少し状況を整理する
今俺たちがいるのはミッド中心部にある動物園、当然周りには人が住んでいるし従業員だっている
動物園にはサーベルタイガーなどという他の次元世界の動物もい、まだまだそういった動物園だっている
そしてここに向かっているのはガジェット、大型はいないだろうが原作知識からしてかなりの数
………非常にまずい
まずこの場所、市街地で戦闘とかあり得ない、当然住民を避難させる時間などないし逃げる間に襲われたら太刀打ちが出来ない
そして……ここにはたくさんの動物がいる、下手に戦闘をすれば獰猛な動物の檻を破壊する可能性もあるし音で刺激もしてしまう。
それに動物もガジェットや俺らの流れ弾から身を守るすべを持たない、檻の中にいるなら尚更だ
かといって檻から放てば近隣住民が危ない、蛇類や毒性を持つ昆虫など論外だ
そして……ネリア
彼女は基本的に遠距離砲撃型、近距離戦闘は殆ど出来ないしこんな場所では一発砲撃を撃っただけでもその一直線を焼け野原にする、当然怪我をする動物も出てくる
なので彼女ができる事は牽制のスフィアのみ、防御魔法もあまり得意では無い為十分な安全は保証出来ない
俺もそうだ、ガジェット相手に十分に戦えるとはいえ俺も攻撃を受け流したりもする、その受け流したレーザー動物を焼いてしまう可能性も否定出来ない
つまり……防戦となるのは確実、そこに戦闘機人が加われば尚更たちがわるい
この場所を離れる、バカいえ、普通はあり得ない事だが見せしめ、尚且つ人質として動物達に手を出されたら意味がない、この時点での戦闘機人達はvividの時程『思いやり』などに溢れた奴らではないのだ
てかヘリ撃ち落としたり相手に重傷負わして誘拐してる時点でアウト、よく四期では釈放されてたなと前世でも思ったぐらいだからな
特に場所的に戦闘機人の中でも『あいつ』にだけは来られたくない、攻めるに攻めきれなくなる
「お兄様……」
「……………」
どうするか……今のままでは八方塞がりだ
動かないのが一番悪い、どうするか……よし
「ネリア、ここで待っててくれるか?」
「お兄様はどうするの?」
「入り口で全て迎え撃つ、お前は中から援護してくれ」
これしか方法はない
「ったく、数だけは達者だな」
遠くに見えるガジェットの群れを見て思わず溜息をつく
空中戦用のガジェットの群れ、戦闘機人は今の所見えないが油断は出来ない
こちら側には前回の襲撃以降対ガジェット対策によって訓練所された護衛達、そのせいもあって中々に頼もしくも見える
空を飛べる奴はあまり多くないが……大丈夫だろう
さて、迎撃すると言っても使える場所は入り口付近のみ、はっきり言ってクソ狭い
囲まれる、不利になるのは必須、そこにネリアの砲撃でも落とせば一瞬なのだろうが範囲が広すぎる上に中の守りが無くなる、よって彼女は中で大量のスフィアを構えながら待機取り逃がして侵入したガジェットを片っ端から破壊してもらう
さて、おいでなさったか……
「近くにあるのは全て破壊しろ、絶対に侵入を許すな!!」
デュランダルを構える、SP達が放つ一斉射撃
近くによってくるガジェットを叩き切り、流れ弾になりそうな攻撃は全て防御魔法で受け止める
効率が悪い、埒があかない
しかしこれしか方法がない、雑魚のくせにこれだけ集まると厄介極まりない
周りを見ればどこも苦戦させられている、本当にガジェットに対して強いのは俺だけだもんな、いくらあれから訓練したと言っても実戦慣れしたわけじゃない
「ネリア!!三体行った!!」
「了解!!」
通り過ぎて行ったガジェットを見てネリアに指示を出す
中から聞こえてくる破壊音、意外と大きい、中の動物を刺激し過ぎなければいいんだが……
何時の間にか囲まれてるし、一発大きいの撃てればいいんだけど……難しい
それに………
「ちっ!!ぐおっ!!」
馬鹿でかい爆発が襲う
防御魔法が直感で間に合ったからよかったけど……くそっ!!
よりにもよってこいつかよ!!
爆発したのはクナイのような金属、投げつけて来たのは銀髪眼帯の美少女
戦闘機人の中でも戦闘経験が豊富で攻撃力が意外に高い、んでもって音がデカイのお墨付き
「うまくいかない事ばっかだよ!!」
この狭い空間の中で勝てるかどうか……