性保てるかどうか………

 

「ケント君、今不謹慎な事考えへんかった?」

 

「いや大丈夫、何ともない」

 

「ふんだ、どうせ私は大きくないですよーだ」

 

さっきの事をまだ根に持ってるのか……

あ、訓練場のビルがピンクの光で倒壊したけど……新人って大丈夫なのか?

 

「はぁ、まあとりあえず訓練が終わったら隊長陣とは顔合わせしよか、それまでおれるんやろ?」

 

「今日一日ヒマなのだ~」

 

俺の代わりにネリアが答える

隊長陣か……これまで一度も話した事がないロヴィータとも会えるのだろうか?

 

「それとそれと」

 

「なに?」

 

「後で写真撮らせて、ヴィータとエリオとキャロとで」

 

「………………」

 

取り合えず一発殴っておいた

 


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