リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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襲撃

 

「エクス………」

 

一歩前に出る、目の前には機械の軍勢

………いける!!

 

「カリバァァァァァ!!」

 

一気に横薙ぎに黄金に光り輝く剣を振るう

その輝きは辺りを照らし、機械の軍勢は抵抗も虚しくただのスクラップと化していく

実力の差は……歴然だ……

 

「ケント様!!なぜこのような場所に!?」

 

「そうです、元の場所にお戻り下さい!!」

 

「防衛線まで持ち堪えられなかったのはどこのどいつだよ!!」

 

迎撃に当たっていた護衛達に檄を飛ばす

そう言っている間にもどんどん送り込まれてくるガジェット……クソッ

 

「破壊(クラッシュ)!!」

 

右手をかざして叫ぶ、それにより空間に亀裂が入って行き……ガジェット達はただの瓦礫となる

いきなり現れた奴もいるからあの透明になる奴もいるとみていいな……初っ端からエンジン上げすぎだろ!!

 

「くっ、ケント様をお守りしろ!!」

 

周りの奴らが前進するが戦況は良くない……そもそもこいつら自体人を相手にする時は頼れるのだが今回の相手は機械……当然そんな六課で行っている訓練などしておらずあいつらが使う『AMF』によって中々一体破壊するのに苦戦している

 

ただの平日だったはず……なのにいきなりこれだ、ホントに嫌になる

 

丁度昼過ぎ頃にリニアレールに積まれているロストロギア、『レリック』を奪う為にガジェットが襲撃してからほんの数分、あのマッド野郎はご丁寧に自らコルテットの防衛システムを無効化した上でわざわざ転移魔法も使ってガジェットをコルテット敷地内に送りこんで来やがった……

管理局からの応援も要請しているが時間がない、先ほど言ったようにこちらの戦力は対ガジェット様に訓練していない

一部の高魔力持ちは善戦しているがそれだけだ………送り込んできた数が余りにも多く、更には種類も豊富な為防衛線を破られて屋敷に向って一直線って訳だ

そんでもって避難させられていた俺は周りの制止を振り切って出撃、どうせ後々ガジェットが攻めてきて戦う事になるのだ、それが早くなるか遅くなるかの事……

ちっ、それにしても原作では雑魚キャラだったガジェットもリアルで見たらかなりの強敵だ、AMFなんて厄介な事この上ない……俺の場合は特典があるのでいいがこんな奴を六課新人達はボコボコ壊せる様になるのか?

もう凡人じゃなくてその時点で一流じゃねーか

 

「チッ、数だけ揃えやがって!!」

 

デュランダルを縦横無尽に振るう

この感じでいくと六課が囮でこっちが本命か?どんだけ俺にアプローチしてんだ!!

これを止めるには何処かにある転移魔法陣を破壊したいんだが………

 

「っく!!」

 

直感が警報をあげる

体の動くままにデュランダルを持っていく、直後に交差する鋭利な刃物、だが……そこに『質量』はあるのに物質はない……ほんと……

 

「めんどうなんだよ!!」

 

手に持つデュランダルを力任せに押し出す

足に力を加え、思いっきり……踏み出す!!

 

「おらぁっ!!」

 

凄まじい音を立てて現れたのは一体のガジェット、なのはをあそこまでの重傷にしたタイプ

クソッ、向こうはガチかよ!!

 

周りを見渡して見る……だだっ広い平野の筈なのに今ではガジェットの軍勢に埋め尽くされている

これだけの数を潰すとなると俺には『破壊』しか手がない、だがそれをする場合には俺の攻撃範囲内に味方の一人さえもいてはいけない……それに魔力だってかなり消費する……

空にも数え切れない程飛んでるしな……狙いは俺なんだから俺だけを狙えばいいのに………

今はガジェットを潰す事だけをしているがいつ相手方の主力をぶつけてきても不思議じゃない、まぁ俺を相手に出来る奴なんて限られているけど……

 

「なっ!!」

 

『っ!!」

 

