「ごめんな、こっちもこっちで手一杯やって、1番近くにおったシグナムに行かせたんやけど遅かったらしいな〜」
「まぁ、しょうがないよ、荒らされたのは庭だけだしね、みんなの怪我も比較的に軽いみたいだし」
ボロボロになった庭、と名ばかりの平原を見ながら素直に話す
六課も初出撃で大変だったものをわざわざこっちに人員を出してくれたのだ、そこは素直にありがたかった
「はぁ、まだまだやな~私も、リニアの事ばかりに気を取られて本命がこっちやとは思わんかった」
「それもしょうがない、リニアのレリックを狙ってきたのは間違いないんだし結果的にそれは守れた、初出撃は成功だと思うけど?」
「ありがとうな~」
俺の隣にははやて、どうやらリニアの事件が終わった後に直ぐ自ら駆けつけてくれた、その時には全てが終わっていたのだがそこまでしてくれた彼女には素直に感謝している
「ふぅ、ケントお兄様、コルテットの防衛システムが正常に戻ったらしいですよ」
「う~ん、ぶっちゃけもうあまり意味無いんだけどね、相手はそれをくぐり抜けるだけの知識があるようだし」
それを聞いてはやてが拳に力を入れる、六課の本命はスカリエッティだからな……表面上では初出撃は成功なんだが彼女にとって恐らくよくは捉えていない……あいつの策にまんまと乗せられて本命にここまでの侵攻を許したんだ、『管理局の動きが遅い』と感じて六課を設立した彼女にとって現場に助けを送れなかったのは悔しいのだと思う
「はぁ、相手の目的はレリックとケント君自身、って捉えてもええな……となるとコルテット自体を警備したいんやけど……」
「それは多分無理、立場的な問題で、こちらでガジェットのコピーを作って警備の人間を訓練する事で対応すると思う」
「そう、やな……はぁ、中々難しいもんやな~」
立場上の問題がある、いくら管理局員とはいえコルテット内に安安と人を入れる事は出来ない、それによって技術の漏洩などが起こった場合の損害賠償を管理局が払うとは限らない、それは全部六課にいく事になるだろう
それに……悪いが機動六課という舞台は原作に大きく関係している、もしかしたら、転生者、または憑依者がいるかもしれないのだ、そう考えると簡単に局員を入れる事は出来ない
今回に関しては特例、いくらなんでも事件が起きたのにそれに関して局が無関係とは出来ない、なのでこうして現場検証やらなんやらをさせているのだ
実際、はやてがコルテットの敷地内に入ったのは初めての感じがする、昔フェイトとクロノが家に来たがそれだけだ
「現場の検証はフェイトちゃんがしてる、今回出てきたガジェットは今まで見た事ない形ばっかやったから……それに……」
「あの刃物持った奴、高町さんをあそこまでにしたタイプでしょ?」
「……………そうやねん、それとケント君から聞いた『透過能力』………私たち隊長陣でも厄介な相手や」
ヴィータら辺はトラウマだろうな、今回のこれで何か対策を立てる事が出来ればいいんだが……難しいか
「それと人型の蟲?やったっけ……ケント君と打ち合える実力、それだけでも十分脅威やのに問題なんはそれを召喚した術師がおるって事や」
「俺と打ち合えるから凄いって……過大評価しすぎじゃないか?」
「何言ってんねん、クロノ君と互角なんやろ?それに透明な相手と戦えるなんて凄すぎるわ」
「クロノには負け越してるしそれに関しては俺の力じゃない、ただの借り物だよ」
「そんなことない、ケント君は十分に強い」
「………………」
こうやって真っ正面から褒められるなんて久しぶりだな、それにはやても『皇帝特権』については知ってるはずなのに……
「ケント君を知ってる人はみんなそう思ってる、ケント君はそんなレアスキルなんか無くても凄く強い、今よりももっともっと」
「………ありがと」
逆にここまで褒められると恥ずかしい、それになんか顔が真剣だし……
「まっ、でもまだまだ未熟やな~、特に身長が」
「ほっとけ」
修正、はやてはやっぱりはやてだ
「でも、だから未熟なケント君を私が守るからな、一生」
「一生って……いつもいつも会える訳じゃないだろ」
「だから一緒に住むねん、そうしたらずっと一緒におれるやろ?」
「そうなると俺が理性を抑えれない、俺だって男の子なんだから」
「襲ってみる?私はいつでもOKやで?」
「遠慮しとく、いつか好きな人見つけて、一緒に住めばいいじゃねーか、俺を守るなんて事するよりもずっと幸せだと思うぞ?」
「だから私は「お兄様~、お腹減った~」」
はやての言葉を遮ってネリアが口を尖らせながら愚痴を言って来る
そう言えばもうおやつの時間過ぎちまってるな……こいつ、おやつにグラタンやらパスタやら食べるから相当きているのだろう、若干涙目だ
「あ~、うん、屋敷に戻って置いていいぞ、シェフになんか作って貰え」
「そうする~」
周りにいた護衛を二三人呼び止め、それに連れられながらトボトボと帰っていくネリア
事件の後からバタバタしてたからな、帰ろうにも帰れなかったんだろう……悪いことした
「えっと……はやて?」
「いや、なんでもない、ケント君は可愛いネリアちゃんとイチャイチャしてればいいやん」
「イチャイチャって……ネリアは兄妹だぞ?」
「ケント君やったらやりかねへん」
「俺をどういう風に見てるんだ?」
少なくともそこら辺はわきまえてるぞ?
話を途中で区切ってしまった事は悪いと思ってるけど機嫌が悪くなる事はしてない筈だけど……ん?
あれは……フェイトか?
「お疲れ様ですケント・コルテット少将、部隊長、現場の報告なのですが」
「………どうしたの?」
「勤務中なので」
「いつも通りでいいよ、はやてもそうだし」
「えっ?はやて?」
「あはは~」
まっ、この場合はやてがおかしいんだけどな……忘れてただろ………
「ま、まあいいやろフェイトちゃん、ケント君もいつも通りでいいって言ってくれてるし」
「う~ん……なら……いいのかな?
大丈夫だった?ケント」
「まあ怪我もしてないし大丈夫じゃないのか?それより現場検証ご苦労様」
「これが仕事だからね、それよりはやて、
やっぱりガジェットに製作者の名前が……」
「やっぱり……か」
ん?まだガジェットの製作者がスカリエッティだと知らないのか?
………確か六課設立直後にガジェットの残骸からスカリエッティの名前が出てきたんだったか?なるほど、今回の件で確定って訳か
「それに新型のガジェット、今のみんなじゃ太刀打ち出来ないね」
「なのはちゃんにも訓練プログラムとして組み込んで貰わなな………で、やフェイトちゃん、それはそうとなんで寄せて上げるブラなんて付けとん?」
「えっ!?これは……その……ネリアがこうした方がいいって……」
「ただでさえ大きいフェイトちゃんがそんなブラしたらどうなるか分かってるよな~、ネリアちゃんも中々考えるわ~」
フフフフフとはやてが不気味に笑う、てかよく一目見ただけでそんなブラだと分かったな……てかそんな事言われたらフェイトを直視出来ないじゃねーか
「ちょーーとお話しよか~、フェイトちゃん」
「えっ?痛い、痛いよはやて」
フェイトの耳をつねりながら引きずっていくはやて、軽くつまんでるだけだから大丈夫だとは思うんだが………何があった?
まぁ……
「俺も帰るか」
どうせここにいてもやる事ないし、今日はさっさと帰るか