「私……ずっと……」
「フェイ………ト?」
彼女の吐息が首にかかる、心臓が波打つ、顔が赤い
乱れた衣服がその体をより一層強調させる、彼女の手が俺の腹から下に、下に下がっていく
トロンとした目、胸元に当たる大きな、柔らかい感触……
状況をどうにかしようと動かした手は彼女の手に止められる、唇が近づく、心臓がさらに波打つ
「ケン……ト……」
「お、お邪魔します!!」
「そう硬くならなくていいんだって~、リラックスリラックス」
俺の部屋に入る時ことに対してフェイトがかなり緊張している……?
別段緊張する事はないと思うんだが……ただの部屋だし、趣味とか特にないからベッドがあって机があっての普通な部屋、まぁ大きさは高級ホテルのスイートルーム並なんだけど……
てかネリア、緊張しなくていいんだよ~とか言ってるがここは俺の部屋、なぜお前が……
「ひ、広い……」
「はぁ、これだけ隠すスペースがあるのにエロ本の一つないんだよね~、十九歳にもなって」
「当たり前だろ」
いや、どちらかと言うと『買えない』と言うのがただしいんだが……どこに行く時も護衛が見てるし転移魔法を使ってバレないように買いに行ったとしても街中でコルテットだとバレたら色々と面倒だし……俺だってエロ本の一つぐらい欲しい、前世でも数冊隠してたし……俺だってもう十九だし……
「妹としてはお兄様の将来が心配です」
「これ何?」
「私が今日仕掛けたばかりの盗聴器……なぜバレる……」
直感です
「ま、盗聴器も全部無くなったと言う事でお姉様の寝室はここになりま~す」
「ガチだったのか?」
「当たり前~」
当たり前らしい
「ほ、本当にここで寝るの!?」
「もちろん、よい結果を期待するよ~」
何の結果だ何の……
「ま、荷物は置いて遊ぼ~、せっかくのお休みなんだしね!!」
「えっ、あっ、うん」
手を握られて連れていかれるフェイト……遊ぶって何で?
それにしても……まさか本当にコルテット内に外部の人間を入れるなんてな……今までの俺では到底しなかった事だ
近づいて来る奴に背中を見せない……今だって毎回心を許しているつもりはない……だけど……
「あまく、なったな……」
ネリアが来て俺はあまくなった、何に対しても
あいつは……ネリアは『俺』の事を知った上であれだけ元気づけようとしてくれているのだろうか……やっている事は無茶苦茶だが実際ネリアの
おかげで今では自然の形で笑う事が出来る
「お兄様~、はやく~」
「ああ、今行く」
コルテット内で遊べる所などあっただろうか……いや、俺が単に知らないだけでネリアなら色々と知っているのか?
そんな事を軽く思いながら彼女達を追いかける
こういうのも……いいかもしれないな
結論からはっきり言おう………コルテット何でもあり過ぎだ
俺が知らないだけで娯楽施設だらけだった。遊園地やら水族館やら……何で今まで知らなかったんだ?
そして隣には目の前に出された見た事も無いような食事に苦戦しているフェイト、それを見てニヤニヤしているネリア……お前、よくわからないが怖いぞ?
「今まで私が食べて来たお肉って……なんなんだろう……」
「…………どうした、フェイト?」
涙目になりながらお肉を食べているフェイト……大丈夫か?
そこまで感動するほどじゃないと思うけど……俺の味覚がおかしくなってるのか?
「そんな一回一回気にしてたらここではやっていけないよ~、おかわり~」
んでもってフェイトが食べているのと同じ料理を山のように頬張るネリア……長い付き合いなので慣れた
毎回毎回思うのだがそれだけの量、どこにいってるんだ?そんでもって何で太らないんだ?
胸か、胸に栄養が送られているのか!!
