リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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爆弾娘

 

「くそっ、どうしろって言うんだよ!!」

 

「クッ、ちょこまかと!!」

 

風の性質変化を使って上手に爆風を上空に受け流す

また放たれるクナイ、数は八

一つ一つ、デュランダルを滑る様にして方向を変える、全て一瞬の出来事である為に自分でやっといて感心する

 

周りでは大量のガジェットに苦戦する護衛達、こっちを助けようと奮闘しているがなんせ数が多い、ただでさえ数で劣り、尚且つ場所も限定されているこの場所では防戦に徹するしかない

それは俺も同じ、ナンバーズ5、『チンク』は爆発系の戦闘機人

当然攻撃力は群を抜いて高く広範囲、遠距離系にとっては別段遠くに飛ばせる訳ではないので楽なのだが室内、限定された場所ではその真価を発揮する

そして今回は後者、周りはガジェットに囲まれ受け流す、除けるなどをすれば護衛達に直撃しこっちの戦力低下、かといって攻めようとしても圧倒的に空間がない、前に進もうとも進めない

行けるとすれば自滅覚悟の特攻、だが……そんな事を相手がやすやすと許すか?

 

「チッ、破壊(クラッシュ)!!」

 

俺を取り囲む様に展開されたクナイをクラッシュによって全て破壊する

どうせ自滅覚悟の特攻を仕掛けても後ろからガジェットでドーンだろうな、その為にいるもんだし

何よりこのまま長引けばこちらが全滅、俺一人対ガジェット+戦闘機人になるのは確実、何とかこちらから動かなければ……負ける

……こんな手は使いたくなかったけど……

 

右手を前にかざす、向こうが構えるが……ごめんな

俺がするのはチンクの『完全破壊』

クラッシュを使えば大きすぎる音もなく、尚且つ一瞬にして目の前の空間を『破壊』する事ができる……ただそれをしてしまったら……原子、分子レベルに破壊されたチンクを復元する事はまず不可能……人殺しは御免なんだけどな……これしか今の状況を打開する手段がない

だがその瞬間

 

 

彼女が笑った

 

 

 

右手を前にかざし、叫ぼうとした瞬間に後方へ吹っ飛ばされる

『大爆発』、まさにそういった方がいいだろう、吹っ飛んだ俺の体は一回、二回とバウンドした後にゴロゴロと転がる

理由は簡単、あいつ、俺の真ん前にクナイを『埋め込んで』いたのだ

一番俺が無防備で、一番油断している時に爆発させる、至近距離からモロに爆発を食らったのだ、本能によって咄嗟に後ろへ飛んだがダメージは大きい、少なくとも五体満足度なだけマシだ

ただ………

 

「う……う……」

 

ロクに体が言う事を聞かない、骨何本かいったか?

 

「ケント様!?」

 

護衛達が叫ぶが……無理、体動かねぇ

あ~、これが人殺そうとした罰ってか?まぁ止めてくれた事には感謝だな

その前に自分の心配か?このまま寝てたら誘拐されるし

 

「ドクターからの命令だ、来てもらうぞ」

 

「…………」

 

見上げればそこにはチンクの姿

運ぶ気満々らしい、隣にはギンガを詰めてた箱が置かれてある

周りの戦闘も終盤にさしかかって来ているらしい、主に悪い方向に

ったく、十九年間、積み立ててきた物って案外簡単に壊れちまうんだな、まさか神様特典持ってナンバーズに負けるなんて夢にも思わなかったし、それにチンクだし

 

箱が開けられる、持ち上げられる感覚

と、そのときだった

 

 

「お兄様を離せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「むっ、ぐっ!?」

 

通り過ぎたのは暴力的なまでのスフィアの数

それをチンクはガジェットを盾に、時にはよけて対応するが一撃一撃が必殺の威力、無傷とはいかなかったらしくあのピチピチなボディスーツは所々焦げてしまっている

 

目線を向ければそこにいたのはネリア、後方には真っ黄色に染まるほどのスフィアの嵐

 

なんつー奴だよ

 

「そこの奴!!お兄様をとっとと離せ、今すぐに!!」

 

「成る程な、こいつが『ネリア・コルテット』か」

 

フム、と一つ感心するとクナイを構えるチンク

この距離なら……ネリアは負ける、大体爆弾を防ぐ様なご大層な盾は待ち合わせていない、強がってはいるが……状況が最悪なことには変わりない

 

(動……け)

 

ネリアの援護をするために、少しでも隙を作ろうと腕を上げ動かそうとしてみるが……無理

どちらとも火傷やら何やらで酷い、ひりひりするし骨がいったのか動かない……クソッ

 

「言い分は分かるが、今の状況は分かってるのか?」

 

「………っく」

 

右手、左手にクナイを持ち、チンクがいつでも近付ける様に体制を整える

距離を詰められたら一瞬で負ける……せめて……デカイ一撃が出るまでの間誰かが時間稼ぎをしないといけない

………ムリだな、ガジェットにチンク、防げる人間なんて限られてくる

クソッ、油断しなければ……こんな事には……

 

「フフ」

 

「何がおかしい」

 

ネリアがいきなり笑う……?

 

「情報を多く持ってるのはあなたじゃなくて私らしいね、知ってる?」

 

ネリアがニヤリと唇を動かす

……ああ、そう言うことか

 

 

 

 

「六課の方は、もう終わってるらしいよ」

 

金色の閃光が、敵を切り裂く

 

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