リリカルな世界で苦労します   作:アカルト

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憧れの……

 

「魔法学……ねぇ……」

 

初等科の廊下を歩きながら呟いてみる

相変わらず周りの奴らが俺から逃げて行くが………もう慣れた

 

入学式から丁度一月余り、学校生活にも慣れて………きたこの頃

あれから何があったかって?そうだな……

 

まずカリム達が昼休みになると毎日俺を昼飯に誘いにくる事、確かに有難い事なのだが………周りからの視線は相変わらずだ

 

次に街を歩いてたらまた攫われかけた事、これはもう完全に慣れてしまった。てか俺の元へたどり着くまえに取り押さえられてしまうからな……

 

最後に、これは情報なんだけど……あのリンディさんが提督職についた事だ

適当にネットをいじっていたら出てきた、やはり指揮する船はアースラ

クロノはまだ執務官にはなっていないようで情報は一切なし、まあ俺が六歳だからまだクロノも十歳、そう簡単になれたら苦労しないわな

 

 

まあこの一ヶ月の動きはそれだけ

まあこれは置いといて……だ……

俺の手元には保護者用のプリント、中身は纏めるとこうだ

 

 

 

『魔法を使う授業をするのでご自身のデバイスがある場合は持たせてあげて下さい

また、自身のデバイスがない場合には学校の物を貸し出します』

 

 

まあ一言で言うと《魔法使うよ~》って事だ

まあ当たり前だろう、この学校に通っている殆どの奴らが将来局員や教会騎士を目指している。

てかこの世界では普通の公立高校でも簡易魔法ぐらいはするのだ、魔力0を除いてだが

正し魔法には危険が伴う、白い魔王様なんかは感覚で魔法使ってたけど世の中そんなに甘くない

魔力の構成やらリンカーコアの特性、メリットやデメリット、それらを踏まえた上での魔法

それらをキチンと理解しておかないと確実に痛い目にあう、魔王撃墜事件は良い例だ

まあそれらを理解しても魔法は危険だ、使い方を一歩間違えれば『バーン』とね

まあそんな感じでこのプリントは保護者への『質問』だ、魔法学の授業は絶対やらないといけない訳ではない、中には管理局員など危険な仕事をして欲しくないという両親だっている

なのでプリント、提出期限は来週まで

 

俺の意見か?

うん、あれだ………むっちゃ楽しみ!!

だって魔法だぜ!?

やっぱり自分が魔法使うなんて憧れるじゃねーか!!

セイバーの容姿なんだ、ぜってー「エクスカリバー」って砲撃魔法作ってやる!!

まあホント、現実はそんなに甘くないんだけどね……

 

「許して……くれるだろうか?」

 

何が?家がだ

前にも述べたように事実、『コルテット』は俺に魔法を教えるつもりは毛程もない、逆に魔法を教えて「俺、将来局員になる!!」とか言い出したらもう大問題

両親からしたら俺は大事な一人息子であり財閥の跡取り、魔法を教わる事を絶対に禁止してくる

はぁ………夢が遠のいて行く………

 

ふと外を眺めてみる、どうやら模擬戦をしてるみたいだが………

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

『あぁぁぉぁあぁぁ!!』

 

シャッハさん強ぇ~

あれだね、もはや一騎当千、シャッハさんの無双シリーズ出るかもってぐらい

てか人間、あんなに飛ぶんだね……

 

そうだな、もし魔法を学ぶ事がOKされたらシャッハさんにいろいろ教えて貰おう、確か六課でも教導の手伝い来てた筈だし

 

そう思ってるとポケットの携帯端末が音をたてる

デバイスは無くても携帯端末は持ってる、何かあった時には必要不可欠だしね

相手は爺、まあ登録されてるのは爺、カリム、シャッハぐらいしかいないんだけどね

てかカリム達って『友達』に数えていいのかな?

でも、彼女達の目的は《監視と見張り》、向こうも俺をそんな風に思ってないだろう

知り合い以上友達未満ってか?

まあ電話が鳴っているのだ出たほうがいいだろう

 

電話の内容は……客人が来てるので今日は早めに学校を出て欲しいという事だ

はて、客人?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい爺、何か言い残す事はあるか?」

 

「で、ですが!!これもケント様の将来を思っての「あぁ!?」ひぃ!!」

 

腕をパキパキ鳴らすと目の前の老いぼれが震え上がる

俺は今すっげぇ気分が悪い、だって……

 

「お見合い?将来の結婚相手?許嫁?

調子こいてんじゃねーぞ」

 

「ひぃ!!」

 

そう、許嫁だ

こいつ……俺の相談もなしに大量の『お嬢様』を呼びやがった

俺との結婚の為にだ!!

確かに!!今までそういう話はあったさ!!