「で、お姉様は明日のお昼過ぎに六課に戻るんだよね?もう少しゆっくりして行けばいいのに~」
「ありがと、でもみんな頑張ってるのに私だけ遊んでるってわけにもいかないしね、六課が終わったらエリオやキャロも遊ばしてあげて」
「もちろん!!」
また説得しないといけないのか……疲れる……
まぁフェイトがエリオとキャロを連れて来たいのは分かる、遊園地なんて貸し切りだからな、俺らで……
大きさやバリエーションは前世にあったネズミの所に負けないぐらい、ぶっちゃけ言って客がいないのが逆に不気味だ
エリオもキャロもあの年で局務めだからな……保護者としてはもっと子供らしく遊んでほしいという願いの方が大きいはずだし……それなら説得するのも苦にならないな……
「で、お風呂上がったらバッタリ~とかってイベントはあった?他にも着替えている時にお兄様がガチャリとかお姉様が入っている時にお兄様がアーとか」
「無かったな」
「う、うん!!そんなのは無かったよ!!」
言い忘れていた、こいつ、男湯と女湯をわざわざ変えやがった
フェイトが女湯に入った瞬間女湯を男湯にチェンジ、そこに俺が入るって感じ
まぁ『そうなるとは分かっていたので』俺は確認を取ってから本来の男湯へ、ホントに直感は便利だな……
「う~、残念、まぁいいや」
「このまま全てのことに対して諦めて欲しい所なんだが……」
「ところがどっこい、そう簡単には諦めないネリアなのだ~」
「………………」
この妹には何を言っても無意味らしい
「さぁさぁ、フェイトお姉様は食べ終わったら部屋に戻って、ね?」
「えっ、どうしたの?ネリア?」
フェイトが食べ終わったのを見計らってネリアがその腕を掴む、ネリアからしたらまだそんなに食べている感じはしないのだが……
それに比べてフェイトはなんか息が荒い、何かに耐えてるような……
「先にお部屋に連れて行っとくからね~、私は自分の部屋でやりかけのゲームでもしとくから~、お休み~」
「えっ、うん、お休み」
おかしすぎる、今はまだ八時過ぎ、俺としてはフェイトと二人でガールズトークでもすると思っていたのだが……
それにお休みという事はもう寝るのか?たしかに今日はかなり充実した日だったので疲れているとは思うのだが……深く考えても意味ないか?
食事を口に運ぶ、それにしても食べ終わってから強引につれていかれたフェイトはどうしたのだろうか……ぶっちゃけ暇じゃね?
こんな時間があるのならネリアと一緒にいたほうがいいと思うのだが……それに俺は俺の部屋でフェイトを寝かす許可をだした覚えはない、最低でもネリアの部屋だろ?
「まったく」
食べ終わってから席を立つ、これだけはハッキリさせておかないとな、フェイトと同じ部屋で寝るなんてどうかしてる、俺の理性がヤバい
ベッドも一つしかないし………はぁ、今回は少し強引に俺の主張を通させてもらおう
あまり遅くなるとネリアが寝てしまうので早めに自室に戻る、それにしてももうちょっと部屋と食道の距離を縮めてくれないかな……いくらなんでも遠すぎる
自室の扉を開けて外の見張りと別れる……あれ?
「フェイトさん?」
呼んでみるが返答は無し、誰かがいるという気配はあるのでいるとは思うのだが……もう寝たか?
いやわそれでもまだ八時過ぎ……いつもいつもオーバーワークをしている彼女にとってはそこまでの疲労では無かったと思うのだけど……
足を進めて奥に入る、着替えていたりしないだろうかともう一度声をかけてみたが返答は無し……どういうことだ?
「……………フェイトさん?」
いた、ベッドの上に
ただ明らかに様子がおかしい、右手は何かに耐えるようにシーツを掴んでいるし左腕は目を隠している
服は乱れて胸からチラチラと見える下着、そんでもって顔は赤く息が耳に聞こえてくる……かなりしんどそうだ
「大丈夫ですか、フェイトさん」
近づいておでこに手を当てる……目はトロンとしており顔は暑い……病気か?
「ちょっと待っててくれ、今だれかをっと!!」
振り返って誰かを呼びに行こうとした瞬間服の端を掴まれる
振り向いてみると目をトロンとしたままのフェイトがこちらをただ無言で、それでもって力強く服を掴んでいる……どうした?
「いて」
「ん?」
「一緒にいて」
殆ど動かない口から発せられた言葉、誰かを呼ぶのはデュランダルでも出来る、なので俺は言われるままベッドに座る
ずっと無言で横から見つめて来るフェイトが怖いがいつまでも座っているわけにはいかない、デュランダルをつかってディスプレイを開いた……その時だ……
「えっ、うおっ!!」
強引にベッドに押さえつけられる、そしてその上に乗って来るフェイト
顔が近い、吐息がかかり胸には柔らかく感覚
両手はフェイトの腕で止められており身動きが出来ない
「フェ、フェイト?」
「ケン………ト……」
嫌な予感がする、俺の直感が警報を上げる
ネリアがすぐにフェイトを部屋に帰らせた理由、ガールズトークだと思っていたのにすぐ俺の部屋から離れるようにした理由
そして………フェイトのこの状態……普通なら体はそうでもその精神まで持っていかれることはない、そんなのは同人誌や二次元の世界だけだ
だが……『コルテット』なら話は別、ネリア……あいつ……
フェイトにコルテット製の『媚薬』盛りやがった