「えっと……背、伸びました?」
「それは素なんですか?短期間でこれだけ伸びたら神だよ」
へっ?と指を頬に当てる彼女を見て癒される
その隣には苦笑いの優イケメン、ったく
「えっと、カリム、これは大人モードといってな」
「ケントさんはもう大人ではないですか」
「いや、そうじゃなくて……」
ホント、天然だな、カリムは……
入院してから一週間、てか退院してから早二日
えっ?寝てなくていいのかって?
う~ん、怪我自体はそこまでなんだよな、骨折れてないし、全て完全に治り切るまでに三週間ってだけでもう日常生活には殆ど支障はでない
それでもギプスやら包帯やらは巻いているのだが……動きにくいったらありゃしない
まぁそんなわけで無事退院した俺は聖王教会へ、理由は……言わなくしても分かるだろう
「騎士、サンドロスの事ですか……」
「そうそう、あれの死体って聖王教会が保管してただろ?高潔な騎士として」
サンドロスは聖王教会の中でも屈指の実力者でありエース、とうぜんの事ながら彼の死体は聖王教会内から保管すべきという声が多く、サンドロスの死体は厳重に保管されていた筈……
「調べさせたところ……キレイにすり替えられてました」
「すり替えられた?」
どういう事だ?あの巨体が別の何かに変わっていたらすぐに気付くと思うのだが……
「完全なる整形、筋肉のつきかた……その全てをコピーされた死体です……元が誰なのかも分からない、本物そっくりに作られた死体」
「なるほどね」
下手な人形ではなくガチの死体だったから分からなかったのか……誰も死体に手を加えて入れ替えるなんて思わないよな
「それでも……今回の件は注意を怠った聖王教会に非があります……どう償ったらいいか……」
「あ~いや、教会もある程度の警備はしてたんだろ?普通死体を持ち出そうなんて考える奴いないって……まっ、そんな訳で大丈夫、サンドロスだって無敵じゃないから数で押せば勝てる」
「まぁ、そうなんだけどね」
ロッサが押し黙る、数で押すのは無理なのか?
「数で押すとしてもS級三人は必要だね……はやての守護騎士二人、シグナムとヴィータが全力になっても五分五分、いや、押されていたらしいし」
「ベルカのベテラン二人で五分五分ね、あいつは本当の合法チートだな」
Fateの士郎並に
「そんな訳だから彼を倒すには六課なら戦力の殆どを回さないと勝てないね、逆に返り討ちにされる」
「りょ~かい、そこら辺ははやて経由だけど」
間の抜けた返事で返す、どうせこれぐらい強いという事ぐらい分かってたんだ。なんたってあいつの強さは俺が一番知っている
どうやって倒すかまでは……まだ考えていない……
「で、さっきからずっと気になっていたんだけど……身長盛りすぎじゃないかい?」
「これぐらいしないと違和感が凄い、合法ショタとかあり得ないだろ」
「いや、そうしゃなくて……その技術」
あ、大人モードについてね
「身体強化魔法の応用だよ、魔力を注ぎ続けるだけでこの大きさを保っていられる……まっ、大量の魔力を使うから普段あんまり使わないんだけどな」
「それでも凄い魔法だよ、子供の一番可愛い時期を飛ばして親に多大なダメージを与える魔法……よく考えたね」
「ちょっと待てロッサ」
いろいろズレてる、確かに俺だって前世で「うわ~、なのは達ってヴィヴィオの成長過程とかどうでもいいのかな~」とか思ったりしたけどさ!?
俺は大人でこれ以上にならない、分かる!?
「男らしくなりましたね、身体は……ガッシリした?」
「女々しいですね分かります」
それでもセイバースペックは変えられなかった……体は男らしいというか女々しい……いや、ちゃんと男なんだけどね!?
「その状態になって利点はあるのかい?」
「周りからの目線が大分マシになる、それと筋力の上昇……か?
前者はまだしも後者はイマイチ、魔力使い続けるから負担が大きい」
「なるほどね」
もうちょい改善する必要がありそうだ
「お茶のおかわりどうですか?」
「ありがとうございますシスターシャッハ」
この人ももう凄腕の騎士なんだな~、シグナムと対等に打ち合えるらしいし……
それでもサンドロス以上が教会にはいないんだよな……はぁ……
それにあいつを倒した転生者はどんな奴なんだよ……『王の財宝』程度じゃ気合で打ち破るぞ、あいつなら
「話を戻すよ、教会の中でもトップクラスのサンドロスだけど……弱点がない訳でもない」
「と、言うと?」
「簡単だ、騎士サンドロスや騎士ゼストを動かしているのはロストロギア『レリック』、遠距離からロストロギアを破壊するような大威力の攻撃を食らわせばいい……ベルカの騎士は近距離戦では無敵だけど遠距離は苦手だからね」
「ロッサは知ってるだろ?俺遠距離出来ないぞ?」
エクスカリバーを打てたらいいのだが……生憎俺に砲撃適性は皆無だ
「そう、だけど……遠距離ならコルテットには彼女がいる」
「おいおい、冗談はよせよ」
俺はあいつを戦わせる気はないぞ?
それに……傷つけたくない……
「ケント、君の実力はよく知っている、だからこそ君に勝てるサンドロスをコルテット側に当ててくる可能性は十分に高い……そうなってくるとコルテットを守れる人間は彼女しかいない」
「ちょっと待てよ、コルテットを甘く見過ぎじゃねーか?てかなんであいつが前線で戦わなくちゃいけないんだよ」
「近距離戦特化のケント、遠距離戦トップクラスのネリアちゃん……この二人でしか倒す手段はないよ、コルテットには」
「…………」
……考えてはいた、おれのエクスカリバーは当たらないし威力の高い『破壊』も逸らされ、カウンターを決められる始末
だからこそ、遠距離から馬鹿魔力を使って放たれるネリアが適切だという事ぐらい……だけど……
「まぁ、これは可能性論、一番はこのままサンドロスが出てこなくて、スカリエッティが捕まる事が一番なんだけどね」
「まぁ……そうだな」
だけど……サンドロスがコルテットに襲撃要因として来る可能性は高い……ネリアを戦わせるかどうか……よく考えないとな……