ただそういう話題が振られるたびに軽く受け流したり怒鳴ったりする事で回避してきた

 

なのにこの老いぼれ……俺が学校へ行っているのを良い事に大企業の娘やら管理局お偉いさんの娘など……合計……わかんねぇ

 

俺は許嫁など作る気はさらさらないので全員お断りするのは確定なのだが……それでも呼ぶだけ呼んどいて返す訳にもいかない

断ると決めていても結局全員と顔を合わせないといけない訳である………めんどくせぇ……

 

 

 

 

 

一人目~

 

「そ、それでわたしは……あの、あの、あの……わ、わ、わ、わたしの……あ、あ、あ」

 

「……………………。」

 

 

二人目~

 

「とにかく私の考えではコルテットは少し商業展開が広すぎではないのかと、政府も言い出す事が出来ないだけでこの世には『独占禁止法』という物がありまして~」

 

「…………………(; ̄ェ ̄)」

 

 

三人目~

 

「結婚しないと風穴!!わかる!?結婚しないと風穴だからね!!」

 

「……………………(゜o゜;;」

 

 

十人目~

 

「いい?生徒会長になる為の条件ってわかる?それは……『最強』であること」

 

「……………何しに来たんですか?」

 

 

三十人目~

 

「またお会いしましたね」

 

「……………なんでカリムさんがいるんですか?」

 

「教会の人から行って欲しいと頼まれたので」

 

「…………………orz」

 

 

 

結果、ろくな人がいなかった

途中でピンクツインテールのS級武偵っぽいのや女性にしか反応しないパワードスーツを扱ってる学園の生徒会長っぽいのもいたが気のせいだろう、本人じゃないしね

てかカリムさんよぉ……貴方今回の事、ただのパーティーだと思ってたんですね

俺の許嫁を決める為の集まりだと聞いたら顔を真っ赤にして俯いてしまった………むっちゃ可愛かったから保存した

 

まあ三十人との対話、体に半端ない程の疲労がドッと押し寄せる

流石に……キツイ

 

「爺、今度余計な事したらぜってー絞める」

 

「うっ、申し訳ございませんでした」

 

隣にいる爺が頭を下げる、てっぺん禿げてるぞ?

 

「とりあえず今回俺を困らせたことに落とし前をつけて………一つだけ言う事聞け」

 

「爺に頼み……で御座いますか?

わかりました、どんな事でも聞き届けましょう」

 

「デバイス作れ」

 

「デバイスですね、それならもう手はずしている筈ですが」

 

「ふ~ん、て……え?」

 

デバイスを……手はずしてる?

 

「はい、申し上げていませんでしたが、ケント様の為に今デバイスを製作中でございます。

ケント様に悪影響を及ぼす事が心配なのでインテリジェントではなくストレージデバイスになりますが……」

 

「おいおい、ちょっ、まてよ!?」

 

魔法の勉強はさせないんじゃなかったのか?

 

「はい、それが奥方様から「ケントはイケメンで魔法の才能もある、そんな人物がこの会社の次期社長なのだ、今ある物を伸ばして更にイメージアップをさせたい」と」

 

へなへなと尻餅をつく

て事は……

 

「魔法の勉強……出来るのか?」

 

「おめでとうございます」

 

手足がワナワナと震える

理由は会社のイメージアップという胸糞悪い理由だけど……だけど……

 

「よっしゃーーーーーー!!」

 

むっちゃ嬉しい!!

転生してから一番の喜び

諦めたさかけてた魔法が………ようやく、ようやく解禁されたんだ!!

 

「デバイスはもう直ぐ完成だと聞いております。恐らくは……あと三日ぐらいでしょう」

 

「そいつの名前はなんて言うんだ!?

それとも自分でつけれるのか?」

 

自分で名前をつけれるとしたら何にしよう!!

カリバーンでもいいし……でもやっぱりエクスカリバーも捨てがたい……

 

「名前はもう決まってますが……変更する事も出来ます。

ストレージデバイスになるのでAIは搭載されていませんが性能は恐らくインテリジェントを遥かに凌ぐと思われます。

なんせコルテット家が総力をあげて設計しているのですから」

 

名前は……決まってるか……それでも魔法が使える事には変わりない!!

例えストレージになったとしてもだ!!

てかコルテットってなんの会社なんだろうな………どうでもいいか……

それよりも……

 

「なんて、名前なんだ?」

 

恐らくテンプレ通り進むと「エクスカリバー」か「カリバーン」

可能性としては「アヴァロン」などもありうる

 

「聞きたいですか?」

 

「聞きてぇ!!」

 

フフフと爺がドヤ顔を披露するが……絞めるぞ?

 

「ケント様には決して折れぬ信念を持ってもらいたいと思い、コルテットが総力を上げて作った近代ベルカデバイス……名は!!」

 

「おお!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デュランダル!!」

 

 

「聖処女!?」

 

 

思わず叫んだ俺は悪くないと思う

 

 

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