デュランダルに魔力を込めて一気に『何もない空間』に向って振り下ろす

ほら、やっぱり来た

 

「透過も出来て俺への接触も楽、相手は転移魔導師、色々な知識から合わせるとお前しか浮かばないのよ……」

 

『…………』

 

反応は……無しか

それに透明化を解く気は無いらしい……やっぱり俺と戦う上で原則なんだろうな……技術面を補う為に……

いくら俺には直感があるとはいえ四番のような『非戦闘型』ではないから苦戦は必須だな……負ける事はないと思うけど……

 

「チッ!!」

 

ブォン!!と風切り音が聞こえたかと思うとデュランダルに重い衝撃がのしかかる……これは、蹴りか?

技術面では優っているとはいえ筋力はどうにも出来ねぇからな……重てぇ……

 

「っく!?」

 

『…………』

 

とっさの判断でかおの横にシールドを張る

振るわれたのは一筋の斬撃……おいおい、相手方は俺を殺してでも連れて行くって算段か?

 

「なめんてじゃ……」

 

『…………』

 

「ねえよ!!」

 

スフィアを使って牽制を放つ、一瞬でも動きを止めれたらいいと思ったが無理だったようだ……距離は開ける事が出来たがまた振り出し………こんなに強いキャラだったか?

 

「おいおい……いいのか?局からの応援が来たみたいだぞ?」

 

『………………』

 

俺の後ろの為見えないがどうやら局からの応援が到着したらしい、数は一人

まあ『紫電一閃!!』やら叫んでるので大丈夫だろう、六課も手が早い

 

「っと!!」

 

見えない敵が高速でその拳を振るう

やっぱり『見えない』って言うのは大きい、動き自体はそこまで脅威ではないのにその筋力とアドバンテージによってカバーはしている………防戦一方ってか?

 

「って、余裕ぶってる場合じゃねぇか!!」

 

ガジェットからのレーザーが俺に向って放たれる、ニート侍の登場で焦ってるのか?相手方の標準が完璧に俺に定められた

『破壊』を使おうにも周りには未だ必死に戦っている奴ら、巻き込んで殺すなんて事出来ねぇぞ!!

 

「っ!!」

 

カキインと甲高い金属音

右手を見ればそこにデュランダルの姿はない、ああやべぇ………弾かれた

 

『ウウッ……………』

 

風切り音と共に拳が迫っているのが分かる

あれに当たったら……肋骨何本か持っていかれるな、そんでもってあの鉤爪で腹貫通型だろ……

まぁ、そんな事にはならないわけで……

 

「セットアップ」

 

小さく一声、それと同時に展開される『もう一つのデバイス』

公開意見陣述会の時から万が一の為に持ち歩いている、まさかデュランダルを囮にしてこれを使うなんて思っていなかったけど……

 

「ごめんな」

 

『っ!!!!』

 

デュランダルと比べ軽いその刀の斬撃は相手の拳が俺にめり込むより早く相手の『腕』を安安と切り裂く

相手、いや、『ガリュー』もそれによって反射的に姿を現す……危なかったとはいえ腕を斬る事になるとは……罪悪感がヤバイ

痛みに耐えて追撃しようとして来たガリューを蹴りによって間を開ける……どうやらニート侍もこっちに来たみたいだし……チェックメイトだな……

 

『ヴ、ヴ………』

 

「……………」

 

腕を抑えながら紫の光によって消えるガリュー

腕は……回収しきれなかったみたいだ、血を出しながら転がっている

俺を襲ったガリューを気に入らない奴が腕を燃やそうとしたが……止めた

俺自身『肉』を斬ったのは初めてだ、相手が虫だろうとなんだろうと………

周りのガジェットも何時の間にか現れたネリアによって一掃されている、終わりも近いだろう

この腕はコルテットが保管しよう……ルーテシアの『友達』だ、原作であれ程純粋だった少女の事だ……恐らく酷く傷ついているだろう……

 

はぁ、また苦労が一つ増えたな………

 

 


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