消え去っていた話です
hotaruさんのおかげで載せる事が出来ました、本当にありがとうございました!!
「お疲れ様です」
「ああ、お疲れ様」
軽く敬礼をしながら局の制服をビシッと決めた初老の老人に挨拶する
後ろからはやはりいつも通りの護衛、全身黒スーツのいかにも怪しい集団なのだが今回ばかりは心強い、魔法の使用事態が原則禁止のこの場所で『素手での戦闘』が出来る人間がいるのは大きな違いだ
そして………
「お久しぶりですケントさん、いつもより増してカッコいいですね」
「久しぶりカリム、局の制服っていうのも中々に新鮮だぞ?お前も」
お世辞ではないのに~、と頬を膨らませるカリム、いつもは聖王教会でのシスター服?だからな、こういった制服は珍しい
「ケントさんはやはりあの特別処置の部屋ですか?私個人としてはここに来て欲しくありませんでしたけど……預言の事もありますし」
「まぁ大丈夫だよ、カリムも俺の実力知ってる筈だし特別にディランダルの持ち込みも許可されてるしな」
「ですが……」
渋るカリム、こうやって心配してくれるのは嬉しいんだけどここしかないしな、アイツが……転生者が出てくるイベントは……
「本当に危ない時は真っ先に逃げるから安心してくれ、いや、これじゃあかっこ悪いな」
「危険な時にかっこ悪いなんて関係ないですよ、私はケントさんが無事でいてくれるだけでいいですから」
ハハッと笑う俺
ったく、俺としてはみんなの方が心配なんだけどな、デバイス持ち込み禁止だし
後ろの護衛が耳打ちする……もうこんな時間か、ここに入る為に色々あったので思ったより遅いな
色々?記者やらなんやらを避けるために大変だったんだよ
「じゃあ、また後で、カリムも気をつけてな」
「はい、ケントさんも」
手を振って別れる
………さて、Stsの大一番
公開意見陳述会の始まりだ
『よって今年の問題点、また~』
ステージの中央で毎年恒例の無駄な会議が開かれる
あそこにいるのは……知らないな、少なくとも将官職じゃない、地上の人間か?
近くにあったお茶に手を伸ばす、またよく分からん所に凝ってるお茶だな、俺としては爽健○茶の方が好みなんだが………
ふぅ、と一息ついてから背もたれにもたれる、今回は確実に事件が起こる事が分かってるからな、油断はしない
今回の陳述会、Stsでの大きなターニングポイントであり、次元世界全体を揺るがす大規模テロが起こるであろう今日
自身が狙われていると分かっていながらも、俺はここに来た
理由はやはり転生者、サンドロスというイレギュラーを除けば六課によって事件は自然と収束する、これはほぼ確実だ、戦闘機人ではフェイトやはやて達を倒せない
そこに転生者やサンドロスが割り込んでくるならば俺が介入すればいい、その為の俺なのだから
あと、ここで確かあの『脳味噌』達も殺された覚えがある、実質的に俺に対しての接触はなかったが転生者と同じ不安要素である事には変わりない、敵方転生者もあいつらの事ぐらいは分かっているだろう、生かしておいた所で利用価値もなし、これに関しては大丈夫
あと……レジアスに言っていた警備か、確かに増員はされた、確かにな
しかし……かといって防御が高くなったわけでもない、増員された人間は殆どが戦力としての足しにならない人間ばかり、実質的にプラスは0
まぁ俺も『戦闘員』を増やせとは言ってないからな、確かに人数は増えた、これなら地上の治安もある程度保たれる
あの老け狸が……やっぱり本職と俺とでは違うってことか
さて………
「事件が起こったところで俺はどう動くか……」
これが俺の悩みどころ、事件が起こったとしてどう動くか
出来るならば正体不明の転生者との正体は掴みたいところ、それさえわかればコルテットで何とかなる
しかし……どうやって掴む?
はっきり言って陳述会はルートが多すぎる、ギンガスバル然り六課然り、向こうからこっちに来てくれるのが一番なのだけどそう簡単にいくか?
う~ん、これはその場の状況に応じて考えるか
あと余談になるが今回のネリアはお留守番だ、俺みたいに役職持ってるわけじゃないからな
万が一の時の為にコルテット製の結界を貼らせておいた、これによって転移魔法でガジェットを送り込む事も出来ないし防犯プログラムの管理は全て爺に任せてある、まぁ安心と言っていいだろ
「それにしても……暇だ」
ふぁぁとあくびを出す
油断しない、と言ってもテロって確か陳述会の終盤だった記憶があるんだよな、暇じゃねぇかそれまでの時間
よくよく見てみると全員が全員話を聞いてるってわけじゃなさそうだし……はやて、お前寝るなよ、立場的にさ
テレビをつけて暇潰しをする
……どこも陳述会の報道ばっかりだな、少しはバラエティとか無いのか?
と、その時だ
ガガガガガガガガガガ!!
「………早くねぇか?」
うるさいほどの爆発音、今しがたつけたテレビでも地上本部が煙をあげているのが見える
原作ではもっと遅かった筈……まぁいいか……
「ケント様!!」
バンッ、と高い音を出して開かれる扉
………うん
「少し、どいてろ」
「えっ、なっ!?」
ステップで駆け出し、護衛の後ろに向かってデュランダルを放つ
その直後『がががが』と倒れる金属の固まり、ステルスにしたのか?
……俺が持ってたステルスデバイスか、破片回収して応用したと見ていいな
「なっ、なっ」
ヘナヘナと倒れこむ黒スーツの護衛
まぁデバイス無しでこいつらと当たるのはキツイわな、護衛達も対人を想定して来てる筈だし
ついさっきから魔法も使いづらいから本格的にテロが始まったと見ていいな……さて……
「行きますか」
初めっから全力全開で